有馬賢二監督(ファジアーノ岡山)

「90分でしっかりと勝点3を取ろうという中で、勝ち切ってくれたことに関しては本当に良かったと思います。ただ、1点目をまた早い時間帯に取られてしまったりとか、2点目のところもちょっとした隙を作ってしまった部分がある。さらに改善していくことが必要かなと思っていますけど、全体的には本当に成長しているなと。今週は崩しのところをやってきましたけど、どうボックス内をこじ開けていくか、中を使い背後を取ってサイドをどう崩し切るか。そういう一番難しい部分のところを、自分たちでしゃべりながら、あの時間帯でもあきらめず、得点を取り切ってくれた。

本当に積み上げてくれているなと思いますけど、さらに勝点を伸ばしていくためには、全体的な守備は決して悪くない中で、さらに隙をなくしていけるように改善していきたい。彼らならできると思いますし、一個一個選手たちと一緒に話ながらやっていくことで、まだまだ上に行けるのかなと思っています。

最後に取ることができたのは、これだけの雰囲気を作ってくれたサポーターの人たちの声援のおかげだと思うし、選手たちも一緒に喜び合おうっていうことをミーティングでも共有した中で、それをよく実践してくれたなと思います。それからサブの選手も含めて政田で一週間やってきたことがこうやって実を結んだことで、これからまたみんなでやっていくことで結果が出ると彼らも感じてくれたゲームになったかなと思います」

 

――最後に逆転できたのは、ケガ人も戻ってきて、若手も育ってきたことが大きかったと思います。その辺りの選手層について

「本当にその通りだと思います。本当は2点目を取られる前に3人を入れる準備をしていて、ちょっと一個遅くて先に取られてしまったんですけど、それでもパワーを持って崩していこうと彼らには伝えていた中でも、カルロス、ヨンジェ、康平たちが、最初から戦っていた選手たちの頑張りを後押しするように良さを出してくれた結果だと思っています。交代でパワーが出ていかないとこういうゲームは取れないと思っていますし、人がいない中でも、こういうスケジュールの中でも、伸びてきている選手がいて良い競争がある中で、ちょっと成長して層が厚くなっているのかなと思います。そうは言ってもまだケガ人がみんな帰ってきている状況ではないので、ケガ人が戻ってくることと今いるメンバーがさらに成長することを求めながらやっていくことが大事だと思っています」

 

――上門選手、ヨンジェ選手が久々のゴールを奪いました

「彼らの良さを本当に良く出してくれたと思います。ずっと崩しのところを共有しながら、各々が(ゴール前に)入っていくタイミングとかコースとか関わりとか、そういう幹になる部分を伝えてきた中で、彼らがそれをしゃべってお互いに求め合いながらやってくれたおかげだし、最後は質だと思います。それは間違いなくて、シュート練習を常にやっていることで最後に二人が質を出してくれた。そこまで運ぶのはみんなの力ですけど、最後に取り切れたのは二人の日々の努力だと思います」

 

――上門選手はなかなかゴールが決められていませんでしたが、彼個人については?

「彼にはずっと言っています、数字はもちろん大事だけど、仕掛けることで相手のDFを引き付けられて他のエリアが空くんだよ、と。ただ一回、出して止まっていると怖さが半減する。それは他の選手も一緒なんですけど、特に知樹にはポジションを自由に変えていいと言っている中で考えながらやってくれていて、出して動くを連続して相手が捕まえ切れない中で最後に彼の良さを出してくれた。まだまだ成長している、まだまだ進化しているなと思うんで、これからがさらに楽しみです」

 

尹 晶煥監督(ジェフユナイテッド千葉)

いい部分が見られた試合でしたし、早い時間帯に先制ゴールが生まれましたが、すぐに失点してしまいました。
後半に入ってからは盛り返して追加点を奪いましたし、内容そのものは悪くなかったと思います。
ただ、時間が経つほど集中力が落ちてしまう部分があって、試合運びの部分で“巧者”になれなかった。もったいない部分がたくさんあった試合でした。

多くの方がアウェイまで足を運んでくださいましたが、前節に続いていい結果を得られず申し訳ないと思っています。
しかし改善できている部分も絶対にあるので、これを地道に繰り返さなければならないと思います。
試合は続くので、選手のコンディションにも気を使いながらやっていきたいと思います。
5連戦の最初のゲームでいいスタートを切れれば良かったのですが、それができず残念です。

 

―― ファジアーノ岡山は立ち上がりから構える守備を敷いていました。相手の戦い方については、予想通りだったのでしょうか?

(守備のやり方は)2つのうちどちらかしかありませんが、状況に応じて前から守備をすることもありますし、リトリートして後ろで構える守備をすることもあります。
例えば、前半の得点シーンについては、相手のそういう戦い方を選手たちがよく見て対応したことで生まれたものだと思いますし、バリエーションを作ることもできました。前半の立ち上がりこそそういった点でうまく対応できない時間はありましたが、後半はそこを改善しようと思いましたし、実際に修正できたと思います。リードしている際の守備もそこまで悪くなかったと思うのですが、終盤に集中力が落ちてしまい、こういう結果を招いてしまったと思います。

 

―― 特に後半は、船山選手がいい位置でボールを受けて、配ってというプレーを繰り返したことでリズムが生まれたと思います。

本来なら、前半からああいう状況を作りたいというのが我々の狙いです。ただ、中盤でのパスの配給がそこまでうまくいきませんでした。
ピッチに立っている選手たちが試合をしながら自信を持ってプレーしなければならないと思いますし、攻撃には必ずリスクが伴うので、それを怖がっていてはいけません。選手たちがそれを理解しながらプレーする必要があると思います。

―― ボランチの組み合わせについて。

 

現時点では起用できるボランチは3人しかいませんでした。その中で(見木)友哉と(小島)秀仁を選択しました。

―― 「改善できた部分」について。

前半からボールを持つ時間が多かったと思いますが、真ん中から割って入ってシュートを打つシーンもありましたし、そういうところは修正できていると思います。ただ、もっとシュートを打つ機会を増やさなければなりません。今日に関して言えば、前半と比較して後半はそういうチャンスを多く作れたと思います。

 

―― 高橋壱晟選手と堀米勇輝選手の途中出場について。

中盤でもっと活発な動きが必要であると思いました。堀米にはフリーキックもありますし、スピード感も生まれます。後半のタメ(為田)は前半と比較して見違えるように良くなったので様子を見ました。2選手の交代によって攻撃が活性化されたことは間違いないと思います。