イーグルで好発進 桑木志帆-ベガの輝き

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第24戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が8月22日、北海道苫小牧市・桂ゴルフ倶楽部(6,651ヤード/パー72)で開幕。絶好のコースコンディションに恵まれ、大混戦となった。大会第1日、5アンダーをマークした桑木志帆、堀琴音、鶴岡果恋が首位。1打差の4アンダー、4位タイに天本ハルカ、小西瑞穂がつけた。
(天候:曇り 気温:23.1℃ 風速:6.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:24mm》

 

 不安一掃。桑木志帆が67をマークし、5アンダーと絶好のスタートを切った。この日は10番スタート。序盤からバーディー奪取でスコアを伸ばす。ハイライトは後半の2番。残り142ヤードの第2打、8Iでイーグルを決めた。今季、8つ目は堂々の1位。「打つ前に、ワンチャンスあるかもしれないと思っていた。そして、ショットの瞬間、すごく手応えがいい。でも、狙ったわけではなかったですよ」と、控えめに振り返っている。さらに、イーグルランキング首位については、「特に、意識をしているわけではない。トータルドライビングも上位にいる。こちらもトップを狙えそう。スタッツは、何かしらで1位になりたい」と語った。

 

 前週、13日。AIG女子オープン出場権が、繰り上がってきたことを電話で知った。「夕方にわかって、その日のうちに決断しなければならない。考える時間が本当に少なかった。セントアンドリュースでプレーすることは、ゴルファーの夢。本当は出場したかったけど、当時は調子がいまひとつで、体調もすぐれない。そうした事情であきらめることになった。本当は行きたい。来年はぜひ、もっと世界ランキングをあげて挑戦します」と話した。

 

 名より実をとる選択は大成功といえるだろう。体調やプレーの調子がここ数日で、上昇ムード。「ラウンドしていても、体の疲れを感じない。ショットがとても安定して、チャンスを確実にモノにできた。きょうフェアウェイをはずしたのは1回」と、好調をアピールした。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 復調のキーワードは捻転。「ショットが安定したのは、上半身が突っ込んでしまうことが多かったから。動画をとって、わかった。意識的に下半身を捻転させるように2週前から取り組んだ結果です」と前置きし、「パッティングも同様です。2日前から、パターヘッドにスティックを置き、一方を胸にあてがうようにしてストロークをする。こちらも下半身の捻転の要領でやっています」。このパッティング練習は、松山英樹なども実践中で、抜群の安定感をもたらすという。

 

 無理をせずに着実に、我が道を行く。ふと気がついたのは、その両眼だ。瞳がこと座のベガを想起させるように、キラキラと輝いていた。

 

以下、各選手のコメント

堀 琴音<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

堀 琴音(1位タイ:-5)
 「ノーボギーで回れたのは良かった。前半はあまりグリーンに乗らず、でもアプローチが寄ってくれて、ずっと1メートルくらいのパーパットを最初の8ホールは入れ続けていた。それが良かったです。初優勝をしたコースなので、自分の中では特別。来たときから楽しみで、ワクワクしながらプレーができました。当時より、風に対応できるようになったかなぁ。あと3日あるので頑張るだけです」


鶴岡 果恋<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

鶴岡 果恋(1位タイ:-5)
 「残り3日ありますが、いいゴルフをして上位フィニッシュできれば・・・。25歳になったので、攻めるゴルフをしていきたい。きょうはティーショットがすごく良かった。ラフに打つと難しくなるので、行かないようにマネジメントしていました。毎ショット集中してやったらいいスコアにつながった」


天本 ハルカ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

天本 ハルカ(4位タイ:-4)
 「あすも風が強いと思います。まずは 第2日を終わっていい位置にいられるように、しっかりリスクマネジメントしながら頑張りたい。ミネベアミツミ レディスで右手首を痛めてしまって、そこからスイングが上手くいかなくなり、戻ってくるのに時間がかかりました。やっとこうだなと思うように振れるようになってきました」


小西 瑞穂<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小西 瑞穂(4位タイ:-4)
 「ここ最近調子が悪くて悩んでいたので、あまり考えずに力みをとるようにしました。上半身に力が入っていると感じて、締めるところは締めて、他は力を入れないようにしていました。あすは自分の目標としていることをやって、決勝ラウンドへ進みたい」


