今日は富士吉田でお昼にうどんを食べる予定でした。
そばも好きですが、うどんの方がもっと好きです。
うどんの名所はよく訪ねますが、富士吉田がうどんの
名所だというのは、何年か前にひょんなことから知り、
いつか行こうと思いつつ、実現しないでいたのです。

そして、もうひとつ私の大好きな場所として伊豆半島が
あり、伊豆や箱根、沼津は何度も訪れています。そして、
仙石原のホテルに泊まった際に、秋になればここはススキが
きれいだからまた来てくださいとホテルの人にいわれ、絶対に
また来ますといいつつ、もう20年くらいそれが実現できないで
いました。ススキを見に軽くドライブというのは、近いがゆえに
いつでもできることとして、ついつい先延ばしにしていたのです。

そして、今日それが実現されたのです。
こんな連休初日の秋で一番ドライブ客が多い富士地方へ
ドライブするなんてのは、渋滞を味わいに行くようなものです。
しかし、そんな事を言っているから20年も果たせぬ約束をして
しまうことになるのです。思い立ったら、できる事を直ぐにやると
それがこれからは重要です。

ルートは、色々考えましたが、やはりトンネルを抜けて山梨から
行くのが、簡単で混まない方法でしょう。710円の料金は高いと
感じますが、3時間で山中湖まで行けてしまいます。ただ、問題は
富士吉田が10時半に通過してしまい、お昼には早いのでうどんが
食べられなかったのです。まあそれは仙石原より近いことだしまた
くれば良いかと、先を急ぎます。乙女峠を降りた辺りから道が混み
出して、仙石原へ曲る信号辺りから2Kほどのろのろでした。

信号の手前で、そこはナビを見ながら抜け道を行きました。いくらか
渋滞を回避できました。しかし、目的地に近づいたらぞろぞろ歩く
人があふれています。これは私が希望する景色ではありません。
ネットで見ておいたレストランや喫茶店も人が列を成しています。
ヨモギのソフトクリームの店には長蛇の列が出来、あまりうまくもなさ
そうな緑色のソフトをみんな食べています。こいつらなんでも良いのかよ。
そんな風景です。

交番のある信号のところに、車を止めて湿原を散策します。
しかし、道が狭く観光バスやら乗用車がどんどん通り、これは
湿原もいつまでもつやらと言う環境です。ススキは見ごろでしたが、
20年間あたためたにしては、ススキが揺れる風景はそんなにしてまで
見る価値があるかという感じでした。どこぞのスキー場の夏の風景
みたいに草が揺れている感じです。他の観光客のようにススキの中の
アスファルト舗装の道を歩く気にもなれず、下から斜面を見上げて
終了。

こんなのだったら他にももっとすごいススキを見た事があるような気が
します。ただそこは人に知られていないただのなにも無いところなので、
観光客も無く、やがて刈られてコスモス畑にされて今はあのススキの原
の秋の風情がなくなり、観光客や写真を撮りに来る人がいるどこにでも
あるお花畑に成り下がりました。もうひまわりやコスモスはどこにもあるから
植えるのならススキにしてくれといいたいです。以前武甲山が見える
段々畑も減反政策で米が植えてはだめになり、ススキが生え出して
それはそれは見事な段々畑の風景でした。それがここ数年は、
コスモス畑です。

芸が無いとはこのことです。秩父の市の花は、いつのまにか芝桜になりました。
こんなつまらない市は、どんどん人がいなくなるでしょう。みんな名物や
人を呼ぶ事ばかりを考えています。もっと大事な事があるはずです。
もっと足元を見て皆で考えなくてはいけないのです。地方の衰退は
ばら撒きから始まったのです。国の政治家も財政のもつ意味が
解らないのですから仕方ありません。

話がそれました。片流れのススキの斜面を見てから、小桶谷へ行きます。
途中芦ノ湖に出て、大涌谷の煙も見えました。大涌谷では、温泉たまごが
名物ですが、これは何度も食べていますが、小桶谷では、同じ温泉たまご
でも、真っ黒でも中身が違うものが売っているということを知り、ぜひ買いたいと
思い立ち寄りました。それから、宮ノ下へ行き、いつも買う鉱泉せんべいを
買いました。これはこんなレトロなものがそのまま売っているというのはひとつの
奇跡に近く、その裏の富士屋ホテルと合わせて箱根の奇跡として、これからも
保存される事を望みます。

さて、順調に予定をこなしたものの、やはり吉田のうどんが気になり、
帰りは、東名で帰るつもりを変更して、元来た道を戻ります。しかし、
これが山中湖までのろのろで、天候も最初は晴れてよい天気だったのが
くもりがちになり、富士山はまったく姿を見せず、渋滞もただ辛いだけです。
心の気休めになったのは、サイクリングの人や走っている人がいて、ここまで
走りに来るのかと親近感を持ったことです。それと連休のためか、かなり
遠くの県のナンバーの車が多く、北海道や三重、北九州など全国的な
観光地である事を証明していました。

ですが、こういう日には普段車を運転しない者が多くハンドルを握っており、
いらいらしたり、頭にくる事が多発します。そんなことでストレスを感じては
せっかく来た意味がなくなりますので、なるべく穏やかな気持ちで運転を
心がけることにしました。しかしマナーの悪い奴や自分本位の奴は多く
なりました。それでも全てがそんな奴らばかりでなく、善意の人もいれば
見習うべき人もいるのです。地球に本のひと時借りて生きていると自覚
できれば、みんなそんな風に行動できると思います。渋滞のお陰で、富士吉田
についたのが3時過ぎになり、何件かリストアップしたうどん屋さんがみんな
もうやっていません。

帰ってきて知ったのですが、ふつうは11時から2時というのが多く、夕方まで
やっているのはほんの数件です。で結構探したところまったく無くて偶然
吉田のうどんと店の窓ガラスに貼った文字を見つけて食べる事ができました。
あとで見ると市で作っているマップには載っていない店でした。値段も高く、
普通300円くらいのものが500円でした。味は、うどんの中心が粉っぽい
感じで、誰でもうまいというには難がある感じでした。ただ、汁はあっさりした
しょうゆ味でネットで見た、吉田うどんの特長である味噌味ではなく私は
かえってよかったと思いました。それと同時に真の吉田のうどんは再度
訪れて食べようと決めました。富士見市の焼きそばとか最近、こういう
B級グルメブームらしく、情報には事欠きません。

しかし、まあ実際には味わってみるまで解らないというのが結論であり、
いって食べてみるという行動こそが大事だと感じます。そして再確認した
ことは、味の記憶とか思い出は美しく残るものという法則です。どうせ
なら多くのこしたいものです。