鈴木愛、風にも負けず、単独首位をがっちりキープ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン第2戦『明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)第2日が3月8日、高知県香南市・土佐カントリークラブ(6,273ヤード/パー72)で行われた。前日単独首位に立った鈴木愛が通算9アンダーまでスコアを伸ばし、首位をキープ。2打差の通算7アンダー、2位に小祝さくら、通算6アンダー、3位に上田桃子がつけている。
(天候:晴れ 気温:14.3℃ 風速:11.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:25mm》

 

 全国的に風が吹き荒れたこの日、南国・土佐にも瞬間最大風速17.5m/sの強風が吹き荒れた。そんな悪条件にもかかわらず、3バーディー、1ボギーの70をマークし、通算9アンダーにまでスコアを伸ばしたのが鈴木愛だ。「強風の中でもショット、パッティングがすごく安定した状態でプレーできているので、このゴルフが続けば結果もついてくると思います」。ピンチらしいピンチはボギーを叩いた8番パー4のみ。それ以外は、多少フェアウェイを外したホールがあったものの、残りの17ホールでは危なげないゴルフを見せた。

 

 ただ、「風が吹いていなければもう少し伸ばしたかったかな」と、本音もチラリ。この日は風の強さだけでなく、風向きにも惑わされた。「特にアウトコースなんですが、ティーショットでは左からの風だったのに、セカンド地点では右からの風だったんで

す。アゲンストだったのがフォローに変わったりだとか、え?みたいな感じでした」と振り返る。

 

 風の影響はショットだけではない。むしろグリーン上の方が影響を受けたという。「特にショートパットでは神経を使いました」。アゲンストやフォローが強ければ距離感をつかむのが難しいし、横からの風が吹けば曲がりを計算するのが難しくなる。寄せればいいロングパットなら多少の誤差があっても何とかなるが、外したくないショートパットだからこそ、距離感とラインの読みに対して慎重になる。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 そう言いながらも、この日は初日と同じ28パットにまとめた鈴木。パット名人の面目躍如といったところだが、さすがと思わせるのは他にもある。今年からJLPGAツアーでも細かい傾斜の数値が書かれたグリーンリーディング資料の使用を制限することになった。そのため、自分の感覚で傾斜を読み、ラインを決めなければならない。選手によっては苦労しているという話も聞くが、鈴木は昨年までも自分の感覚で傾斜やラインを読んでいたので、特に影響はないという。

 

 強風の中でも2日間でアンダーを9つまで積み上げた鈴木。自身が語るようにショットとパッティングの安定性が昨年よりも上がっていることは間違いない。「今季の目標はツアー通算20勝と生涯獲得賞金10億円突破です」。前者はあと2勝、後者は残り1億円弱だ。開幕2戦目にして早くも首位で決勝ラウンドを迎えるだけに、残り2日間でもしっかりとスコアを伸ばし、掲げた目標に数字を近づけたいところだ。

 

以下、各選手のコメント

上田 桃子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

上田 桃子(3位:-6)
 「前週からきのうまで、調子が良くてもスコアへ結びつかない。それだけに、きょうは少しだけホッとできた感じがする。全体でいうと、パッティングがすごくいい。狙い通りにストロークできた。タッチさえ合わせれば入る。集中力をより高めた。また、16番では残り75ヤードの第2打がスピンを利かして、とてもいいショット。1メートルへピタッとつけて会心のバーディーです。コーチからも「全然、悪くはない」と激励をうけたし、あとは自信をもって週末を迎えたい」


藤田 さいき<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

藤田 さいき(4位タイ:-5)
 「特に後半は忍耐。風がどこから吹いてくるのか…。難しかったです。それでも、上位で週末を迎えることができた。今年のテーマはシーズンを通してケガなく過ごす。そうはいっても、また優勝をしたい」


竹田 麗央<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

竹田 麗央(4位タイ:-5)
 「きのうからショットの精度がいまひとつ。一生懸命に修正したけど、それほど良くはならない。まぁ、どうにかなる、という感じでスタートした。ただ、ショートゲーム、パッティングはまずまずの感じでしたから、1ボギーでおさまり、スコアを伸ばすことができて本当に良かったです。去年は初優勝を飾ることができずに終わった。今年は絶対-と気合が入っている」


勝 みなみ<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

勝 みなみ(9位タイ:-3)=明治安田所属
 「風の影響でクラブ選択を迷った。終盤のボギーは本当にもったいない。とりあえず、予選を突破してホッと…。ただ、修正点はあるもののスコアを伸ばすプレーはできている。すべてかみあえば、もっとできる。ポイントは1Wで芯へヒットすること。うまくできればすべてのリズムが良くなるでしょう」


川﨑 春花<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

川﨑 春花(9位タイ:-3)
 「(3番バーディーの第3打は)残り93ヤードを58度で打って、50センチに付きました。(6番ダブルボギー)4パットしてしまった。風で4.5メートルくらい流された。耐えて、耐えてプレーできていたので、うまくはいかないなぁと思いました。それ以外はマネジメントできていた。きょうは風に疲れました。(明日)皆さん、伸ばしているので、ついていけるように頑張りたい」

 

小倉 彩愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小倉 彩愛(28位タイ:0)=明治安田所属
 「今大会は過去2回、1ストローク差で予選落ち。それだけにちょっとイヤな気もしていたけど、強気でバーディーを狙っていった。それが良かったのかもしれません。前週は久々の試合で勝負勘などがいまひとつ。今回は練習ラウンドからしっかり飛距離を把握しながら、態勢を整えた。
 4日間大会が好きです。伸び伸びとプレーできるから。決勝ラウンドはパー5でバーディーをとって、順位をあげていきたい」


辻 梨恵<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

辻 梨恵(42位タイ:+1)=PRGR用品契約
 「風が回っていて、ジャッジが難しかった。予選は何とか突破したし、あとは上位を狙うだけです。決勝ラウンドは全力でがんばります」


鶴岡 果恋<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

鶴岡 果恋(85位タイ:+6)=明治安田所属
 「アプローチ、パッティングがいまひとつ。シーズンオフから、今大会のために仕上げてきたけど、ちょっと空回りした印象です。ちょっと悲しいけど、いつかは今大会で優勝します」


小林 夢果<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

小林 夢果(92位タイ:+7)=ヨコハマタイヤジャパン所属
 「ノーバーディーに終わった。とても苦しい一日。グリーン、風の読みが難しく、特にグリーンを狙うショットでチャンスをつくれなかった。また、1から修正します。ただ、とてもいい経験ができた。これを糧に…」


森田 理香子<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

森田 理香子(108位:+21)=PRGR用品契約
 「試合はやはり、すごく勉強になる。さまざまな気づきがあった。でも、(復帰するまで)練習が足りなかったから、こんなスコアになってしまったけど、次戦のヤマハレディースへ向けて、しっかり準備します。特にパッティング練習を…」