蓼科の別荘街から、国道299号線(通称メルヘン街道)を東、つまり八ヶ岳方向に上り続けると、
およそ30分ほどで海抜2127メートルの麦草峠に至ります。
あたり一帯は北八ヶ岳山塊。
北八ヶ岳は、急峻な赤岳や横岳に代表される南八ヶ岳にくらべると、
比較的新しい火山群で、浸食もさほど進んでいないため、
麦草峠も、どこか車山あたりに似ていて雄大でゆったりとした峠です。
車が十数台停められるトイレつきの駐車場が、麦草峠からの登山の基点となっていて、
南方向には高見岩、中山を経て天狗岳(2646メートル)への登山道が、
北方向には茶臼山、縞枯山を経て北横岳(2483メートル)へ向かう登山道が延びています。
今回の2日間にわたる登山では、家族への負担を考え、比較的楽なコースを設定。
一日目は麦草峠から中山へ、そして南にそびえる天狗岳はあえて目指さず東に折れて、
「にゅう」といわれるユニークな小ピークを踏破し、白駒池に下って峠に戻る約5時間のルート。
二日目は、蓼科ロープウェイで坪庭(2237メートル)まで一気に上がり、そこから北横岳をめざす
往復およそ3時間のルート。
幸い晴れたり曇ったりの好天で、夏の高原を満喫できました。
一日目、中山に向かう登山道。
シラビソの幼芽が、樹林帯の暗がりに差し込むわずかな陽光に輝いています。
登山道の周囲は、何百年も手付かずの原生林。
分厚く張った苔が、「もののけ姫」の舞台となった屋久島の原生林を思い出させます。
印象としては、まったく同じです。
中山山頂。たいへんなだらかな山頂です。
火山活動によって出来た証拠に、畳1、2枚分もありそうな岩がごろごろしていて、
風をさえぎるものが無いせいか、樹木も育たないようです。
北八ヶ岳では、ところどころに立ち枯れた針葉樹を見ることができます。
少し大きく育ちすぎると、風にやられる。
冬は過酷な環境なのでしょう。
中山からにゅうに向かう途中、霧に煙る天狗岳を振り返ります。
景色の雄大さに見とれて1歩、2歩と登山道を外れると、足元はまさに「奈落」。
注意しないと命にかかわります。
にゅう(2362メートル)から、小海町方面を見下ろします。
にゅうは、西側の稜線伝いからしか近づけない奇峰で、
東側は垂直に切り落とされた断崖。
高所恐怖症の人でなくても、ゆったり景色を楽しめないほどの恐ろしさです。
北八ヶ岳一帯の登山道は、古い火山活動の名残で、巨石がごろごろ。
光が届かない樹林帯ではぬかるんだ土とぬめった石が行く手を阻み、極めて歩きにくい。
高低差が無いわりには足腰にはこたえます。
霧雨でも来ようものなら、大変な苦行となるでしょう。
でも、だからこそ、苔たちにとっては楽園。
にゅうから下りること1時間。
八ヶ岳一帯では最大の湖水、白駒池です。
麦草峠からも程近く、ハイキングにうってつけにも思えますが、
夏の金曜日、そこは森閑としていました。
この日の行程。
本当はこんな感じで↓
http://www.ksky.ne.jp/~monkichi/tozan/tozan36.html
倍近い距離を歩きたかったのですが、女房子供が一緒とあって、さすがに断念。
けれども、久しぶりの登山で、自分も相当へばりました。
2日目への余力を考えれば、無理をしなくてよかったです。