遥 | Talk'n Blues

遥

彼方。

声が聞こえない。
手が届かない。

夢の中では隣にいる。
妄想の中で抱き寄せる。

目が覚めれば隣に誰もいない。
目を開ければ私は一人。

真夜中

耳元で囁かれた気がした。
私はそれに応えた。
私の横にはあなたがいた。
わかっていながら抱き締めた。

夢だと知っている。

飛び起きた私は泣いていた。

体が震える。
喉が掠れる。
手が痺れている。
足は動かない。

ずっと

目が覚めなければ

と、心から願う私がいた。

不安が煽る。
想いは募る。
涙を浴びる。

私はベッドにいた

髪を振り乱しながら

一人

声をあげて。


気が違いそうになる夜。