幸せのストレスで首位 川﨑春花-上昇の夏

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第19戦『ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が7月5日、北海道札幌市・真駒内カントリークラブ 空沼コース(6,667ヤード/パー72)で大会第2日が行われた。川﨑春花が65をマークし、通算11アンダーで首位へ浮上。3打差の通算8アンダー、2位は櫻井心那、通算7アンダー、3位で河本結が追う。ディフェンディングチャンピオンの小祝さくらは通算6アンダー、4位タイで決勝ラウンドへ-。
(天候:晴れ 気温:26.5℃ 風速:5.2m/s)
《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:23.5mm》

 

 身が細る夏。それでも、川﨑春花は上昇カーブを描いている。「やっと試合へ、集中できるようになった」と、65をマークした第2日。通算11アンダーで首位へ浮上した。前日に続き、ノーボギーラウンド。怒とうの前半、4連続バーディーはギャラリーの視線をクギ付けにした。

 

 「それほど、ショットの精度がいいわけではなかった」となれば、パッティングである。13番=4メートル、14番=2メートル、15番=4メートル、16番=2メートルをみれば、一目瞭然だった。

 

 後半のスタート1番では、ピン手前から10メートルのロングパットを沈める。さらに2バーディーを上積みし、混戦からグイッと抜け出した。3週前からクロスハンドグリップへスイッチ。すっかり、自家薬籠中のものとした印象を受けた。

 

 「これまでトライしたことがなかったけど、狙ったところへストロークできない。だから、思い切って」といい、「スーッと違和感なく切り替えられた。おかげさまで1試合、スムーズだったから、すごく自信がついた」とも語っている。

 

 この日に関しても、「入ってほしい距離。入れなければならない距離が決まった。唯一、4番では3パットも覚悟しなければならなかったけど、うまくパーセーブができましたね」と、さらに確かな手応えを得た。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 昨夏からショットの不調に悩み、好調時の動画と現在を対比しながら、スイングの改良を続けている。「去年の資生堂レディスオープンでは、打球がどの方向へ飛んでいくか・・・。そんな感じでした。私は悪い時、手首でクラブを上げ、インへ引いてしまう。意識をしなくても、自然にいいスイングができるようになった。おかげで、やっと試合へ、集中できるようになった」と笑顔をつくった。

 

 一方で、体重キープに懸命だ。異変に気がついたのは前週。周囲からやせた-の声に体重を計測するとベストから3キロ減だった。「去年はニトリレディスから、体重が減ってしまった。ちょっとまずい。今週はしっかり食べることも目標のひとつです。何とか、1キログラム戻した」と打ち明ける。

 

 次から次へと、難問が押し寄せる。「ストレスを感じることばかりです。でも、私はプロゴルファー。幸せのストレスということにしましょう」。身が細る夏も、心を豊かに乗り切る。プロ3年目の進化が、ここにあった。

 

以下、各選手のコメント

櫻井 心那<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

櫻井 心那(2位:-8)
 「前半は、チャンスを決めきれなくてというのが多かった。後半はシビアなパーパットをいくつも決めたので、全体的にはよく頑張ったと思います。きょうはバンカーショットも2回ともうまくいきましたし、ラフも洋芝で難しいですが、そこもうまく打ててパーを拾えた。リカバリーがうまく出来るようになって、試合のリズムが作れるようになりました。
 グリーンが止まるので、距離感が合いやすかった。あすもショットを頑張って、そこからのパッティングに集中したい」


吉本 ひかる<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

吉本 ひかる(4位タイ:-6)
 「前半はそんなに風もなかったのですが、後半は風も吹いてきて難しかったです。風もありましたが、調子も第2打も良くなかったし、パッティングも良くなかったので、オーバーになってしまいました。(今朝は)午前3時30分に起床。やっぱり第1組目は回りやすい。やる事をしっかりやらないと勝てないと思います」


神谷 そら<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

神谷 そら(4位タイ:-6)
 「ティーショットが安定していなかったので、きょうはそこを修正しました。第2打はついていたのですが、パッティングが一筋違うというのが一日で6、7個あって・・・。優勝争いというものができていません。優勝争いができたらいいなぁ」


小祝 さくら<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小祝 さくら(4位タイ:-6)
 「途中まであまりうまくいかなかった。2連続バーディーで上がれて、最後は良い感じでした。風はありましたが、風よりもティーショットの曲がりが、ボギーにつながってしまった。
 トータルでは6アンダーで2日間終えることが出来て、まずまずかなぁ。残り2日あるので、ここから巻き返せるように、あす以降頑張りたい」


高橋 彩華<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

高橋 彩華(4位タイ:-6)
 「(6番ホールは)残り230ヤードを3Wで5メートルにつけてイーグルです。きょうはいくつもバーディーチャンス外してしまった。3-4メートルを3つと1.5メートルを1つです。パッティング次第です。でも、グリーンが読みにくいんですよね」

 

藤田 さいき<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

藤田 さいき(4位タイ:-6)
 「思ったよりショットが良いわけではなかったです。耐えるところは耐えてという感じでした。外してもいい方や、曲がってもいい方へは曲がっていた。無理してフェアウェイを狙わないようにしていました。思ったよりすごく良い位置です。前週はほとんどクラブを握っていないですし、気持ちはリフレッシュ。
 (優勝争いを)頑張ろうと思っています。ただ、最終日までもつかなぁ」


堀 琴音<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

堀 琴音(4位タイ:-6)※14番ホールインワン
 「入ったのが見えなくて、ギャラリーさんの反応でわかりました。試合で初めてやったのが8年前のCAT Ladiesで、同じクラブなんです。
 ホールインワンが来たってことは、まだちょっと差がありますが、運があるのかなぁ。前向きに、あす以降も頑張りたい」


佐久間 朱莉<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

佐久間 朱莉(11位タイ:-5)
 「風が強く難しいコンディション。きょうは加えて、ショットの精度がいまひとつでした。対照的にパッティングは好感触。10番、17番で10メートルのロングパットが決まった。ボールを見る目線を修正したことが良かったと思う。
 まだ、トップを狙えるポジションにいます。あすの狙いはトップ10へ入って、そうなると最終日が楽しみになる」


蛭田 みな美<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

蛭田 みな美(11位タイ:-5)
 「前半3連続バーディーの後、14番でボギー。ちょっとイヤな流れになるところだったけど、15番でバウンスバックができた。グリーン左15ヤードから、58度でチップイン。あれが大きかったと思います。
 後半は7番で11メートルのバーディーパットをカップイン。2週前からパターへ鉛を張り0.8グラム、重量を加えた。3パットが多かったから、リズムをつくれるように変化を狙ったけど、あまり効果がなく、今大会からやめました。パッティングの調子は良くなっている。ここが今シーズンの折り返しだし、勝ち星をあげたい。あすも精いっぱいのプレーを心がける」


桑木 志帆<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

桑木 志帆(22位タイ:-3)
 「スタート前、もしかしたら予選落ち・・・そんなイヤな予感が。でも、4番のバーディーで元気が出て、6番のイーグルはよしっという気がわいてきた。特に6番はピン奥20ヤードから、58度で狙いすましたアプローチだったから、すごくうれしい。後半、雨が降ってきて、かなり肌寒く、その影響が最終ホールで出てしまった。ボギーフィニッシュは本当に残念。あす、取り返します」