2週連続Vを狙う竹田麗央、単独首位スタート

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第8戦『フジサンケイレディスクラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)が4月19日、静岡県伊東市・川奈ホテルゴルフコース 富士コース(6,494ヤード/パー71)で開幕した。2週連続優勝を狙う竹田麗央が5バーディー、1ボギーの67をマークし、4アンダーで首位に立った。1打差の2位タイ、3アンダーには上野菜々子、野澤真央、尾関彩美悠、ペソンウが続く。
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《グリーン=スティンプ:10フィート コンパクション:23mm》

 

 2番ホールからの4連続バーディーを含む5バーディー、ノーボギーで前半の9ホールを終えた竹田麗央。この時点で早くも単独首位に躍り出たが、何が起こるのかが分からないのが川奈ホテルゴルフコース 富士コース。前半の勢いはどこへやら、後半に入った途端、パタッとスコアが止まってしまう。それどころか、15番・パー4では約2.5メートルのパーパットを外し、この日初のボギー。さらに名物ホールの17番・パー3ではティーショットをグリーン手前の谷底に落とす。

 

 その位置からではグリーン面は見えず、寄せるのがかなり難しい状況だ。ここでボギーを叩けば、2位タイグループに飲み込まれる。しかし、竹田は予想以上に冷静だった。

 

 「ボールのライもよく、しかも左足上がりのライだったので、フワッと高い球を打つことはできるなと。ピンまで20ヤードぐらいを打つイメージで打ちました」

 

 イメージどおりに58度のウェッジで高く柔らかく上げるアプローチを打つと、止まりにくいグリーンであるにもかかわらず、ボールはピンの左上約2メートルに止まる。それをしっかり沈めてパーセーブ。まさに、今年のシーズンオフに徹底してアプローチの練習をしてきた成果がここ一番で表れた。結局、この日は67で回り、4アンダーの単独首位でホールアウトした。

 

 「前半はすごくいい流れでプレーできたと思いますが、後半は風も強くなってきたことで、チャンスにつかず、自分のミスもあってもったいないゴルフでした。でも、スコアを4つ伸ばせたのは良かったかなと」。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 ピンチを救ったのはアプローチだったが、チャンスを作りだしたのはショットだった。ドライバー、アイアンともに好調と語るように、この日のスタッツを見ると、ドライビングディスタンスでは278.00ヤードで4位タイにつけ、アイアンショットでもパーオン率が88.8889%と、小さくて硬いグリーンにもかかわらず、ボールをコントロールして見せた。

 

 まさに安定感のあるゴルフを展開したわけだが、その理由を竹田自身は次のように語る。「今までは早く勝たないといけない気持ちがありましたが、初優勝したことで今日は伸び伸びとプレーできたと思います」。今季は優勝する前から平均ストロークでは上位にいたように、安定感はあったが、精神的な余裕が生まれたことで、さらに安定度が上がったといえる。

 

 こうなると、狙いは史上4人目となる初優勝からの2週連続優勝だが、第1日を単独首位でスタートしたことにより、その可能性が一気に高まったのは間違いない。

 

以下、各選手のコメント

上野 菜々子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

上野 菜々子(2位タイ:-3)
 「14番のバーディーはきょう一番。ピン奥5メートルがカップインした。先に同組の篠原(まりあ)さんが打って、考えていたよりもボールが曲がったから、しっかり強めにストロークし、カップの真ん中から入りました。
 スコアは予想以上です。ただ、調子の方はそれほどいいわけではない。きょうの朝、起きたら首を寝違え、トレーナーさんにケアをしていただき、何とか出場へこぎつけた。
 だから、よけいなことは考えない。また、下を向くと首が痛むから、肩から力を抜いてリラックスすることだけを意識。それが良かったかもしれません。また、私はシーサイドコース、高麗グリーンが結構、好きです。いい景色を楽しみながらプレーできる。たとえボギーを叩いても清々しい気持ちが持続できます。あすも気持ちよくラウンドをすることだけを考えましょう」


野澤 真央<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

野澤 真央(2位タイ:-3)
 「17、18番の連続バーディーは結構気合を入れて頑張りました。いいショットが必ずしもいい結果につながるコースではないので、気合が大切です。グリーン上ではラインの読みを難しく感じますが、自分を信じて打ちました。この試合は初優勝者が多いかもしれませんが、私はもうプロになって9年経っているので、初優勝という感じでは・・・。ただ、毎週、毎週、優勝を狙っている分、勝ちたい気持ちはあります。明日も今日と同じようなゴルフをして最終的にいい位置で終われればと思います」


