川﨑春花「朗報」に背中押され首位快走

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第23戦『CAT Ladies 2024』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)の大会第2日が8月17日、神奈川県箱根町・大箱根カントリークラブ(6,652ヤード/パー72)で行われた。首位スタートの川﨑春花がこの日も好調をキープ。8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算11アンダーで最終日を迎える。3打差の通算8アンダー、2位はペソンウ。通算7アンダー、3位の森田遥が逆転を狙う。
(天候:晴れ 気温:32.8℃ 風速:2.5m/s)
《グリーン=スティンプ:12 1/4フィート コンパクション:22.5mm》

 

 2位に1打差の首位で第2日に臨んだ川﨑春花は、前日のホールアウト後に朗報を受け取っていた。翌週に迫った全英女子オープンへの出場権獲得。出場を辞退した選手がいたため、直前になって出場権が転がり込んだ格好だが、「行くかどうか迷ったのは、ほんの一瞬。(今年の会場の)セントアンドリュースに1度行ってみたかったので、ワクワクしてきました。ラッキーです」と屈託のない笑顔を浮かべた。

 

 幸運に背中を押されたように、この日も首位を快走した。速いグリーンの難コースで、時おり強風に悩まされながらも、ミラクルショットを放つ。3番パー3では、ティーショットをグリーン右のラフに外したが、58度のウェッジで打ち上げてから転がし、見事にチップインバーディー。16番パー4でも、花道の隣のラフから再びチップインバーディーを奪った。

 

 好調なパッティングにも、たびたびピンチを救われた。「ラインを読めたホールと、そうでなかったホールがありましたが、読めた所ではタッチも合って入ってくれました」と振り返る。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 11番パー4では下りフックラインの8メートルのバーディーパットが、思ったほど切れず、約3メートルオーバーするピンチに陥ったが、返しのパーパットを丁寧に決めた。続く12番パー3でも、ティーショットをグリーン右のラフに外し、アプローチも6メートルオーバー。パーパットを外し、ボギーパットも2メートルの微妙な距離が残ったが、慌てずに沈め、後退を最小限に抑えた。

 

 普段通り、バーディーを奪ってもボギーを叩いても、涼しげな表情を変えずにラウンド。「きのうもきょうも風が難しくて、そこに集中しなければならなかったことが、逆によかったのかなと思います」。

 

 いつもと少し違うのは、今週はプロのキャディーではなく、ハウスキャディーを起用していること。4月のパナソニックオープンに次いで今季2度目だそうで、「たまには1人で考えながらやってみようと思いまして…」と説明する。このあたりにも内省的なスタイルが表われている。

 

 JLPGAツアーでの過去4勝は全て4日間大会。最終日には初の3日間大会での優勝がかかる。ホールアウト後はそのまま空港へ向かい、渡英する予定。5度目の優勝と確かな自信を手土産に、イギリスに乗り込むことになるか。

 

以下、各選手のコメント

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ペソンウ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

ぺ ソンウ(2位:-8)
 「スタートホールでイーグル。グリーン手前のラフから26ヤードをチップインでした。本当に気持ちが良い一日。久々にゴルフの神様が微笑んでくれました。きょうはやはり、第1打の精度が良かったことが、好スコアにつながりました。
 久々の優勝を狙いたいけど、欲を出しすぎると余計なプレッシャーをかけることになる。あすも楽しく-これが一番でしょう」


森田遥<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

森田 遙(3位:-7)
 「きのうとまったく別コースでプレーをしているようでした。きょうは、3メートルぐらいのバーディーパットが結構、決まったことが大きい。また、ショットも絶好調とはいかないまでも、グリーンへオンするといいところへボールが転がってくれました。
 コースは得意とはいえないけど毎年、成績はまずまずです。そういう意味で相性がいいと思います。それだけに、難しさを感じない。伸び伸びとクラブを振ることができる。最終日もスコアが伸びると思う。ミスを怖がらずに攻めて行けば、きっとスコアもついてくる」


上田桃子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

上田 桃子(4位タイ:-5)
 「上がりの16、17番がもったいなかった。そこまでは良かったけど…。プレーは全体に悪くはなかった。首位の川﨑(春花)さんの調子が良さそう。でも、入れるだけ行きます-そんなプレーができれば、私にもチャンスがある。
 そのために必要なのは脱力。最後まであきらめずに自然体でプレーします」

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佐藤心結<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

佐藤 心結(4位タイ:-5)
 「久しぶりのノーボギーですし、67で回れたのも今季初めて。100点に近い内容だったと思います。(22戦中17戦予選落ちの不振にあえぐ今季は)自分の武器であったショットに自信が持てず、振り切れなくなって、ヘッドスピードも飛距離も落ちていました。
 毎年、この大会だけは自宅の小田原市に近いので、兄(2歳上の大学生・俊貴さん)にキャディーを頼んでいて、リラックスして楽しみながらできたことがよかったのかなと思います」


渡邉彩香<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

渡邉 彩香(4位タイ:-5)
 「前半、いい流れをつかむことができた。5連続バーディーは3番=2メートル、4番=4メートル、5番は58度で5ヤードをチップイン。6番=3メートル、7番=4メートルです。
 きょうの内容では9番の3パット以外、良かった。今大会からピン型のヘッドに替えて、私の感性が合うようなパターにしています。グリーンがすごく速い。正解でした。また、ショットはこの1カ月ぐらい、ずっと安定しいい感触です。
 きょうは、両方がうまくかみ合ってくれた。きのう、台風7号接近で天候が悪かったにもかかわらず、私を応援してくださった方がたくさん…。最終日にまた、来ます-ということだし、きょうは是が非でも上位で上がりたかった。
 あすも、とにかくいいプレーをするだけ。期待に応えたい」


藤田さいき<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

藤田 さいき(7位タイ:-4)
 「きのうはパッティングがいまひとつ。きょうは、うまくいった。安心した。それにしてもこの暑さです。アップダウンが激しいコースだし、体調を整えて必死にプレーしている。それから、飲料を多めにとって乗り切っています。
 前2週、予選落ちで、久々に楽しみな日曜日を迎えることができた。それにしても、今年のセッティングは難しい。去年とは明らかに違います。ラフが長い。集中していきます」