ボークスのレジン製ミニチュアキット、塗るガレシリーズ『ドラゴネッツ ファフニール』の製作記2回目です。
今回の内容は、下地塗装、ドラゴンの塗装の途中までです。
■目次
下地塗装
このキットはディテールが半端ではないので、下地はAFVでもお馴染みのホワイト&ブラックにしてモールドを浮き立たせ、その下地を生かした染め塗り塗装(ミニチュアペイント界隈の用語で言うスラップチョップ)をする方向で進めました。

今回のキットはレジン製なので下地へのプライマー塗装は必須です。
使用したのはシタデルカラーのスプレー式プライマー「ケイオスブラック」。
ミニチュアペイント界隈では高い評価を得ているプライマーで、下記のような特徴があります。
- 微細なディテールを潰さない: 塗膜が非常に薄く均一に広がるため、ミニチュア特有の細かいモールド(彫刻)やエッジをスプレーで埋めてしまう心配がほとんどない。
- 塗料の食いつきが抜群: 表面に極めて微細な凹凸(ツヤ消しの足付け)を作り出し、上から塗る水性アクリル塗料の定着力を劇的に向上させる。特に筆塗りをする際、塗料が弾かれずスムーズに筆を運べるようになる。
- 対応素材が幅広く定着力が強い: プラスチック(スチロール樹脂)だけでなく、レジンやメタル(金属)など、様々な素材に対して強力に定着する。
お値段が若干高い(1本3000円前後)のが難点なのですが、私はこういうマテリアルの力を借りまくるタイプなので、試しに買ってみました。
高いと言っても容量は400mlあり、よく使うプラモ用サフの2倍以上の容量(クレオスのサーフェイサーが170ml、タミヤのファインサーフェイサーLが180ml)なので、実はそこまで高くも無い気もします。買うのに勇気がいるお値段なのは間違い無いけど・・・
あと、臭いが結構強いです(ベランダで吹いたのに家の中までしばらく臭った)。


想像していたより艶のある綺麗な下地になりました。謳い文句通り、繊細なモールドも埋まっていません。

ただ、奥まったところに塗り漏れがありますね。厚吹きしないように気を付けていた(のと日が落ちて薄暗いベランダで吹いた)のでしょうがない。
漏れたところはファレホのプライマーを筆塗りしてリタッチしました。

ということで、ここからは全て水性塗料(ファレホ)での筆塗りをしていきます。
ブラック&ホワイト下地を作る為に使った塗料はこちら。
- 70602 プライマー ブラック(シタデルのプライマーの吹き漏れのリカバリ用)
- 70862 ブラックグレー
- 70990 ライトグレー
- 70919 コールドホワイト
これらの塗料で4階調の白黒下地を作りました。
黒下地の上にドライブラシで陰影をつけて行きます。


ドライブラシにはダイソーのメイク用ブラシを使っています。
ドライブラシに模型用の筆を使うのはもったいないし、100円で色々なサイズが揃えられ、気軽に買い替えられるので便利です。小さめのサイズもミニチュアには特にピッタリ。
最初、抜け毛が怖いので根元に瞬間接着剤を流し込んで固定する技も試したんですが、それをやった3本中2本は毛細管現象で穂先まで固まってしまったので捨てました(笑)
そこまでやらなくてもそんなに毛は抜けなかったので、そのままで大丈夫です。
広い面には「URGLAM アイシャドウブラシ」、中くらいの面には「ミニコンシーラーブラシ」、細部には「ポイント極細コンシーラーブラシ」の3本が特に使いやすかったです。

明るくしたい範囲を中心に「70990 ライトグレー」でドライブラシ。

最後にさらに明るくしたい範囲に「70919 コールドホワイト」をドライブラシ。
この時点では良い感じに陰影をつけられたな。と思っていたんですが、染め塗りをするにはもっと全体的に明るくするべきでした。全然暗すぎました。詳しくは後述します。
また、AFV等のドライブラシでは乾きの遅いエナメル塗料を使う事が多いですが、ファレホは乾きが早いので一工夫しないとやりにくいです。そのままだと筆に付けた塗料がすぐ乾いてしまい、ドライブラシが全然進まないんですよね。
水で湿らせる方法も試したんですが、ビショビショになりやすく、コントロールが難しいので却下。
結局、塗料に「70540 マットメディウム」と「70597 ドライングリターダー」(ごく少量)を混ぜて乾燥を遅らせる手法に落ち着きました。
筆から塗料を拭うときも、水分を吸い過ぎるキムワイプやキッチンペーパーではなく、プラ板等でしごくようにするとちょうど良い塩梅になりました。この方法なら筆につけた塗料が乾きにくく、ドライブラシが捗ります。
ドラゴンの胴体の塗装

