竹田麗央、300ヤードドライブで首位奪取

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第12戦『ブリヂストンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)第1ラウンドの残りと第2ラウンドが5月17日、千葉県千葉市・袖ヶ浦カンツリークラブ袖ヶ浦コース(6,731ヤード/パー72)で行われた。前日と打って変わって好天となったこの日、2日連続で67をマークした竹田麗央が通算10アンダーで単独首位に立つ。2打差の通算8アンダー、単独2位に髙木優奈。通算7アンダーの3位タイに河本結と岩井明愛が並ぶ。
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《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:23.5mm》

 

 ドライバーの飛距離には強いこだわりがある竹田麗央が、度肝を抜くショットを見せた。2番パー5でのティーショットだ。右にほぼ直角に曲がっているドッグレッグホールだが、「思い切ってショートカットを狙いました」と、竹田は谷越えのショットを選択。クラブフェースの芯でとらえたボールは狙いどおりに谷を越えてフェアウェイをキープ。

 

 「300ヤード以上は飛んでいたと思います」と竹田自身も納得の1打だった。この日はティーイングエリアからピンまでが500ヤードあり、第2打は残り175ヤード。単純計算すると325ヤード飛ばしたことになるが、ドッグレッグした分を差し引いても300ヤード前後は飛んでいたと推測される。前週のRKB×三井松島レディスでは、ドライバーを使えるホールが少なかったこともあり、開幕戦以来の予選落ちを喫した竹田。今大会はツアーでも屈指の長さを誇るだけに、ドライバーを存分に振り回せる。飛ばし屋の竹田にとっては打ってつけのコースだろう。

 

 もちろん、ゴルフは飛ばし合いが目的ではない。ドライバーの飛距離をスコアに活かしてこそ意味がある。そのことを竹田自身は百も承知。「4つあるパー5のうち、2つは乗ると思うので、しっかりそこでスコアを伸ばしたいです」と、大会前に語っていた。実際、スーパーショットを見せた2番では6番アイアンで2オンに成功。8メートルを沈めてイーグルを奪った。

 最終的に通算10アンダーで単独首位に立った竹田だが、そのうちパー5だけで9アンダーと、荒稼ぎしているだけに、この2日間はまさに有言実行のゴルフを展開して見せた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 実は、大会前日に行われたプロ・アマトーナメントのときにあるヒントをつかんでいた。自分のスイングを動画で撮影して気付いたことだ。「ダウンスイングの切り返しで上体が目標方向に突っ込み気味だったので、そうならないように修正しました」。上体が突っ込むと、バックスイングで貯めたパワーをボールに伝えきれない。特に、竹田の場合、インパクト後も頭をアドレスの位置にしっかりと残すタイプだけに、なおさらだ。

 

 スイングの修正を行ってすぐに効果を発揮するところが竹田のすごさでもあるが、ここ2試合での不調から見事に好調モードへと移行した。

 

 強い選手ほどマイナス要素をプラスに変換するのが上手いという。竹田も前週の試合で予選落ちした後は、ゆっくりと休養にあてた。「体もそうですが、オーダーしていた野球のグラブが届いていたので、型をつくっていたらリラックスできました」。山下舜平大選手モデルのグラブらしいが、なんと硬式用で色はピンクとこだわりがある。

 

 心身ともにいい状態で今大会を迎えただけに、首位で決勝ラウンドを迎えるのも当然かもしれないが、今季挙げたツアー2勝はいずれも3日間大会でのもの。自身初の4日間大会制覇に向け、残り2日間ではさらにギアを上げていくつもりだ。

 

以下、各選手のコメント

岩井 明愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

岩井 明愛(3位タイ:-7)
 「チャンスはつくっても、なかなかバーディーが決まらない。パーオンすれば、バーディーチャンス。少し、パッティングを修正しないといけません。あすの目標はプレーを私が楽しむこと。それが最大のコース攻略法です」


河本 結<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

河本 結(3位タイ:-7)
 「きょうは流れがいまひとつ。ライが悪いところなどにボールが止まり、ちょっとツキがなかったように思います。それでも、くさらずに全力でプレーをした。イーブンパーですけど、私はナイスゲームだと思います。
 あすも全力でプレーすることは変わらない。一生懸命にやって、結果がついてきてくれたら最高ですね」


