ミー法 第2条

「冷蔵庫は3秒以上開けるべからず」




はじまりはこんな感じだった。


同棲してすぐのころ、冷蔵庫を開け、アップルジュース(1ℓパック)を片手に取り、そのままグラスにトクトクトクトク・・・と注ぎはじめたときだった・・・

「なにやってんだっ!コラー!」

どうやら冷蔵庫を開けたまま作業を行うということは、絶対にあってはならないことらしい。

まあ私の方としても、それまでのほぼ30年間をそのライフスタイルで過ごしてきたという自負はあるのだが・・・

育ってきた環境が違うので、その辺は否めない~

ってことにしておこう。


数日後・・・

「気に入らん・・・」

冷蔵庫から牛乳を取り出した妻が、ぼそっとそう呟いた。

なにが気に入らないのだ。開けたまま事件があってからというもの、おれは冷蔵庫の取り扱いには十分に気をつけてきたのが・・・

「なんで牛乳の開けた方が手前に来てんだ?!んあっ?」

いったい何のことだ。牛乳の仕舞い方に向きなんてあるのか。
そんなはずはない。そんな話は聞いたことがない。
異文化コミュニケーションってやつなのか・・・

「開けた方がこっち(手前)向いてたら、なかの牛乳がこぼれんじゃねーか、ぉお?!」
(※妻は江戸っ子ではない)

私はしばらく考えたのち、こう答えた。

「いや、こぼれないと思いますけど・・・」

すかさず妻は言った。

「口答えするんじゃないっ」

「それに・・・」

と、これまた世間ではまだ発表されていないような、新しい理論を妻が発表する。

「普通よぅおーぉ」
(※妻は江戸っ子ではない)

「この手のタイプの冷蔵庫(左側から開けるタイプ)の場合、右手で扉を開けるだろ。それでそのまま左手で牛乳を取る。
でだな、牛乳の明け口が奥に向いていれば、そのままこうやってグラスに注ぐことが出来るだろ?」

全然、わからなかった。

「仰ってることがよくわかりませんが、それは注ぎ方にもよるのでは?そもそも私は右手で牛乳を持ちたいのですが・・・」

「口答えすんじゃない!」

ややかぶせ気味だった。





   第一章 総則

(ミー法制度の目的)
第一条  ミー法は、「この家におけるすべての家具・家電を健全な形で利用し、この家を統括する主であるもの(以下、この法律において「妻」という。) が、快適に過ごすため、夫または子(現時点で0歳5ヶ月)が妻の満足度の向上及び増進に努めなければならない。」という理念に基き、利用上のミス、不用意な発言等によって妻のご機嫌を損なうことを防止し、もって健全な家庭生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

2011年7月22日、我が家にミー法なるものが制定された。
その概要は以下の通りとなる。

第一章 総則
第二章 家具・家電
 第一節 通則
 第二節 ダイニング
 第三節 リビング
 第四節 ベッドルーム
 第五節 バス・トイレ
 第六節 ベランダ
第三章 コミュニケーション
第四章 外出
第五章 家事
第六章 雑則