都会の大きなターミナル駅の近くの通りに面したビルに
古い歴史を持つ行列を作る店。

そんな所の味と普段毎日食べるお昼の味とみんな一緒くたに
語ることはできません。

しかし、ふとこんなことを考えました。

昔、スキーから帰ってきて夕飯は何を食べるかという話に
今のように様々なチェーン店がない時代町々に名物があり、
帰りのルートやら気ままに見つけた店からスキーヤーの間で
有名な食事というのがあり、名物とは違う意味でお客を集める
店というのがありました。

私たちの間だけでいつも使う店というのもあり、高崎の17号線に
面したレストランによく寄ったのを昨日思い出しました。

そこは中華から和食、洋食何でもあるようなレストランビルで
駐車場も広くはいりやすくてよく使ったのです。

そこで注文するものはラーメンとカレーというのようなひとりで
何皿も注文して食べるようなことをしていました。

スキー場で何も入っていないスープのようなインスタントのルーを
溶かしただけのようなカレーに1000円も払ってきた身にはそこの
一品500円以下のメニューはまるで夢の国の食堂に迷い込んだかの
ように感じて一人三皿ぐらいは食べていたように思いました。

そして今でもそういう食堂タイプのお店に行くとそんな頼み方を
してしまいますが、世には大衆食堂的な店構えながら安くて大盛り
で、しかもうまいという店があり、そんな注文者を戸惑わせる店も
あります。

秩父でもそんな店だという情報を聞き出かけてみるととてもがっかり
するというところがほとんどで中でも味とサービスなどまるで素人以下
というのが多くなっています。

秩父にも老舗というのがあり、安くておいしい店や行列のできる
ラーメン店などもあるのですが、都内でおいしいものを食べて
おいしいお惣菜などを買い込んだ後には下手な店に寄りこんで
せっかくのいい気分を台無しにしたくないものです。

人によりそういう味基準とか店選びは面白い方法と理論があり
決してうまくて良心的な店だけが選ばれるのでないというのが
現状でお客の側にも問題があるかもというような判断も時に
あるようです。

例えば昨日の都内の洋食屋のように行列のできる店も毎日食べたい味
かと言えば決してそんな味でもほめそやすようなものでもありません。

確かに一朝一夕でできる味でないのは解りますが、毎日食べても
飽きないしお財布にも優しいという店が町には必要です。

それが町の機能であり、面白い町かすみやすい町かの差ができる
ところです。

つまらない安さだけのチェーン店が幅を利かせる現在では個人の
店は貴重になりつつあり、それでも都会はそんな昔ながらの下町の
商店街や路地の店が人気なのに、田舎ではハンバーグと牛丼の店
ばかりとなってしまうというおかしな現象になっています。

田舎にも文化と人とのかかわり合いや地元の味を守るという人が
少なからずいて個性のある町があるですから、文化の誉れ高い秩父
でも、老舗有名店や名もない日常使いの店を守り育てていかないと
と思うのでした。