日蓮仏法に於ける一大秘法 22(完)

 

 

大聖人の記述文書 から「一大秘法(一大事の秘法)」と「妙法蓮華経の五字」の比較

 

 

「一大秘法」とは

 

「天台・伝教は粗釈し給へども之を弘め残せる一大事の秘法を此国に初めて之を弘む日蓮豈其の人に非ずや」(富木入道殿御返事955頁)文永811月 大聖人50歳御作

 

「大覚世尊仏眼を以つて末法を鑒知し此の逆・謗の二罪を対治せしめんが為に一大秘法を留め置きたもう(中略)法華経を流通せんと諸の大菩薩に諫暁せしむ」(曾谷入道殿許御書10301頁)文永123月 54歳御作

 

「此の四大菩薩は(中略)但此の一大秘法を持して本処に隠居するの後・仏の滅後正像二千年の間に於て未だ一度も出現せず、所詮・仏専ら末法の時に限つて此等の大士に付属せし故なり」(曾谷入道殿許御書1032頁)文永123

 

「教主釈尊の一大事の秘法を霊鷲山にして相伝し・日蓮が肉団の胸中に秘して隠し持てり」(南条殿御返事1578頁)弘安49月 60歳御作

 

※地涌の菩薩の頭領である上行菩薩として、日蓮大聖人が「一大秘法」を教主釈尊から相伝(付嘱)され、文永8年には既に日本での弘教を開始されたのです。

 

 

「妙法蓮華経の五字」は

 

「一念三千の観念も一心三観の観法も妙法蓮華経の五字に納れり、妙法蓮華経の五字は又我等が一心に納りて候けり」(一念三千法門414頁)正嘉2年  大聖人37歳御作

 

「所謂諸仏の誠諦得道の最要は只是れ妙法蓮華経の五字なり(中略)凡そ八万法蔵の広きも一部八巻の多きも只是の五字を説かんためなり」(聖愚問答抄下497頁)文永2年 44歳御作

 

「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与え給う」(観心本尊抄246頁)文永104月 52歳御作

 

「但理具を論じて事行の南無妙法蓮華経の五字並びに本門の本尊未だ広く之を行ぜず所詮円機有つて円時無き故なり」(観心本尊抄253頁)

 

「上行菩薩等の末法に出現して南無妙法蓮華経の五字を弘むべしと見へたり、しかるに先日蓮一人出来す(中略)とにかくに法華経に身をまかせ信ぜさせ給へ」(上野殿御返事1557頁)弘安24月 58歳御作

 

※大聖人は妙法蓮華経の五字」本門の本尊」とを別概念とされています。

多くの文証が存在し既に提示させて頂いているので割愛しますが、「釈尊が地涌の四菩薩に付属した『一大秘法』とは『妙法蓮華経の五字』である」のは明白です。

 


 末法にリーダーである四菩薩が出現して「本門の本尊と戒壇と題目」いわゆる「本門の三つの法門」を建立して、それによって妙法蓮華経の広宣流布の実現を確約されているのです。

 

『釈尊から一大秘法の付属を受けた四菩薩が提示された三大秘法「本門の本尊」「本門の戒壇」「本門の題目」のそれぞれの意味・意義を捉える必要があるでしょう。

 

つまり、大聖人の御書から「三大秘法」は、

 

一大秘法『妙法蓮華経の五字』を具体化した」のが『本門の本尊』

「本門の本尊を安置し仏道修行の道場ともいえる」のが『本門の戒壇』

『妙法蓮華経の五字』に『南無(帰命)』を加え『南無妙法蓮華経』と唱える」のが『本門の題目』

 

である。

 

法華経本門の肝要とされるこの「三大秘法」の意義は、大聖人の教義の根本であり、能化(教化する人)である大聖人の立場から言えば、究極の「民衆救済 (一切衆生の幸福確立) システム」 であり、我々(教化される一切衆生)の立場から言えば、即身成仏(人間革命)システムおよび「弘教拡大(世界平和の誓願)システム」である、と結論付けられるのではないでしょうか。

 

 

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