ささきしょうこが首位キープ『120点以上-』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGAツアー2022シーズン第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額3億円、優勝賞金5400万円)大会第3日が6月25日、千葉県袖ヶ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6639ヤード/パー72)で行われた。この日もガマン比べの展開。ささきしょうこが71をマークし、通算7アンダーで首位をキープした。2打差の5アンダー、2位タイは金田久美子。3位タイで、通算3アンダーの永井花奈、山下美夢有が逆転を狙う。
(天候:晴れ 気温:29.9℃ 風速:5.6m/s)
《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:24.5mm》

 

 前日に続いてスコアを伸ばし、ささきしょうこが通算7アンダーで首位を守った。ゴルフは個人スポーツ。しかし、淑女の競技だ。会見を聞いて、いつも感心するのは、同組の選手をたたえ、感謝をあらわすひとことだ。

 

 「とても私の組はいい雰囲気でした。これだけ、風が吹いてコンディションが難しくなれば、暗くなりがち。ムードが暗くなると、しんどい。おふたりがいらっしゃったおかげで、いいプレーができました」。そうした喜びを自然に言葉にできることは、観戦するギャラリーはもちろん、聞いているこちらまで心が洗われる。

 

 この日は2番でボギーが先行する、ちょっとイヤな流れ。それでも5番で満面の笑顔が飛び出す。残り15ヤードの第3打を56度でグリーン奥のラフから、チップインに成功した。

 

 そして、続く6番では3.5メートルのバーディーを決め、8番でも右奥から5メートルのバーディートライがカップへ吸い込まれる。後半は一進一退の流れでも、「状況を考えて、イーブンパーでプレーできたら100点と思って、スタートした。特に後半は風が一段と強くなって、キャップがとばされそうになった。スコアをひとつ伸ばしたのですから、120点以上。完ぺきなプレーです」と、うれしそうに振り返る。

 

 一方で、キーポイントは、やはり、「5番です。あそこまで、バーディーをとれそうな気持ちになれない。それをチップインが変えてくれた」とも。

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 プロ8年目のシーズンで通算3勝。幼少時は呼吸器系の持病があり、通学も思うようにできない虚弱体質だった。ところが8歳の冬に、「青木功さんの世界ゴルフ殿堂表彰式をテレビで見て、私も表彰状が欲しい」と一念発起。室内での体力づくりからスタートし、ゴルフをはじめたという異色の経歴がある。

 

 そんな体験が思いやりのあるやさしさを生み出す。「信じられるクラブたちと毎試合、プレーしている。私のスコアメークにはアプローチが欠かせない。あすは久々の最終日、最終組です。気持ちをしっかりリセットして、ボギーがきてもあせらずにプレーしたい。チャンスを待ちます。おそらく、苦しい1日でしょうね。でも、前向きでいきます」。

 

 8日、26歳の誕生日を迎えた。「優勝したのはすべて夏を迎えてからだけど、今大会はいい思い出をつくりたい」と控えめだ。困難な気象条件を味方にする強さ。自然との戦いにライバルはいらない。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

以下、各選手のコメント

藤田さいき 山下美夢有<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

山下美夢有(3位タイ:-3)
 「あしたは、パー5でしっかりバーディーを獲っていきたい。パー5はチャンスです。ピンに寄せていきたい。(今日は)最後だけ良かった。きのうの風で、学んだと思っていたのですが、同じミスを繰り返してしまった。風はわかっていますが、フォローの時の距離感が把握できていない」

 

永井花奈(3位タイ:-3)
 「優勝したい気持ちはあります。だからといって伸ばせるセッティングではありません。首位が抜けて差かあるので、獲りにいきたい気持ちはありますが、そこはぐっと抑えて、チャンスが来るのを待っていたい。第1日に一番スコアが出ていないのですが、きのうときょうの方が難しく感じました」

 

黄アルム<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

黄アルム(5位タイ:-2)
 「(明日は)考えすぎないように、シンプルにプレーします。スコアのことを気にせず、集中します。(今日は5バーディー2ボギーの69)こんなにうまくいくとは思っていませんでした。運が良かったなぁ。最初と最後でバーディーが獲れたので、すごく気持ちがいい。(風の日で注意することは)焦らないことです。グリーン近くまでいけば、なんとかなる。だから、リズムよくスイングすることを心掛けている」

 

藤田さいき(5位タイ:-2)
 「(明日へ向けて)パッティングの距離感を修正しないといけません。きょう、前半で20パット。風もあり、距離感が全く合いませんでした。握りが強くなったり、インパクトが強くなってしまっていた。ショート目に打つことで、修正していった。最後のバーディーはもう少しがんばれというメッセージでしょう。もう1日、気合を入れてがんばります」

 

 

蛭田みな美<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

蛭田みな美(5位タイ:-2)
 「(明日は)上に追いつけるように、アグレッシブにいきたい。きょうは、4-5メートルのパッティングがすごく入りました。イメージだけに集中したのが良かった。(具体的には)初速をイメージします。素振りのときと、打つときを同じするようにしました。ただ、イメージを出しすぎて、ショートパットを外してしまった。そこは反省です」

川岸史果<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

川岸史果(5位タイ:-2)
 「(明日)ちょっとトップとは差が離れていますが、リランキングも懸かってるので、なるべく上位であがれるように頑張りたい。きのうの風で慣れてきたはずなのに、アンダーで回れなかったのが、ちょっと悔しいです。1Wで低弾道の球を打って、木の高さより上がらないティーショットを打っていました」

 

西村優菜(9位タイ:-1)
 「あすも難しいラウンドになる。きょうのいいイメージを振り返りながら、ティーショットをもうちょっと修正して、アンダーで回れればトップ10には入れると思います。(今日)ラフに行った回数は多かったのですが、きのうより良くなっていた。アプローチミスからの2ボギーでしたが、ダブルボギーになりかけのボギーだったので、耐えることができました」

稲見萌寧<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

稲見萌寧(11位タイ:0)
 「もう風はお腹いっぱいです。とりあえず、あすは耐えられるように頑張りたい。(今日)パーかボギーの内容のゴルフしか出来なかった。後半は耐えることができましたが、前半は負の連鎖が止められなかった。風はパッティングにすごく影響はありました。全体的にあまり嚙み合ってない事が多かったです」