えーっと、美空ひばりさんの歌のレビューではございません。(さすがにそこまで守備範囲広くないです……)
一時期の更新速度がウソのように蹴躓きながらノロノロと書き続けている本作「シャル・ウィ・ダンス!?」なのですが。
これ、別にストーリーが決まってないとか、エンディングまでの道筋が見えてないとかいうような話ではございません。ちゃんとプロットもできあがってますし、ラストシーンもおおよそですが頭の中にあります。もともと、本編「Left Alone」のような複雑なお話でもなければ、別に深く掘り下げるようなテーマもないわけで。
だったら、もっと速く書き進められて良さそうなもんですが、ところがそうもいかない。
これ、どういうことなのかなと考えてみて(一応、反省)たどり着いた結論は、
「登場人物のキャラクター像をちゃんとつかめてない」
という救いようのないものでした。
プロ・アマを問わず、世の物語の書き手がどうやって「登場人物の行動」を決めておられるのかは分かりませんが、私の場合、
「このシチュエーションでその人物がとるであろうもっとも自然な行動って何だろう?」
というところから始まります。
これはわたしがテーブルトークRPGを長くやっていたことと無関係ではないのですよね。
TRPGの場合、ゲームの進行役(ゲームマスター。モノによってはダンジョンマスターなんて呼び名もありますが)があらかじめ作ったシナリオに基づいてプレイヤーのキャラクターが置かれた状況を説明し、それに対してプレイヤーは自分のキャラクターにとらせる行動を決定します。ゲームはこのやりとりの繰り返しで進んでいき、それにその行動の成否を判定するシステム(主にサイコロを使って判定します)がくっついているわけです。
このとき、プレイヤーは基本的には取り得る限りのすべての選択肢から自分のキャラクターの行動を決めることができるのですが(ここがコンピュータRPGのようなコマンド選択システムと決定的に違うところ)ただ、キャラクターには様々な性格付けや背景の設定があって、それに反することはできません。する場合には相応の理由をゲームマスターに申告しなくてはならず、もしできなければ行動は取り消されてしまいます。
話がちょっとずれましたが、そういうゲームをやってたせいで(わたしは圧倒的にゲームマスターの経験が長いのですが)登場人物の行動原理には煩いわけです。
そして一方、わたしの物語の創作では「あらかじめ登場人物にとらせる行動」が決まっているケースはほとんどなくて、むしろ、シチュエーションだけ先に決めて、まるで本物の役者をそこに放り込んで行わせる即興劇(エチュード)のような演出をしているのですね。
そして、そこではそれぞれの登場人物の視点から「その人物がとるであろうもっとも自然な行動」を模索して、それを文章に書き起こしているわけです。
しかし、そのためにはそれぞれの端役に至るまで、少なくとも人となりをつかめる程度には人物像をつかんでいないといけないのですよね……。
「シャル・ウィ・ダンス!?」の登場人物は本編に比べれば圧倒的に少ないのですが、しかし、「Left Alone」では前作「砕ける月」を通じて完成したキャラが多いですし、語り手である真奈についても「彼女のことで知らないことは何もない」と言い切れるほど把握できています。
しかし、由真についてはまだそこまではありませんし(語り口から不安定ですからね~。「パートタイム・ラヴァー」とも微妙に違うし)本作のみの人物についてもちょっとあやふやかなあ?という気がしてます。
それは真奈が関わってるところだけやけにさっさと書き進めることが証明してますね(笑)
えー、先日は「書いてる途中の物語のウラ話は控えたほうがいい(と思う)ので具体的なことは書きませんが」などと書いておきながら愚痴をこぼしておりますが、ウダウダ言いつつも物語はクライマックスへ向かって最後の上り坂を上がっていこうとしております。そこさえ越えてしまえば、あとは川が流れるようにラストまで行ける――はずです。
なので、もう少しだけお付き合いくださいませ。
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(※ ここから不正確な記述がありましたので改稿してます)
いつもの設定公開コーナーですが、今回はちょいとアブナイお話を。
第24回で登場する手錠に関するお話ですが、由真が言っているように一般的に国内で製造・販売されている手錠にはほとんど安全装置がついています。これは鍵の紛失や鍵穴の破損に備えてのものです。マジシャンの拘束脱出マジックで使われるのもこのタイプですね。
一方、警察等の司法機関で使用される手錠には安全装置はありません。
とまあ、ここまでは書いてある通りなんですが、実はネット上で販売されている輸入物には安全装置のないものがあるのです。というか、ほとんどそうです。
(これが追記の理由です。だって、そらさんに「スゴいお役立ち情報だ~♪」とコメントを戴いちゃってますからね~。不完全情報でそらさんの危機をさらに深刻なものにするのは(笑)わたしの本意ではありません)
国内の司法機関の手錠にはシリアル・ナンバーが入っていて流出はしないことになってますが、こういった輸入物にはそういう規制がないので(一時期あったのですが何故か解除)そういう場合は作中の由真が言ってるような方法での脱出はできません。
作中登場の手錠はヴィデオ撮影の小道具、つまりSMグッズなので安全装置があったわけです。それを一発で見抜く由真の眼力もまあ、相当にアレなんですが……。
(なお、今回の由真は後ろ手にかけられていて自力でノッチを触れませんでしたが、それは根性とほんのちょっと手首の柔軟性があれば何とかなるはずです)
ちなみにこちらは本物の手錠の画像。
見てのとおり、安全装置(ノッチ)はありません。矢印が鍵穴。アップで見れば中の構造が見えるかも。
この手錠にはロック機構のノッチもありませんが、通常は手錠が被拘束者の腕を傷つけるのを防ぐためにそれ以上締まらないようにする機構のスイッチがあります。
刑事ドラマのように手首に力いっぱい叩きつけたら何の意味もないんですけどね。
で、こちらが手錠の構造図。
手錠の中に入り込んでいく部分のギザギザと、本体の中のレバー(赤く塗った部品)のギザギザが噛み合って輪を逆進させなくする構造がお分かり戴けるかと思います。
開錠するときは鍵を回すことでレバーの反対側を押して噛み合っている部分を離すという単純な仕掛けです。なので、図中のMethod1、または2のようにクリップやヘアピン、またはビリー・ミリガンのように裂いたキャップなど挿し込んでレバーを動かせればそれで外れてしまいます。
部品にさえ当たれば難しいことではないので、大切なのは焦らないことですね。
そういうわけで、こちらがオモチャの手錠。
さすがにアメブロのアフェリエイト検索にはヒットしませんでしたので(当たり前だ)ネットで画像を拾って参りました。
どうやら売れ筋商品らしく、あちこちのサイトで見かけたのがこの【ビンディングフォース】
けっこう重量感のある代物のようで、色はブラック以外にもレッドとゴールドがあるそうです。価格はだいたい500円くらいから、高いところで2000円くらいですね。って、何のお役立ち情報なんだか。
写真を見ていただくと安全装置のノッチがあるのがお分かり戴けると思います。マジシャン用のものはこれが目立たないようになってるらしいのですが、さすがにネット上では売ってないので確認はできませんでした。
まあ、商売道具だし仕方ないか。
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以上、過去最大級の”生きていくのに役に立たない”設定公開でした。願わくば、これらの雑学が実際のお役に立つことがありませんように(笑)