懸念した展開に持ち込まれると……。G大阪、岡山に完敗

 


35,245人の観衆が集い、チケットが完売となったパナソニック スタジアム 吹田は試合前、“涙雨”が降っていた。試合当日の8月10日、G大阪で初代監督を務めた釜本 邦茂さんの逝去が発表された。試合前には日本サッカー史に残る偉大なストライカーへの黙祷が行われ、G大阪の選手は喪章を巻いてピッチに立った。

3連勝を目指すG大阪は前節・川崎F戦からスタメン1人を入れ替え。満田 誠がボランチで起用され、鈴木 徳真とコンビを組んだ。また、8月2日に行われたスタッド・ランス(フランス)とのプレシーズンマッチで約5カ月半ぶりの実戦復帰を果たした奥抜 侃志がリーグ戦では開幕戦・C大阪戦以来のメンバー入りを果たし、ベンチから出場の機会を待った。

一方、岡山を率いる木山 隆之監督はG大阪でプロデビューした当時、釜本 邦茂さんから指導を受けた縁を持つ。G大阪に対してシーズンダブルを目指すチームは前節・神戸戦からスタメン4人を入れ替えた。ルカオに替わって1トップを務めるのは、ホームのG大阪戦でゴールを決めている一美 和成で、古巣相手に連発を目指す。

「岡山は守備も堅いので先に失点すると難しくなる」とG大阪の半田 陸が戦前に懸念したとおりの展開に持ち込まれた。手数をかけずシンプルに背後を突く岡山は10分、右サイドの柳 貴博にボールを展開すると、後方から飛び出した藤田 息吹倉田 秋を振り切って、中央に切れ込んでシュート。これに岩渕 弘人が触れて先制し、アウェイチームが勢いづく。

最終ラインでボールを持たされて効果的に前進できないG大阪に対して、岡山は攻守で主導権を握ると、36分には江坂 任のヒールパスを受けた岩渕 弘人がゴール正面から技ありのシュートを放ち、リードを広げる。

今季2点差をひっくり返しての勝利がないG大阪は42分、鈴木 徳真のパスを受けた半田 陸がゴール前に進入してシュートを放つが、マッチアップしていた佐藤 龍之介が泥臭く体を張って得点を許さない。

2点を追うG大阪は後半から山下 諒也を投入し、攻撃のギアを上げにかかったが、岡山も岩渕 弘人に代えて最前線にルカオを送り出し、試合を決定づける3点目を狙いにいく。

後半は岡山を自陣にクギづけにし、押し込み続けたG大阪だが、岡山の体を張った守りに手こずってゴールを奪えない。

61分にはイッサム ジェバリを送り出し、宇佐美 貴史をボランチにスイッチ。前線に起点が増えたことでより効果的な攻撃を繰り出したが、宇佐美 貴史が72分にゴール正面で得たチャンスは決め切れず。

すると、後半は防戦一方だった岡山は、89分にCKから途中出場の木村 太哉がダメ押しの3点目を決めて、試合を決定づけた。

G大阪は苦手とする3バックのチームを攻略できず、アウェイ戦に続いて岡山に完敗。昇格組にシーズンダブルを許し、連勝は『2』でストップした。

一方の岡山は連敗を『2』で止め、パナスタに初めて集ったサポーターに勝利をプレゼントした。