自己ベストの10バーディー 岩井千怜が首位奪回

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2024シーズン開幕戦『第37回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)第3日が3月2日、沖縄県・琉球ゴルフ倶楽部(6,595ヤード/パー72)で行われ、岩井千怜が首位に立った。自己最多の1ラウンド、10バーディーをマーク。通算13アンダーで今季初Vを目指す。1打差の通算12アンダー、2位は西郷真央。通算9アンダー、3位タイの仁井優花が逆転を狙う。
(天候:曇り 気温:13.8℃ 風速:5.7m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23.5mm》

 

 バーディーは元気の源。岩井千怜が首位を奪回し、首位で最終日を迎える。「明日もバーディーをたくさんとる。皆さんが元気になってもらえるように-」。自身の決めセリフが飛び出した。

 

 沖縄とは思えないような肌寒い一日。ところが、序盤からエンジン全開のプレーを披露した。1番、2.5メートルのバーディーで弾みがつくと、2番でも2メートルのチャンスをあっさりと決めている。バーディーショーの幕開けだ。

 

 「1位との差を詰めたい、が目標でした。それを上回るようなプレー。私が一番、びっくりしている」とホールアウト後、満面の笑顔をみせた。それはそうだ。14番まで、積み上げたバーディー数は9。トーナメントコースレコード更新の期待までふくらませた。ところが、好事魔多し。

 

 15番、第1打が右ラフへ。木の枝が視界に入る。しかもライがよくない。残り111ヤード。5Iで花道から転がし、グリーンを狙うマネジメントだった。ところが、バンカーへ。第3打もグリーンをとらえることができず結局、ダブルボギーを叩いた。続く、16番もパーセーブに失敗。

 

 「15番は練習ラウンドで、同じ位置からウッドを試していた。それを考えると、アイアンでひっかけてしまったのは残念。もっと、違う選択肢があった。次の16番もカップを狙ったパッティングが、ちょっと強めに・・・。やっちゃった、という感じでした。だけど、ミスをしたら仕方がない。(この2ホールは)コースの罠に引っかかった-と気持ちを切り替えた」という。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 結果は変えることができない。ただ、優れているのは思考ひとつで流れを変えてしまうことだった。17番、残り85ヤードの第2打を3メートルへつけ、バーディーを取り返す。

 

 「オーバーパーに終わった第2日は、ものすごく悔しい。悔しくて、悔しかった」と振り返った。ただし、「そんな状態でもよく眠ることができた」。このあたりのセルフコントロールが、あっさりとできてしまうところが技術に加え、秀でている見えない資質だ。

 

 もちろん、首位は指定席とばかりに、あすは西郷真央との2日連続の直接対決を楽しみにしている。「1打のリードは大切です。でも、最終日は1打リードとは考えず、攻めるだけでしょう。私のスタイルでスコアを伸ばしたい」と前置きし、「(西郷は)米ツアーで戦う選手。すごく上手です。決めるところは決める。今日も強いショットをたくさん、間近で拝見しました」と大いに気合が入った様子だ。

 

 ところで、この日のバーディー奪取は10。ここまで23年、リゾートトラスト レディス第2日でマークした9が最高だけに、自己ベストを更新したことになる。「1ラウンドで、18はちょっと無理だと思うけど、13ぐらいはいけるんじゃないか・・・。ただ、1ラウンドで10バーディーをとることも、かなり大変です。あすも二ケタ、頑張ります」と、実に頼もしい。

 

 元気が出るゴルフを日曜日も、乞うご期待-。

 

以下、各選手のコメント

<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 

西郷 真央(2位:-12)
 「きょうは全体を通してあまりいいプレーではなかった。ショットもパッティングもすべて良くなかったです。前半は、ショットが良くないなかでバーディーが取れていた。後半はなかなか噛み合わず、パッティングの距離感も合わなかった。例年のイメージが入ってきていて、それを踏まえて打ったら外したりしてしまいました。(明日は)きょうのプレーを忘れ、気持ちを新たにプレーしたいです」

山下 美夢有<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

山下 美夢有(5位タイ:-6)
 「ピンチもありましたが、アプローチでしっかり寄せ切ることができて、パッティングも入りました。きょうは比較的ショートゲームが良かった。(アプローチで拾ったパーは)16番と17番です。16番はグリーンの左に外してしまって、それを50センチに寄せました。ピンまで15ヤードでワンクッションさせました。17番はピンまで28ヤードあって、1メートルに寄せました。(明日は)ノーボギーでラウンドして、少しでもバーディーを取れるように頑張りたいです」


荒川 怜郁<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

荒川 怜郁(20位タイ:-2)
 「ピンポジションが難しくなり、ティーイングエリアも下がって距離も長くなったので、難しかった。予選ラウンドよりパーオン率が上がったと思いますが、きょうはパッティングが打ち切れず、バーディーに繋がらなかった。(最終日は)スコアを伸ばせたら嬉しいが、そこをあまり意識せずに1ホールずつ自分のベストを尽くしていきたいです」


森田 理香子<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 

森田 理香子(28位タイ:0)
 「ピンが振られて、頭では狙っていないのに、そこへ打ちたいと身体が反応してしまう。きょうは寒くて、身体も回らずにショットも荒れてしまった。それでも寄せワンでしのぐことができて、このスコアで上がれてよかったです。80くらい打つんじゃないかと思っていましたけど、やはりすごく疲れる。頭を使うことも多いので、今夜もゆっくりと休みたい」