V字回復-川﨑春花 首位発進

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第23戦『CAT Ladies 2024』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)が8月16日、神奈川県箱根町・大箱根カントリークラブ(6,652ヤード/パー72)で開幕した。雷雲接近のため128分の中断に見舞われたが、今季2勝の川﨑春花が4アンダーでトップに立った。1打差の2位タイに尾関彩美悠と李知姫、2打差の4位タイに昨年優勝の蛭田みな美、上田桃子ら6人がつけた。
(天候:雨 気温:23.5℃ 風速:3.9m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:22mm》

 

 「V字回復」へ好スタートを切った。川﨑春花は7月のミネベアミツミレディスで2年ぶりの優勝を果たすと、続く大東建託・いい部屋ネットレディスで2試合連続優勝。その後、北海道meijiカップとNEC軽井沢72ゴルフで2週連続予選落ちを喫したが、この日はまた変身。時おり強い風雨に見舞われ、2時間を超える中断もあった中で、5バーディー1ボギーの安定したゴルフを披露した。

 

 「2週連続予選落ちの時も、ショットは悪くなくて、パッティングが入ってくれなかっただけでした」と冷静に自己分析。「パッティングの時、少し体が流れている気がしたので、支点を意識してストロークするようにしたら、良くなりました」と説明する。

 

 「風が強くて難しいラウンドでしたが、ラッキーもあって4アンダーで回ることができました。慎重に風を読むことに集中したことが、よかったのかなと思います」とも。2022年に2勝した後、勝てなかった2年間は悩みに悩んだが、試行錯誤の末、パッティングのグリップをクロスに変えるなどして掴んだ感覚は、今度はそう簡単に消えない。「今日の環境の中で結果を出せたことは、また自信になります」とうなずいた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 「あれはラッキーでした」と破顔一笑したのは、14番パー4だ。ティーショットを左のラフに打ち込んだが、169ヤードの第2打は6Iでグリーンを狙う。「アゲンストの風で奥行のないグリーンだったので、グリーン手前でもしかたがないと覚悟したのですが、打つ直前に風が止んでくれました」。グリーン手前にはバンカーが口を開けていたが、ボールは川﨑の「越えて!」という思いが届いたかのように、際どく越えてピン横1.5メートルにピタリ。勢いを象徴するバーディーとなった。

 

 同じ2003年度生まれの神谷そら、櫻井心那と同組で回ったことも、厳しい環境をリラックスして乗り切る助けになったようだ。「2人とも飛ぶ。特に、そらさんはぶっ飛ぶので、安定に飛ぶなあ、と思いながら回っていました。いろいろおしゃべりしながら、自然に肩の力が抜けていたと思います」と同級生2人に感謝した。

 

 竹田麗央、山下美夢有、小祝さくら、岩井姉妹ら、メルセデス・ランキング上位者が軒並み海外遠征中の今大会、実力者の川﨑がスイスイと快走しそうなムードが漂っている。

 

以下、各選手のコメント

李 知姫<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

李 知姫(2位タイ:-3)
 「ショットがすごく良かった。グリーンを狙うショットの精度が、特に。ピンチはなかった。とてもいい一日です。最終ホールのバーディーは4メートルぐらい。距離はあったけど、すごく打ちやすいラインでした。ノーボギーラウンドが少し自信につながったし、この調子を最終日まで持続させたい」


高橋 彩華<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

高橋 彩華(4位タイ:-2)
 「悪天候の中で耐えることができてよかったです。シビアなパーパットがいくつか入って、ショットも大きなブレがなかった。全体的に安定していたかなぁ。最終ホールは取りたいと思っていました。結果的にOKぐらいに付けられたので、うれしかった。
 あすは全然違うコンディションになりそうです。ショット力をキープして、頑張りたい」


蛭田 みな美<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

蛭田 みな美(4位タイ:-2)
 「バーディーがとれたけど、ボギーもある。ちょっと悔しい一日。パー5でボギーを叩き、3パットも2回ありました。しかし、グリーンはとてもいい状態。ボールの転がりが良く、ちゃんとラインを読めばカップインできる。熱中症にならないように注意して、あと2日、しっかりやります」


小林 光希<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小林 光希(4位タイ:-2)
 「ハーフターンで、しっかりご飯を食べ、母からも気合を入れられた。ということで、見返すつもりで後半、頑張りました。それにしても、出入りが激しい一日。あすは、もっと落ち着いたプレーがしたい。
 今季はシード権獲得が目標で、もちろん初優勝できたらすごくうれしい。チャンスはあるなぁと思いますけど、気負わずにいきたいです」


ペ ソンウ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

ぺ ソンウ(4位タイ:-2)
 「長い一日だった。台風の影響があったなかでも、頑張ることができました。いいショットも、悪いショットもあったけど、運もよかった。週末にかけて楽しみです。風が吹いたり、止んだりしていましたが、風が止んだ(12番)パー3ではいいショットが打てて60センチに付けることができました。ホールインワンかと-。
 このコースはラフが長いので、フェアウェイキープが一番大事です。あすは自信を持ってしっかりショットしたい」

上田 桃子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

上田 桃子(4位タイ:-2)
 「プレー中断まで、すごく調子が良かった。ただ、再開後は体の切れなどがいまひとつ。グリーンの速さもつかめない。落ち着いてはプレーできたと思います。16、17番はすごく難しい。それだけに、17番のバーディーは大きいですね。悪い感覚のまま終わらずに良かったなぁ。
 コースが好きです。毎年、プレーすることを楽しみにしている。以前、優勝した時は確か-復活Vと、皆さんがいってくださった。そうなれるように全力でプレーします」


安田 祐香<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

安田 祐香(4位タイ:-2)
 「1番ホール(パー5)から2オン。イーグルパットは入らなかったけど、バーディーが決められた。序盤からアンダーで回ることができて、いい流れが作れました。きょうはパッティングがよくて、ショットはあまりよくなかった。中断中は、ちょっと寝てリフレッシュできた。
 あすは、ラフに入れないようにしたいです。攻めていくと大ケガにつながってしまう。安全に攻めた方がいいかなぁ。あすは天候がいいので、きょうよりも(スコアが)伸びると思います。上位についていけるよう頑張りたい」


佐久間 朱莉<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

佐久間 朱莉(28位タイ:+1)
 「前半、パッティングで苦戦したけど9番、ナイスパーセーブで、そこからガマンできるプレーになった気がする。この後、しっかりパッティングを修正します。タッチが合っていない。そうでなければ、上位争いができません。最終日に優勝争いするためにも…」


河本 結<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

河本 結(66位タイ:+4)
 「きのうまで全英女子オープンの出場エントリーなどあって、ちょっとバタバタ…。きょうのための準備ができなかった。反省します。ただ、勉強にもなりました。今夜は早寝をして集中力を高める。いいプレーをして、セント・アンド・リュースへ挑戦したい」