5月9日13時公演
月組 宝塚大劇場
『Eternal Voice 消え残る思い』
『Grande TAKARAZUKA 110!』
観劇
トップスター月城かなと様の月組公演はわたしにとってこれが最後の観劇
いつもより、歌声・歌詞に耳を澄ませて心を寄せて聞き入りました
芝居もショーも歌詞をあらためて噛み締めて聞くと、心に染みわたるものばかりでした
見えない時は耳を澄ませてみるのも良いものです
そうです
最後の観劇だったのに前の座席の方の頭で、舞台の真ん中が見えないという…
でもそんな不運を呪っても仕方がないので、見えるものを見て、そして耳を澄ませて、できる限りの今この時を堪能しようと心がけました
ショーのプロローグは下手花道の雅耀様のロイヤルな美しさに心ときめき、
前回見つけた後方部隊の超若手のみが舞台をジャックする瞬間の、飛翔れいや様のとびきりの笑顔と翔ゆり愛様のバチコンウィンクに胸踊らせ、
銀橋渡り放題の中詰めは、カミシモから出てきたばかりのスターのみを堪能し(なんせ真ん中が見えないので)、もはや誰がどこだか、どこが誰だかついていけなくなったころ、客席降りが始まりました
1列後ろの後ろが通路という座席(限りなく下手側)のわたしにとっての最寄ジェンヌは彩音星凪様でした
めっちゃキレイでした
たくさんの方にファンサービスをしていて、しかもしっかり目を合わせて手を合わせていて、そして腕の短い小心者の私はただひたすら手拍子をしながらそんなアヤオト様を見つめていました
こんなときに手くらい振ってアピールできる人になるのが将来の夢です
そして後ろから聞こえてきたのは、
ひゃー
わぁー
だれ?
知らん
そんなアヤオト様をはじめとする卒業生が銀橋を歌い渡る場面は皆さんを観たいのにみられない(なんせ真ん中が見えないので)、もはやアヤオト様だけを目で追いかけました
本舞台ではいつものように近所のおじちゃんみたいな佳城葵様が出迎えてタッチしてくれて、その後は近づいてきた誰か(誰かを確認したはずなのに記憶がない)の腰に手をまわして抱き寄せて、周りの方々としっかり目を合わせて、笑顔なのだけれど神妙な顔つきのその表情に、胸がいっぱいになりました
終演後、後ろの座席の方がたが、
格好良かったねー
誰やろねー
彩音星凪さんです!
この公演でご卒業されるんですよ
という会話を繰り広げる、
妄想をしていたのですが、振り向いた時にはもうもぬけの殻でした
ショーが始まる前の幕間休憩がもう少しで終わるかなという頃に、客席の両サイドに車椅子の方とそのお連れの方が座る(たぶん)座席でなにやら案内係のお姉さんとお話している方々がいました
そのお二人はその後、わりと前方席へ着かれたと思ったら、置いていた荷物を持って(たぶん)、そのサイド席へお座りになりました
お芝居は車椅子の方がお一人座っていただけなので、あきらかに二幕は座席移動されたもようです
どうしようもない理由があれば席を変えてもらえるんだというのを初めて目の当たりにしました
前の人の座高が高くて見えなかったから、見えないって言ったんかな?
私も見えないんだけど…
と、後ろのご婦人方がその一部始終を見てお話されている声が聞こえてきました
座高が高い、見えない、というワードに反応して私の隣の方が座り方を気にしていました
小さい私でさえ、見えないという囁きが聞こえたらちょっと気になりました
自分ではどうしようも出来ないことに対しての不満の声が聞こえてきたら…と思うと胸が痛くなったので、これからもそのようなことは決して座席で口にするまいと心に誓いました
今後は、前列にお相撲さんが座ったり、とんでもない方が座ったら、劇場案内係の方へ相談するのもありなんだなと思いました
小心者なので、耳を澄ませて観劇しました、で終わりそうでもありますが…