永峰 咲希<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

永峰 咲希(6位タイ:-3) ※ニトリ所属
 「朝から風が吹いていましたが、耐えるところは耐えて、しっかりとバーディーも取れたので、まずまずの滑り出しだと思います。風が吹くので難しさもありますし、きょうはピンポジションがちょっと厳しいホールもあって、難しいという感じはありました。
あすは雨が降って縦距離が落ちやすくなる。そのコントロールが難しい。なるべくフェアウェイからパーオンを狙っていく守りのゴルフが大事です」

 


ぺ ソンウ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

ぺ ソンウ(6位タイ:-3)
 「このコースが好きです。というのは、ドローボールが打ちやすいロケーションだから。ただ、簡単なホールはありません。とても涼しく、コンディションは快適だけど、風が強く吹いていた。マネジメントを考えるのが大変。前週、久しぶりにトップ10へ入った。調子はいいです。とりあえず、きょうの感触から連続トップ10を目標にしましょう」


高橋 彩華<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

高橋 彩華(6位タイ:-3)
 「ドライバーは良かったのですが、アイアンがツマ先下がりのライばかり。イメージどおりに打てず、ちょっと手こずりました。(今大会は)意気込み過ぎて空回りしないように注意しています」


臼井 麗香<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

臼井 麗香(6位タイ:-3)
 「いつもより前半からパーオンができていてよかった。チャンスが多かったのですが、取りこぼしも・・・。上がり3ホールでピンチもありましたが、凌ぐことができました。
 今週の目標はやはり優勝争い。4日間あるので、安定したプレーをして、その結果いいところへ行けたらいいなぁ。
 今、メルセデス・ランキング34位で中途半端な位置にいる。TOTOジャパンクラシックへも出場したいし、状態のいい時にいい成績を残したいです」

蛭田 みな美<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

蛭田 みな美(15位タイ:-2)
 「ショットの精度が、まずまず。後半の3連続バーディーなどいい感じでプレーができた。それだけに6番が残念・・・。10メートルから3パットで、良い流れが途切れた。パターグリップを2センチぐらい短く握り、ヘッドの芯をとらえやすいようにした工夫が、十分に生かせない結果になったけど、あすはより丁寧にプレーします」


新海 美優<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

新海 美優(15位タイ:-2)
 「後半のスタート、10番で5メートルのバーディーが決まり、いい流れを引き寄せた。14番が4メートル、続く15番は3メートルの連続バーディーです。前半はパー5でも距離が長いホールが多く、大変でした。その点、後半はアイアンでグリーンを狙うショットが打てるから、チャンスをつくれたことが大きい。
 体調はいいですよ。去年の11月からピラティスをはじめた。これがすごくいい。おかげさまで持病の背中痛の心配がありません。せっかくの好スタート。最終日まで気を引き締めていきます」


政田 夢乃<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

政田 夢乃(15位タイ:-2)
 「苦手なコースの割には頑張ったかなぁ。もったいないボギーだったり、長いホールでパーセーブできなかったのが悔しいです。前週からショットの調子はすごくいい。あとはパッティングが入れば・・・。
 (キャディーの弟は)動きがよくなってきました。(ラウンド中は)ゴルフの会話はあまりしません。普段の会話をしていて、楽です。二人で力を合わせて頑張りたい」


小滝 水音<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小滝 水音(26位タイ:-1)
 「前半、同組の皆さん、すごくいいペースでプレー。私も良かったです。でも後半、風が強くなってすごく難しい状況に・・・。それでも調子は上がっていることを実感できた。1Wの飛距離が出ているし、パッティングの調子もまずまず。私、このグリーンが好きです。ラインが素直で距離感を合わせやすい。それから、ボールの転がりがきれいですね」


佐藤 心結<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

佐藤 心結(26位タイ:-1) ※ニトリ所属
 「きょう1日通してずっとショットが良くて、パーオン率もフェアウェイキープ率もすごく良かったです。短いバーディーパットもいくつかあって、それを外してしまったり、危なげないパーはなかったです。取りこぼしてのパーが多かった。その意味ではもったいないラウンドだったかなぁ。あすもアンダーパーを目指して、耐えるゴルフをして、リズムよくラウンドできたらいいなぁ」


リ ハナ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

リ ハナ(26位タイ:-1)
 「スタートホールで4メートルのバーディーが決まった。とてもいい感じ。ただ、中盤から風が強くなって、とても難しい状況でした。何とかアンダーパーをキープしたけど、良い手応えを得ている。まだ、3日間あるし、最終日へ向けてもっと調子をあげていきます」