藤田 かれん<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

藤田 かれん(5位:-6)
 「ショットは前半から、良いイメージでしたけど、パッティングがいまひとつ…。でも、タッチが合っていたから、チャンスが来るのを待っていた。評価をするなら75点。結構、決めたいパッティングを外した。微妙なところです。もっと上位へ行けたかもしれませんから…。
 あすからの優勝争い、メンバーを見るとギャラリーさんがとても多くいらっしゃるような気がします。少し緊張するかもしれないけど、やはり見られているのはプロ冥利でしょう。私は好きです。そんな状況でも、私の世界を崩さずにプレーをすることがテーマ」


安田 祐香<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

安田 祐香(6位タイ:-5)
 「けさは午前3時30分起床。睡眠時間はそれほど取れなかったけど、いい目覚めです。第1Rを終え、第2Rはちょっと疲れがあった。後半、ショットが乱れてボギーを叩いたけど、最後の9番、第3打は右からの風でかなり右を向いて…。ボールが戻ってくると思った。ピン50センチまで寄って、いいフィニッシュです。
 第3日は欲を出さない。距離が長く、とにかく第1打が大事です。決勝ラウンドはセーフティーにいけたら-」


木村 彩子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

木村 彩子(6位タイ:-5)
 「10番スタートでしたから、距離が短いところが多い、9ホールでスコアを伸ばす作戦でした。でも、思い通りにはいきません。その代わりに後半でスコアが伸びたのは、同組の皆さんのおかげかもしれません。気持ちがいい一日でした。
 ただ、あすからはピンポジションなど、難度が上がってくるでしょう。元々、ガマン比べは臨むところ。全米女子オープンへつながるようなプレーを心がける。バーディーチャンスをたくさんつくります」


鈴木 愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

鈴木 愛(6位タイ:-5)
 「明日のラウンドですが、このコースは難しいホールが結構多いので、長いホールでボギーを叩かず、短いクラブを持ったときにしっかり5メートル以内につけてバーディーを奪いたいです。ショットの調子は悪くありません。今日も16番・パー5では左サイドのピンに対してスリークォーターショットのライン出しで狙っていけましたし、18番・パー5でも狙いどおりにピンの左にボールを落とせました。全米女子オープン前に出場する最後の大会なので、あと2日間、いいイメージを残して出発したいです」

 

山下 美夢有<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

山下 美夢有(6位タイ:-5)
 「ショットはソコソコ内容が良かった。でも、100ヤード以内のショートゲームの精度がいまひとつの感じです。
 最後の18番はどうしても、バーディーでホールアウトしたかった。だから攻めて。あすもしっかりスコアを伸ばしたいと思います。ポイントは第1打のフェアウェイキープ。次はそこからピンへどのぐらいボールを寄せられるか、でしょう。そうして良い流れをつくり、パッティングも決めたい」


青木 瀬令奈<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

青木 瀬令奈(11位タイ:-4)
 「今、パッティングのタッチを修正中なんですが、今日のラウンドではいい感じで修正できたので、明日はさらにタッチが良くなるように心がけたいですね。ゴルフとしてはすごく良かったわけではありませんが、4アンダーはしぶとくプレーした結果だと思います。昨夜は午後10時半に寝ましたが、午前4時に起きたので睡眠不足です。それを解消するために、今日はいつもより30分早めにコースに来ました。せっかくいい位置にいるので、最終日に向けて、スコアを伸ばしていければいいですね」


穴井 詩<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

穴井 詩(11位タイ:-4)
 「今日はスコアを4つ伸ばしましたが、あすいくつ伸ばすとか、スコアについて語るのはおこがましいので、やれることをしっかりやりたいと思います。今日のゴルフもそれほどショットは良くなく、アプローチとパッティングを頑張った感じです。実は、前週の試合で予選落ちした後、アプローチ練習とパッティング練習をかなり行いました。昭和の考え方じゃないですけど、数打てばなんとかなるだろうと。おかげで、今日のラウンドで何回かあったピンチを乗り越えることができたので、あすもショートゲームを頑張ります」


吉田 優利<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

吉田 優利(32位タイ:0)
 「きょうは、いい内容のプレーができなかったけど、これから修正します。そして、あすはどういうプレーを、とプランを立てる。予選通過は良かったけど、決勝ラウンドで皆さんを盛り上げるプレーをしたい。そのためには、グリーンの読み、タッチなどもう少し、合わせないと…」