8月3日18時半公演

星組 東京宝塚劇場

『1789―バスティーユの恋人たち―』

新人公演

ライブ配信試聴


初主演の稀惺かずと様とても良かったです

歌も芝居もとってもロナンでした

若く青くキラキラしていて、それでいて地に足がついていて雑草魂に溢れていてギラギラしていて、と持ち前の華やかさと甘い雰囲気に加えて細部まで丁寧な歌と芝居で魅せてくれました

月組の「1789」主演の龍真咲様のキラキラと礼真琴様のギラギラを合わせて初々しくした感じでした

幕が降りる前にロナンから稀惺かずとに戻ったような、込み上げるものをこらえた表情に全私が泣きました


さいごのご挨拶では、


不安で押し潰されそうだった

不器用な自分がイヤでなんども逃げ出したくなった


と涙ながらに正直に自分の気持ちをポツポツと語る姿が不器用感満載で、それもまた心打たれました

そんな稀惺かずと様を涙しながら微笑みをうかべて見守る詩ちづる様が聖母マリア様のようでした


フェルゼンが見目麗しくいかにも伯爵と言った風情で、誰?誰?これがハセルキか!となりました

馳琉輝様は研1の組配属からすでに新人公演で役がついていて、お芝居の人と知っていたような気がするのですが、最後にマリー・アントワネットへ手を差しのべるのに、アントワネットの国王とともに生きる決意をまざまざと見せつけられて、無念とともにその手をひっこめるあの間と流れに(やたら語りたがる己を今改めて知り、この場面が好きすぎることに気づきました)胸を打たれました

込み上げて台詞がつまっていると思ったら涙も流していて、切なくて苦しい胸の内がありありと伝わってきて、本当に素敵な馳琉輝フェルゼンでした


デムーラン御剣海様は顔が小さくてスタイル抜群

最初にハットをかぶっているとき顔がほとんど見えなかったくらい

爽やかで華やかなデムーランでした


そしてなんと言っても印象的だったのがペイロールの大希颯様

圧倒的な華と存在感がありました

この役ってスターの役だっけ?と思うほど、スター感出ちゃってました

歌にも芝居があって憎たらしいほど憎たらしかったです

ここまで役を大きく見せられる大希颯様、末おそろしい、いや、楽しみです


絋希柚葉様はアルトワ伯爵を余裕たっぷりで演じているように見えて、絋希柚葉様にこの役を任せて良かったなと思いました(何様なのか)


印刷工仲間の青風希央様がやっぱり格好良かったです

立ち姿スタンス広すぎなのがまた良かったです


碧音斗和様のダントンは粗野で豪快な感じがよく出ていて、ついでに汗もよく出ていてさすが実力派だと思いました

つい最近まで休演していたのによくぞ復活してくださいました


透綺らいあ様はネッケルを丁寧に演じていて、いつもながら台詞回しが聞き取りやすくて、声が良いです 顔も美しいです


国王は羽玲有華様  武器を取って闘えそうなお顔でしたが、最後に、アントワネットに、

いちばん会いたかった人じゃないのか

と尋ねるところに、少し切なさをにじませている言い回しが私好みでした(ここの場面ホンマに好きすぎて言い方に好みがあるほど)


世晴あさ様は存在してくれるだけで楽しくて嬉しくなりました

役はアレです、ほらあの役


ということで最後はちょっとはしょりましたが、あふれる感想はとめどないのでこのあたりで筆をおく、ならぬ指を止めます


とにかく稀惺かずと様はめっちゃ良かったー!と大声で言いたい夏の夜の素敵な思い出となりました