24年は変革がテーマ 脇元華の見えない努力

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第7戦『KKT杯バンテリンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が4月12日、熊本県菊陽町・熊本空港カントリークラブ(6,518ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日、尾関彩美悠、脇元華、連覇を狙う岩井明愛が5アンダーで首位タイ。1打差の4アンダー、4位タイに宮田成華、桑木志帆、村田理沙、小祝さくらがつけている。
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:23.5mm》

 

 変革の24年。脇元華が5アンダーで今大会、絶好のスタートを切った。安定したショットを次々と繰り出し、6バーディーを奪取。「1W、アイアン。良かったです」と好調の要因を、満足そうな表情で答えている。

 

 前半のダッシュもお見事だったが、印象に残るのは16、17番の連続バーディー。ともに、8Iでピン1.5メートルへつける切れ味をアピールした。前週、27位タイに終わったことを反省。原因を追究したそうだ。「ショットが悪い時、私は右重心になる。だけど、振り返ってみたらスタート前、左のお尻を使うウォーミングアップが抜けていた・・・。きょうは、そのトレーニングを入れてからスタートしました」という。この気づきがあればこそ-自身2度目の首位スタートだった。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 オフは腰痛があり、しっかりとケアにつとめる一方、「何かを変えなければならない」という気持ちが全身に。きっかけは25歳を過ぎ昨年10月、26歳を迎えたからだ。「いつまでも若い時と同じにやっていてはいけない。もっと、努力をしなければ・・・。しかし、長続きしない努力では仕方がない。できる努力が必ずある」と熟考した。

 

 見出したのは人間にとって、大切な食と睡眠。「オフの間、いくら寝ても気持ちが良い眠りがとれない。そういえば、シーズンで私は睡眠を大切にしていなかったことに気がついた。去年のツアーでは平均して睡眠時間が5時間半ぐらい。体力が回復しない状況で翌日になっていた」と前置きし、「今季は起床から逆算して、7時間半から8時間半の睡眠を確保する。今まで、夜の8時台にベッドへ入ったことはなかったけど、やればできます。5-10分ぐらいで眠りにつける。昨晩は夜9時半に寝て、5時半起床でした」と、努力の軌跡を明かしている。

 

 そして、今季第3戦からスタートした継続努力が昼食。「ニトリさんで二合炊きの炊飯器を購入し、ツアーへ持参する。前夜の内にごはんを炊き、おにぎりをつくってハーフターンの時に食べる。朝食はクラブハウスのレストランですけど、昼は自前で。コンビニのおにぎりは卒業です」と、うれしそうに語っている。

 

 継続は力だ。さて、次なる努力は「腰がだいぶ良くなってきた。筋力トレーニングのレベルを徐々にあげて、シーズン最後まで戦える体力を養う」と即答。気力が充実してきたことも見て取れた。となれば、ツアー初優勝もそろそろ頃合い-というものだろう。

 

以下、各選手のコメント

尾関 彩美悠<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

尾関 彩美悠(1位タイ:-5)
 「大満足です。ショットがすごく良くて、午前中、8回くらいバーディーパットを打って、2回入りました。後半もそういう感じです。アイアンの精度があまりという感じでしたが、最近はすごく良くなって、チャンスが多い。ずっとフェースを開いて構える癖があったのを、ちょっと被せるくらいにしてフェースの向きを変えたら、すごく良くなりました。(あと2日)たくさんバーディーチャンスを作って、拾えるところは拾って、自分のペースで頑張りたい」


岩井明愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

岩井 明愛(1位タイ:-5)
 「きょうはボギーなしで回れて、うれしかったです。全部良かった気がしますが、ティーショットが良かったのかなぁ。いつもと変わらず、楽しみながらプレーできました。(ピンチは)8番のパー3でアプローチしたくらいです。今年、まだ1回も優勝争いをしていないので、今週、したいですね。だんだんその回数が増えていけば、優勝のチャンスができると思います。チャンスというか、有難く思って、あすも頑張ります」


宮田成華<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

宮田 成華(4位タイ:-4)
 「(18番で)久しぶりにイーグルも獲れましたし、良い終わり方ができました。中盤から後半に入ってからも苦しい展開が続いた。ダブルボギーになりそうなところもありましたが、上手くボギーでしのいだり、際どいパーパットを獲ったりして流れを切らさなかった ことが今日一番良かったこと。本当にタフなコース。1日、1日どうなるかわからないですし、グリーンも硬くなると思います。大切に1打、1打、プレーしたい」


桑木志帆<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

桑木 志帆(4位タイ:-4)
 「きょうはショットが安定していて、ミドルパットも入ったので、良かったです。(前週から修正したところは)パッティングのテンポ、リズムを良くしようと思っていました。テークバックが早くなっていたので、ゆっくりにして、そこからインパクトを迎えるように意識しました。(明日以降)崩れる可能性もあるので、集中力が鍵になってくる。他人のプレーは気にせずに、自分の目標にしていることだけに集中して、頑張りたいです」


小祝さくら<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小祝 さくら(4位タイ:-4)
 「ショットは安定していましたが、ちょっとティーショットがイマイチだったかなぁ。パッティングはすごく良くて、安定したゴルフができました。ピンチのところもしっかり沈めることができた。3メートルくらいのパーパットを入れられたのが大きかったです」

竹田 麗央<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

竹田 麗央(41位タイ:+1)
 「きょうはショットも、パッティングもあまり上手くいかなかったので、あすからは修正して頑張りたいです。アイアンの距離感が合っていなくて、チャンスにつけられなかった。グリーンも硬かったので、難しかったです」


永井花奈<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

永井 花奈(67位タイ:+3)※3番でホールインワン達成
 「(入った瞬間は)見えませんでした。打ち上げで、良いところ飛んでいったので、近くには行くんだろうなぁと・・・。試合では2回目。1回目は18年のヤマハレディースです。不安なところが多いですが、そこを払拭できたら予選通過もできると思います。ちょっと伸ばしただけで順位も上がりそうです。諦めずに頑張りたい」


大里桃子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

大里 桃子(67位タイ:+3)
 「ラフに入った時にラインが出せなくてバンカーに入ったり、グリーンを外したりで、ボギーが重なってしまった。毎年のような展開になってしまったのですが、あすは挽回するのみです」


笠りつ子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

笠 りつ子(84位タイ:+4)
 「きょうはボギーが多いゴルフだった。グリーンを外した時にリカバリーができなかった。あすはボギーを打たずに、いけるところは攻めていきたいです。地元なので、良いゴルフをお見せしたい」


植竹希望<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

植竹 希望(84位タイ:+4)
 「楽しかった。前半は、何とかなりそうでしたが、後半に入ってから下半身が動かなくなってきて、ふだん出ないような球が出てしまった。そいうところが悔しいという気持ちもありつつ、動けている時はすごく良い球も打てていました。休んだあとにしっかりトレーニングやリハビリをしていけば、今よりももっといい球が打てると思いました。(明日)とりあえず、予選通過を目標に・・・」