ペ ソンウ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

ペ ソンウ(2位タイ:-3)
 「開幕してからここまで、調子が悪いわけではないんです。ショット、パッティングともに問題ないんですけど、運があまりよくないことが多くて、リズムに乗り切れなかった。きょうは、問題ないんだから前向きにいこうと気持ちを切り替えてラウンドしたのがよかったと思います。最後まで気が抜けないこのコースで、今年初めての60台が出たのは自信になりました。あす以降も自信を持って、楽しく回って笑顔で終わりたいです」


石田 可南子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

石田 可南子(6位タイ:-2)
 「ちょっと緊張してティーショットを迎えましたが、打った後は、目の前の1打に集中して最後までプレーできたと思います。プロとしてのJLPGAツアーデビュー戦でしたが、正直うまく行き過ぎました。きょうは、パー5で1つもバーディーが取れなかったので、あす以降は、しっかりマネジメントして、毎日アンダーパーを目標に頑張りたいです」

 

大須賀 望<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

大須賀 望(6位タイ:-2)
 「10メートル以上のバーディーパットが2回ほど入りましたが、ショットの調子が上がってきたことが大きいですね。フェードヒッターなのに、前週までは左に曲がるショットが出ていたんです。でも、練習日に森口祐子さんにアドバイスをいたただきました。もっと骨盤を入れるような構えにしたほうがいいよと。それで前傾角度を深くしたら、左に曲がる球がなくなりました。いい位置にいますが、明日は予選通過を目標にして頑張ります」


稲垣 那奈子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

稲垣 那奈子(6位タイ:-2)
 「今日はピンチもありましたが、しっかりパーセーブできたホールが結構あったのでよかったです。第1日なのであまり無理はせず、真っ直ぐなラインが残るようにグリーンを攻めました。明日は知り合いから『イーブンで回ろうと思ったら絶対に叩くよ』と言われたし、明日はスタートが遅く、風も強くなるので、その辺りも計算に入れ、アンダーで回れるように頑張ります」


宮澤 美咲<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

宮澤 美咲(6位タイ:-2)
 「ショットを右に打ち出す傾向があり、ここ2試合で予選落ちしていましたが、しっかりと休みを取ったことで、ショットの調子が戻ってきました。今日はぐっすりと寝て疲れを取り、明日もショットが真っ直ぐ行くように調整したいです」


神谷 そら<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

神谷 そら(6位タイ:-2)※ディフェンディングチャンピオン
 「ピンチがあって、チャンスもあった。18番以外は、しのぐことができたと思うし、高麗グリーンへちゃんと対応できた感触を得た。ただ、風しだいで大きくマネジメントが変わる。ターゲット、スコアまで同様です。あすも私らしい攻めのスタイルを貫く。
 ディフェンディングチャンピオンですけど、緊張は特になし。普段通りにプレーができました」

辻 梨恵<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

辻 梨恵(6位タイ:-2)
 「今日はドライバーショットがひどくて、結構曲がっていましたが、アイアンショットとリカバリーが上手くいってスコアをまとめることができました。その意味では120点のゴルフです。明日までにドライバーショットをしっかり修正して、またアンダーパーを出したいです。このコースでのアンダーは調子がいい証拠ですからね」


小祝 さくら<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小祝 さくら(13位タイ:-1)
 「きのうのプロアマトーナメントでホールインワンをした17番。きょうも、惜しかったなぁ。6Iできょうも-というレベルのいいラインに飛んで行って、あと30センチぐらい。でも、このホールはバーディーをとっただけで、すごくうれしい。まぁ、いいかという感じです。
 ただ、あすは(エースを)狙わない。今まで、狙っていいことがなかったし、パーでOKというマネジメント。とりあえず、グリーンへ乗せるだけを目標にしている。
 きょうはバーディーパットがなかなか決まらない。おまけに途中から風が強くなってきた。内容としては悪くはありません。しっかり耐えた。その分、あすは良くなることを祈りましょう」


永井 花奈<Photo:大会提供>

 

永井 花奈(26位タイ:0)※11番で2週連続エース達成
 「前週といい、今回もナイスショット。クラブは7Iです。ただ、カップインしたシーンは見えなかった。きょうはイヤな所へピンが切ってあったから、なるべく近いところへ行くように狙った。まさか、まさか・・・ですね。ホールインワンはプライベートまで含めると6回目。これを機に、成績が良くなってくれればいいなぁ」


仁井 優花<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

仁井 優花(69位タイ:+4)
 「私にとって今年の目標である全米女子オープンのマンデーに出場するために、前週の日曜日に日本を出発して、ハワイ島へ行きました。プレーオフとなりましたが、3ホール目で私がバーディーを奪い、出場権を得ました。昨日、帰国してコース入りしましたが、ぐっすり眠ることができました。今日は試合に集中できていましたが、パッティングが今一つだったので、そこを修正して明日は挽回したいです」