ドラゴンの塗装に使うのはこの塗料。ファレホのエクスプレスカラーシリーズです。
元々シャビシャビの状態かつ下地が透けるクリア塗料のような質感の塗料です。
ミニチュア模型にそのまま塗ると、ディテールの凹んだ部分に塗料が入り込んで濃くなり、出っ張った部分は薄くなるという性質により、1色でグラデーションが出来るというタイパ重視の現代にピッタリの時短塗料です。
この塗料をグラデーションをかけた白黒下地の上に塗れば、さらに複雑な陰影表現が出来るのでは?と思った訳です。
塗装見本と同じカラーリングではつまらないので、ドラゴン本体は赤とオレンジで塗り分けます。
赤は「72405 エクスプレス マーシャンオレンジ」、オレンジは「72405 エクスプレス マーシャンオレンジ」を使用。

……ですが、下地が暗すぎてぜんぜん発色しなかったんですよねー。
こういうオレンジ、レッドのような明るめのエクスプレスカラーを乗せるんだったら、下地にはもっとグレーやホワイトを乗せて明るめにしておくべきでした。黒の部分は奥まった箇所以外ほとんど残らないぐらいにした方が良かったみたいです。

何度か塗り重ねましたが、エクスプレスカラーは塗るたびに色が濃くなっていくだけなので、これ以上重ねても無駄と判断。

ドライブラシからやり直すのも勿体ないので、別の方法で明るさやコントラストを上げる事にします。
その前に、まだ未塗装の他の部分には追いドライブラシをかけて明るくしておきました。

「70926 レッド」+「72014 ウォーロードパープル」を混色してピンク味のある赤色を作り、赤くした鱗部分全体にドライブラシ。

さらにかなりコントラストの強い、メカカラーの「69008 レッド」で鱗の先端部分を狙ってドライブラシ。
I
最後に「72009 ホットオレンジ」+「72013 スクイッドピンク」を混色してオレンジ味のあるピンクを作り、エッジやハイライトにドライブラシ。
これで赤色部分はかなり発色が良くなった気がします。

オレンジに塗った部分に「72009 ホットオレンジ」(原色のオレンジっぽい色)で全体的にドライブラシ。


「70911 ライトオレンジ」で先端、ハイライト部分をドライブラシ。
これで、下地が黒過ぎた問題もある程度リカバリできたんじゃないでしょうか。
もう少し陰影をつけてコントラストを強くしたいところですが、翼等を塗ったあとに全体のバランスを見てから調整する事にしました。
水性塗料の筆塗りは下の色を透過させやすく、塗り重ねれば塗り重ねるほど深みが増すので、結果オーライだったかもしれません。ミリタリー系のウェザリングと似たような感覚ですね。
子供の頃に習っていた油絵を思い出します。
翼膜の塗装

ドラゴンの翼の膜は、同じくエクスプレスカラーの「72410 グルーミーヴァイオレット」、「72411 ミスティックブルー」を使って、紫から青に変わるグラデーション塗装にしました。
今度は下地を明るめにしている&塗料自体が明るい色ではないので、エクスプレスカラーの効果が充分に発揮されました。

ここのグラデーションは1色目に塗った塗料が乾く前に次の塗料を乗せ、塗装面上で混色して自然なグラデーションを作る「ウェットブレンディング」という手法を試してみました。
「72410 グルーミーヴァイオレット」、二つの塗料を合わせた中間色、「72411 ミスティックブルー」の3色をあらかじめパレット上に用意し、それぞれの色担当の筆も用意します。プラス、色の境界線をぼかす用の筆も用意。
これらを部分ごとに次々と色を変えて塗って、グラデーションを作りました。

表側も同じ手法でやろうと思ってはいたんですが、時間に追われるウェットブレンディングが面倒臭くなってきて、乾いた後に次の色をうすく重ねるグレージングで塗っちゃいました。
表側は下地を暗めにしていることもあり、そんなに違和感ないかも。
角、翼の骨の塗装



ドラゴンの角や骨は、青と緑の中間のようなターコイズとエメラルドグリーンの中間のような色で塗装しました。
使ったのはエクスプレスカラーの「72414 エクスプレス カリビアンターコイズ」(70%)+「72418 エクスプレス リザードグリーン」(30%)の混色。
翼を青や緑系にしたのは、一応ドラゴン胴体の赤・オレンジの補色を使ってバランスを取ることも意識してます。塗り絵楽しい。
エクスプレスカラーの効果もあって、良い感じに塗装できた気がします。
こういう小さい模型のチマチマとした塗り分けは楽しくて、集中しちゃってあっという間に時間が過ぎますね。
そんなところで今回はここまで!
ではまた!





