原英莉花 2バウンドで鮮やかなイーグル奪取 

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 

 JLPGA公式競技『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円・優勝賞金3,000万円)が11月26日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブで開幕した。第1日、気合一閃。5アンダーで原英莉花が首位に立った。1打差の4アンダー、2位は渋野日向子。3アンダーの3位タイでディフェンディングチャンピオンのペソンウ、鈴木愛、上田桃子など7人がひしめく大混戦となった。3週連続優勝を目指す古江彩佳は1アンダー、15位タイにつけている。(天候:晴れ 気温:19.6℃ 風速:北北西0.6m/s)

 

 精神の安定が、スコアに表れた。原英莉花が1イーグル、5バーディー、2ボギーの67をマーク。5アンダーで首位スタートを決めた。この日のハイライトいえば、やはり2番の技あり、イーグル奪取だろう。

 

 残り110ヤードの第2打を2バウンドで鮮やかなシーン。「のぼりで、2バウンドしたかと思ったらボールが消えた。キャディーさんは、入ったといったけど、そんな手応えはない。グリーンの奥へボールが行ってしまったかもしれないから、喜ばないようにした」そうだ。しかし、心配は杞憂に変わる。カップインしたボールをしっかり確認してから、少しだけ喜んだ。

 

 この日のプレーを、「序盤でイーグルが決まり、流れはとても良かった。でも、パーオンできず、何とかパーでしのいだところも…。一喜一憂しないで、ホールアウトするまで集中力が途切れないようにした」という。開幕前から、訪れるであろう、ピンチのシーンを想定しながらしっかりと練習を重ねた。「練習ラウンドですごくいいイメージでした。20年の最終戦だし、気合が入っている。そのためには、楽しんでプレーしなければなりません。絶対に、イライラしない」と、固く誓って第1日を迎えている。

 

 もうひとつ、日本女子オープンゴルフ選手権を制し、公式競技の覇者という自信と責任がさらなる成長をうながした。難コースを攻略するためには、どうしたらよいか。それには、コースを好きになることが大切だということも。そして、「2サム。私は2人で戦うことが好きです。プレーに集中できるから。きょうも、(小祝)さくらさんのいいプレーを拝見しながら、うまく流れをつかめたと思います」と、感謝のメッセージを伝えた。

 

 第2日は、渋野日向子と同組でプレー。黄金世代の豪華ペアリングは、コロナ禍の日本中へ元気をお届けする絶好のメッセージとなるに違いない。

 

以下、各選手のコメント

蛭田みな美(3位タイ:-3)
「(18番)ボギーになりそうなところで、パーパットを決められました。パッティングが良く、ラインが出せていた。(コースは)練習ラウンドですごく難しいと感じました。(ピンチは)13番のパー5でグリーン手前10メートルに寄せ、セカンドパットが2メートル。長いパーパットでした。全体的にパッティングの感触が良かった。前週、前々週に試合に出られなかったので、コーチに見ていただいて調整していました。他の人よりも練習時間が多かったと思います。今週は来年につながる大事な試合。直前まで(出場が)ギリギリかなと思っていました」

 

小祝さくら(3位タイ:-3)
「18番のパーパットは、切れるラインでしたが、横から入りました。(今日は)ボギーを叩いたあとにバーディーが獲れた。18番のパーは、あしたにつながる。(コースは)難しいというイメージしかありません。風もあり、グリーンの目も強い。グリーンでのパッティングとティショットに注意したい」

 

李知姫(3位タイ:-3)
「このコースは得意ではない。きょうはショットが良くて60台で回れました。このコースで、この数年間、60台で回った記憶がないです。本当によかった。昨年に比べると風が弱いですし、グリーンのスピードも遅いです。ビックスコアが出ると思います。あすもいいスコアで回らないと、優勝まで届かない。攻撃的にプレーしたいと思います」

 

三ヶ島かな(3位タイ:-3)
「内容としては波乱万丈でした。前半はピンチばっかりでしたね。アプローチも寄らなくて、パッティングでずっと凌いでいました。ノーボギー?内容はひどかった。きょうの調子でノーボギーは、本当に100点をあげてもいい。国内最終戦なので、全米に向けて少しずつ仕上げたい。向こうで思い切り楽しめるように、少しでも準備していきたい」

