この店から出てくる客の会話に耳を傾けるとすれば
こんな感じでしょう
「ウォーッ」(ストレッチしながら)
「肩こったー!」
「ハラ減ったー!!」
「なんだこりゃ。もっとフツーの所で飲み直そう・・・」
「・・・」(考え込む表情で)
大声厳禁。
笑い声も、たぶん禁止。
お客はみんな小声でヒソヒソ。
BGMも、もちろんナシ
いろりの前に、坊主頭の店主がどっかりと正座し
黙々と燗酒をつける。
そのいろりを囲むカウンターに、男性客が6人。
お互い、単独客なのでしょうか、
小さな座布団に正座して並び
肩を寄せ合いながらもまったく会話なく
ほの暗い中空を見つめています
店主と客との間の、痛いような緊張感。
修業、という言葉がしっくり来ます
神楽坂の地で創業70年、『伊勢藤』(いせとう)。
酒は「白鷹」オンリー。
写真は4菜1汁のお通しのうちの2品
塩辛と蕗の煮物です
ほかに8品ほどが品書きに載っていますが
いずれも酒のアテばかり。
主役はあくまでも酒、というわけです
ボクはこの店で
日々の飽食を深ーく反省させられました
「店を出たらきょうはまっすぐ家に帰って
ご飯と漬物で〆めよう・・・」と
はたして昭和初期の客たちは
この店で
何を思って飲んでいだのでしょうか
《伊勢藤》 新宿区神楽坂4-2
黄龍
さんに教えていただいたお店です














