単独首位の臼井麗香、狙いは5年前のリベンジのみ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第4戦『アクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKI 2024』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が3月23日、宮崎県宮崎市・UMKカントリークラブ(6,545ヤード/パー72)で行われた。最終組でラウンドした臼井麗香が順調にスコアを伸ばし、66をマーク。通算13アンダーで単独首位に躍り出た。1打差の通算12アンダー、2位に山下美夢有。通算10アンダー、3位で小林夢果が追う。
(天候:曇り 気温:17.6℃ 風速:1.4m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:24mm》

 

 臼井麗香にとって忘れたくても忘れられないのが、5年前の今大会だ。第2日を首位と4打差の単独2位でフィニッシュ。最終日を最終組で回りながら、73とスコアを伸ばせずに6位タイに終わった。今大会ではそれ以来の最終日最終組だが、5年前とは逆に1打差をつけての単独首位で最終日を迎える。

 

 「明日は1ホール、1ホール自分のゴルフをするだけかなと思います。周りのスコアを見てもその人のスコアを変えられるわけではありません。自分ができるベストのプレーをしたいです」。

 

 臼井を1打差で追いかけるのは2年連続で年間女王となっている山下美夢有だが、たとえ相手が誰であろうと、その気持ちは変わらない。逆に言えば、それだけ自分のゴルフに手応えを感じているのだろう。

 

 実際、臼井は6バーディー、ノーボギーの66をマーク。JLPGAツアーでの60台は昨年のアース・モンダミンカップ以来約9か月ぶりだけに、会心のゴルフと言える。その原動力になったのは、パッティングだ。第1日、第2日といずれも26パットにまとめているが、特徴的なのはその極端に狭いスタンスにある。

 

 「以前は普通に肩幅程度でしたが、最初に受けたプロテストに失敗したときに狭くしました」。といっても、いきなり極狭スタンスにしたわけではない。臼井なりの試行錯誤を経て、現在はほぼ両足がくっついた構えになっている。足を広げるという常識にとらわれるのではなく、自分で最もストロークしやすいスタンス幅を模索したからだ。この日は4メートル以上のバーディーパットを3回沈めたが、4番パー4では3メートルのパーパットを沈めてピンチを乗り切るなど、要所でパットを沈めるシーンが目立った。苦労して見出したオリジナルの構えだからこそ、緊張する場面でも自信を持ってストロークできたのは間違いない。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 最終日は荒天が予想されるが、中止や短縮競技は望んでいない。あくまでも18ホールを戦って栄冠を手にする考えしかない。唯一心配しているのが、どれだけはやる気持ちを抑えられるかどうかだ。

 

 「今日もそうだったんですが、性格的に全ホールバーディー狙いで行っちゃうんです。それをキャディーさんが止めてくれて・・・」。通常、ランを合わせた距離感でクラブ選択を行うが、ついピンまでの距離に応じたクラブを選択するので、キャディーが慌ててストップをかけるシーンが何度かあった。最終日ははやる気持ちをどこまで抑えるかが一つの鍵を握る。

 

 体重を4キロ増やしたことで、ドライバーの飛距離も伸びているという臼井。飛距離だけでなく、最後までドライバーを振り切るだけの体力も身についている。たとえ18ホールの勝負になろうとも、戦える準備はできている。

 

以下、各選手のコメント

小林夢果<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小林 夢果(3位:-10)
 「10番まで淡々とマイペースのいいプレーができた。でも、11番で3パットのボギーを叩いたら、流れが変わってしまったようです。後半は、ほぼ下りのスライスラインばかりでした。 グリーンに対応できないままで終わった。とにかく悔しい一日。あすは、しっかりやります」

蛭田みな美<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

蛭田 みな美(4位:-9)
 「惜しいボギーが2つ。ちょっと残念でしたけど、バーディーをたくさんとった。特に1Wは飛距離が出ているし、ショットは全般的にいいと感じます。最終日は雨予報。とにかくパーオン率をあげていかなければなりません。目標はアンダーパーでプレーすること。ひとつでも上の順位を狙います」

柏原明日架<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

柏原 明日架(5位:-8)
 「最終日は、下り坂の天候が気がかり。ただ、あと18ホール。首位とはちょっと差があるから、前半でバーディーをたくさんとって、プレッシャーをかけたい。もちろん、バックナインではかなりおもしろいプレーができるのでは、と感じます。
 きょうはバーディーチャンスが多かった。それだけに、17番のボギーがもったいない。本当は連続バーディーフィニッシュで勢いつけたかったけど、最終18番のバウンスバックはギャラリーの皆さんが喜んでくださったと思います」

小林光希<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小林 光希(6位タイ:-7)
 「リランキングのこともあるので、明日は耐えながら1つずつスコアを伸ばしていきたいです。トップ10を目標にして、それ以上の順位を狙えるように頑張ります。今日は、3番ホールで4メートルぐらいのパーパットを決めたんですが、そのピンチを乗り切ったことで、4番から4連続バーディーを奪えたんだと思います。開幕後は有名な方と一緒にラウンドすることで気持ちがフワフワしていましたが、ようやく落ち着いてきました。これからは自分のゴルフをしていきたい」

岩井明愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

岩井 明愛(6位タイ:-7)
 「今季初のノーボギーラウンド。久々に私らしいプレーができました。だんだんといい流れに乗ってきたように感じます。18番はもう少しでイーグルがあるかなぁと思ったけど、バーディーで締めることができた。
 あすは雨にも負けず、ギャラリーの皆さんが楽しんでくださるように一生懸命、頑張ります」

竹田麗央<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

竹田 麗央(6位タイ:-7)
 「グリーンを外しても、ショートゲームの寄せがとてもいい感じでできている。だから、自信をもってピンを狙っていきました。また、きょうはノーボギーラウンド。おかげで最後までリズムが良かった。昨日のホールアウト後、1Wを修正。芯に当たっていなかったし、だいぶ上向いています。
 最終日は雨予報。しっかり準備します。得意でも苦手でもないけど、やはり晴天のプレーがいい」

櫻井心那<Photo:大会事務局提供>

 

櫻井 心那(10位タイ:-5)※2番でホールインワン達成
 「明日は雨が降る予報ですが、最後までスコアを伸ばしていきたいです。何位に入るとかは目指さず、いいゴルフをしたいですね。今日のホールインワンは46度のウェッジで打ちました。ピンの手前2メートルぐらいに落ちて2バウンドした後、そのまま転がって入りました。ツアーでは初めてですが、このホールインワンをきっかけにして、明日からいいゴルフをしたいです」

山内日菜子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

山内 日菜子(23位タイ:-3)
 「ガマンのプレーが一日続きました。本当になかなかバーディーがとれない。それでも前半の8、9番で連続バーディー。その勢いで後半へ向かった。パー5の10番だけに、もうひとつとれたら流れが変わっていたかも・・・。ちょっと悔やまれるところでした。
 最終日は地元の皆さんの期待するようなプレーをしたいなぁ。あすはイエローを着ようかなぁ、と考えている」

鈴木愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

鈴木 愛(73位タイ:+1)
 「3週連続優勝がかかっていたので、頑張ったんですが、パッティングがあまりにも入らなかった。ラインもタッチも合わず、それでフィーリングも悪くなりました。ショットだけなら上位に行けるほどのレベルだったんですが・・・。早く静岡(次戦の葛城GC)へ行けるということで、頑張って気持ちを切り替えたい」