8月26日12時公演

近鉄アート館

OSK日本歌劇団

「へぼ侍~西南戦争物語~」

原作 坂上泉「へぼ侍」

主演 翼和希

観劇



 近鉄アート館
なつかしい劇場です
その昔、大好きな劇団の芝居を観に行ったのは20年ほど前のことです
年月の経つ速さに驚きつつも、あの頃追いかけた劇団に想いを馳せるきっかけとなりました

劇団ランニングシアターダッシュ

芝居も団員の皆様もいつだって全力疾走している劇団でした
毎回公演の観劇アンケートに、
「高見盛のようにまっすぐで全力で面白かったです!」
と書いていました
(ちょうど高見盛関が関取になって人気を集めていた頃だと思います)
劇団解散まで見届けることができたのは私の青春の1頁です

そんな近鉄アート館はその頃近鉄百貨店の中にありました
今回調べてみると、「あべのハルカス内」にあるとのこと
すごい!
と、今日行ってみたら、
あべのハルカスの中に近鉄百貨店があり、その中に近鉄アート館がありました
大阪府民なのに、大阪の都会を知らなすぎる自分におののきました

へぼ侍
タイトルだけ聞くと、およそ歌劇には似合わないので、いったいどんな作品だろうと思っていましたがとても骨太な作品でした
明治維新後に没落した大阪の士族、志方錬一郎が、家の再興のため西南戦争で一旗挙げようと官軍に志願
弱冠17歳ながら分隊長をまかされた彼に、隊員たちの反発や和解、交流、そして九州での死闘にお鈴との出会い
新聞記者が綴る彼の物語の最後は…

というような内容です
ちなみに没落後、大阪の薬問屋に奉公していた錬一郎が剣の稽古をしているのを見て、その家の娘がイケズで呼んでいたのが、
「あんたなんか、へぼ侍よ!」

ストーリーは歌で綴られ、歌は心を表し、台詞はリズムを刻み、想いは躍りで表現する
歌劇という煌めく舞台とは違う、地に足のついたミュージカルでした
歌舞伎のような台詞のリズムと間がどこも決まっていて、掛け合いが素晴らしかったです
そして皆様ひとりひとりがたくさん、たくさん!歌って聴かせるのです
言葉と想いがはっきりしっかり届いて感動しました
劇場は客席数が322席で私の席は端ながら3列目ということで、舞台がとても近くて皆様の美しさも堪能いたしました

主演の翼和希様は本当に美しくて格好良くて歌は台詞のように自然でした
17歳という役どころをピュアに演じていて、可愛くもあり、男らしくもありました
大阪弁なところもまた心を鷲掴みにされました
ヒロインの唯城ありす様がこれまためちゃくちゃ可愛い上に、歌声が涼やかで美しくて、どんなに高音でも言葉が伝わるなんて、最強の娘役やん!と思いました
壱弥ゆう様は庶民派な風貌で可愛らしいのに、歌がとても丁寧で良い声でお芝居もとても自然でした
天輝レオ様はこれでもかというくらいワイルドで格好良く、せいら純翔様は美しい上に語尾の「おまっ」は愛嬌がたっぷりで(稀惺かずと様とお顔が似ています)、知颯かなで様は顔も声もうっとりするほど美しかったです(こちらはあか抜けた苑利香輝様といった感じです)

劇場入り口では始まる前も休憩中も終演後も研修生の方々が数名お手伝いをされていました
みなさんしゅっとしてきりっとしていてキレイでした
よろしかったらどうぞ!
と、出演者のカードをいただきました
壱弥ゆう様のカードでした
この前のレビューRoad to2025ではトップスター楊琳様のカードをいただきました
そのときはおじさんからもらったので、今回はキレイなお嬢さんからの手渡しなのでさらに嬉しかったです
劇場にいるOSKのおじさん方は歌劇団の名に恥じぬようも少しあか抜けた方がより良いと思います