「これがその問題の機械なのね。ただの汚い粗大ゴミにしか見えないけど」
 
 現れた時から文句ばかり言っている黒髪少女は中央にある巨大な機械のホコリを軽く払うと、キーボードをいくつか叩いてそれを起動させた。
 
「一応、最も貴重な人工物とされているんだけど・・・・・・。まあ、この部屋は数秒ごとに次元空間を移動するからね。その場所を探知してから一瞬でテレ ポートできる能力が必要になるの。そんなことできる魔術師は全次元あわせてそう多くはいないわ。だから立ち入る人が少なくなってしまいこんな風に何年も使 われなくなってしまうことがあるの」
 
 金髪碧眼の美女は早口に彼女に説明した。
 
(自分だってその中のひとりのくせに・・・)
 
 黒髪少女は、思いはしたが言葉にはしなかった。
 
「それより本題に入らなくてもいいの? あまり時間があるわけではないんでしょ」

その言葉に黒髪少女は本来の目的を思い出したようだ。彼女は懐から一丁の銃を取り出す。それは現代の回転式拳銃リボルバーと 形こそは似ていたが色や装 飾はまったく異なっていた。青を基調に彩られていて、通常は装填数が6~8発しかないはずだがそれには20発の装填数があった。彼女はそれを機械の中には め込むと手馴れた様子でキーボードを叩いた。ハッカー顔負けのタイピングの速さでディスプレイに次々と文字を刻んでいった。