 

ペソンウ(3位タイ:-3)
「高麗グリーンはショットパットが難しい。前半は苦しんだ。18番が一番難しい距離でした。去年勝ったコースですが、今年は今年で違った難しさを感じています。4日間大会ですし、コースマネージメントをしっかりして、積極的に攻略していければ、最終的にはいいポジションで戦えると思っています。ベストを尽くします」

 

笹生優花(10位タイ:-2)
「今日も楽しくラウンドできました。18ホール無事に終わることができて、古江さんともいろいろ会話できて、楽しかった。高麗グリーンは芝目がベントと違うので、気を付けています。あすもいつもと変わらず、フェアウェイキープしていきたい」

 

渡邉彩香(10位タイ:-2)
「パッティングが良く、ノーボギーだったので、ストレスがなかった。2つのパー5でバーディーが獲れましたが、パー5は2オンが狙えるので、獲りたいと思っていました。4年間、苦しい思いをしましたが、レベルアップを感じています。迷いなく、思い切って振れている。ドッグレッグのホールもあるが、迷いなく打てているのが、成長したところです。(明日)パー5が大事になってくる」

 

河本結(10位タイ:-2)
「ホステスプロなので、やはり勝ちたいという思いがすごくある。緊張はしていました。いま自分のゴルフにあまり自信が持てませんが、スコアを作っていかなければいけません。一人でのラウンドというのは違和感ありますね。打って、すぐ歩いてという感じで待つということがなく、新鮮でした。あす以降は不安とか、調子悪いとか、言っていられないので、とにかく自分のベストを尽くす。これに尽きると思います」

 

濱田茉優(10位タイ:-2)
「この試合に出られるだけでうれしいので、楽しんで、思い切ってプレーできました。ショットはよかった。パッティングはあといくつか入れば-。トータル的にはまあまあかなと思います。毎年この試合に出ることを目標にやってきたので、今年は出られて満足です。あすも、思い切ってゴルフしたいと思います」

 

木村彩子(10位タイ:-2)
「(18番)セカンドショットが手前についていて欲しかったのですが、上でした。(バーディーパットは)タッチを合わせるだけ(パー)。高麗グリーンは、みんなから聞いて対策を練っていました。パッティングの転がりを意識して、グリーン周りのティフトンの対策をしていました。(今日は)ショットも、パッティングも良かった。目標は、パープレーか、1アンダーでした。今回、選手権と同じキャディさんにお願いして、優勝目指して頑張ろうと話していた。

 

古江彩佳(15位タイ:-1)
「結果的にアンダーで回れたのは良かったが、すごくショットがブレていた。気持ちではなく、体のバランスが悪かった。ボギーは悔しいですが、私もボギーを打たないことはありません。コースに対応できませんでした。(明日)1打1打に集中してプレーしたいと思います」

有村智恵(15位タイ:-1)


「このコースは、グリーンがすごく難しいので、出だしでチップインバーディーが獲れ、いい流れでスタートできたことが、良かった。あす以降もしっかりとコースマネージメントと自分のショットをうまくかみ合わせながら、できるだけボギーを打たないようにしていきたい。今年1年間ありがとうという気持ちを込めて、できたらと思います」

 

金澤志奈(15位タイ:-1)
「難しいコースで、練習ラウンドの時に攻略は難しいと感じていたので、思い切って楽しんでプレーしようと心がけていました。きょうアンダーで回れてホッとしています。大きなミスがなかった。ショットよりパッティングのほうが良かったですね。毎年目標にしていた試合に出ることができてうれしいです。あすも赤字で、アンダーで回りたいです」

 

西村優菜(15位タイ:-1)
「ショットが乱れて、なかなかパーオンができませんでしたが、悪いなりにゴルフができました。特に前半はグリーンに乗らなくて、乗ったホールで3バーディーが獲れた。グリーンが固く、小さいので、セカンドショットが重要です。しっかり伸ばしていかないと、上位に行けない」