小祝さくら、第1日単独首位は吉兆か

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第15戦『宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億5000万円/優勝賞金2700万円)が6月6日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6526ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日、全米女子オープンで9位タイに入った小祝さくらが9アンダーで首位に立つ。2打差の7アンダー、2位に大里桃子。6アンダー、3位に小祝と同じく全米女子オープンで9位タイに入った竹田麗央。
(天候:曇り時々晴れ 気温:23.0℃ 風速:3.0m/s)
《グリーン=スティンプ:12 3/4フィート コンパクション:24mm》

 

 今季、小祝さくらの平均ストロークは70.3270(3位)だが、第1ラウンドに限ると70.7681と若干落ちる。そのため、10位以内から大会をスタートできたのは4度しかない。その小祝が今大会では第1ラウンドからいきなり63をマークし、トップに立った。しかも、前週は全米女子オープンに出場し、4日に帰国したばかり。自身は疲労や時差ボケはないというものの、全く影響がないとは考えにくい。一体なぜ、好スコアを叩き出せたのだろうか。

 

 「ショットの調子がすごく良かったので、バーディーチャンスにつける回数が多かったことです。パーに終わった出だし3ホールの10、11、12番でもかなり近いところにつけていました」。今週は大会アンバサダーを務める宮里藍がコースセッティングやピンポジションを決めているが、「要所要所で振っています」と大会前日に語っていたように、第1日はグリーンエッジから3ヤードというピンポジションが3ホールあった。そのうち2ホールで小祝はバーディーを奪っている。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 ピン位置が厳しい場合、ピンが近いサイドにショットを外すと難しいアプローチが残るため、ボギーになる確率も高くなる。それを承知の上でピンを攻めたからこそバーディーというご褒美を得た。今年の全米女子オープンを開催したランカスターカントリークラブは難度の高いコースだが、小祝にとっては傾斜の強いグリーンが特に厄介だったという。「セカンドショットでミスすると、すぐにボギーになってしまいますから」。グリーンのどこにボールを落とさなければいけないのか、そのためにはティショットをどこに落とすかまで綿密に考えなければならなかった。そこで9位タイに入る活躍を見せたのだから、比較的傾斜が大きくない今回のグリーンは攻めやすく感じたのかもしれない。

 

 ただ、残り4ホールからいきなりティーショットが曲がり始めてしまう。グリーンをまともに狙えないホールもあったものの、6番ホールでは5メートルを沈めてバーディー、7番ホールでは7メートルのパーパットを沈めてパーセーブ。9番ホールでこそボギーを叩いたが、耐えるゴルフで乗り切った。

 

 「今日は3番ホールでも20メートルのバーディーパットを沈めましたが、大きくゆったりストロークすることを思い出したらストロークが良くなりました」。

 

 しっかりとしたマネジメントでピンを攻め、ショットとパッティングのかみ合わせが良かったからこその63だったわけだが、今季、第1日を単独首位でスタートしたヤマハレディースオープン葛城では優勝を飾っている小祝。決勝ラウンドでの平均ストロークは69.9969(1位)というデータも後押しするだけに、最後まで首位を突っ走りそうな雰囲気を漂わせた第1ラウンドだった。

 

以下、各選手のコメント

竹田 麗央<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

竹田 麗央(3位:-6)
 「前週の全米女子オープンのように、グリーンの傾斜がない。きょうはピンをデッドに狙っていくようにした。きょうは前日のように疲れを感じることもなく、内容も上々でした。後半の1番は2オン狙い。3UTでピン2メートルへつけ、イーグルが決まった。
 昨日はアマプロ大会の後、少し練習をして疲れを残さない事だけを心がけた。おかげさまで、昨晩はぐっすり休むことができ、とてもいい目覚めだったと思う。それにしても、(首位の小祝)さくらさんはすごかった。アメリカでも日本でも試合ではリズムが変わることがない。淡々とプレーできるところが本当にすごいと思う。私も、もっとがんばらないといけませんね」


蛭田 みな美<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

蛭田 みな美(4位タイ:-5)
 「あすは今日と同じ5アンダーで回れたら嬉しいですね。そのためにはパー5でしっかりバーディーを取りたいです。きょうのラウンドではタップインでのバーディーが3個ぐらいあり、ショットの調子は悪くないので頑張りたいです」


高橋 彩華<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

高橋 彩華(4位タイ:-5)
 「あすは午前スタートですが、前半はグリーンが少しウエットで、後半は少し乾いて硬くなると思います。その辺りを計算して60台を目指したいです。上手くパッティングが入ってくれれば、きょうと同じ5アンダーを出せるかもしれないので気合をいれて頑張ります」


山路 晶<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

山路 晶(6位タイ:-4)
 「きょうはドライバーが右に行きがちでしたが、セカンドショットとパッティングで上手くフォローできました。ここ3試合ほど予選落ちが続いていたので、あすもバーディーをたくさん奪って上位に食い込みたいです。そのためには、ショットの精度が大切なので、きょう以上に集中してプレーしたいです」

 

山下 美夢有<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

山下 美夢有(6位タイ:-4)
 「スコアは何とかまとめられた感じだけど、第1打の精度がいまひとつ。前半からラフへ入ることが多かった。ただ、あと1ヤードというところでフェアウェイキープを逃した、そんな感じです。
 前夜は10時間ぐらい睡眠をとることができた。そのぐらい疲れていた、ということでしょう。あすはもっと体調がよくなっているでしょう。優勝したことがあるコース。いいリズムで毎年、プレーしている。とにかく全力で行きます」


金 ミンソル<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

金 ミンソル(10位タイ:-3)※アマチュア
 「初来日ではじめて日本でプレー。ちょっと緊張しました。でも、私の感触はとてもいい。(ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ優勝の)リヒョソンさんとは、コーチが同じ。私もナショナルチームの一員です。当然、今大会、優勝したいという気持ちはあるけど、それ以上に私のプレーを全力で行うことが目標。来月、7月にプロ転向を考えています」


ピンピサ・ルブロン<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

ピンピサ・ルブロン(10位タイ:-3)※アマチュア
 「パッティングはそこまでよくなかったんですけど、ショートゲームでスコアがまとまりました。11番ではチップインもありましたが、このコースは難しいですね。きょうは、ピンポジションも難しかったので、パーセーブを心がけてラウンドしました。ボギーフリーだったので、きょうはとても満足しています。一昨日は、尊敬する宮里藍さんとの座談会で、アドバイスもいただけた。彼女の大会で、ローアマを獲得して一緒に表彰式に出られたらうれしいです」


岩井 千怜<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

岩井 千怜(21位タイ:-2)※ディフェンディングチャンピオン
 「3連続バーディーフィニッシュ。ガマンを続けてよかったなぁと思った。本当にいい上がり方です。きょう、ショットはすごく良かったと思います。ただ、グリーンでスピードをつかみ切れていない感じがした。ボールの転がりもいまひとつ。
 きょうの後半は、直感を重視してプレーしました。素振りを2回→アドレスへ入るルーティンを徹底したことが良かったのでしょう。あすはもう少しショットでチャンスをつくりたい。バーディーをたくさんとるために…」


新垣 比菜<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

新垣 比菜(49位タイ:0)
 「前半、チャンスをつくっても、パッティングをポロポロと外してしまうことが多かった。それが残念。また、ショットもあまりいい感触とはいえない。優勝した直後の試合だから、そのあたりがちょっと悔しい。
 特にパッティングはラインの読み、ストロークにも原因があると思います。しっかり修正して、あすは巻き返したい。もうちょっと、プレーのリズムへも注意を払います」