再度鑑賞 | きねうちドライビング!-Full Throttle-

『首』がまた観たくなり再度映画館へ行って観てきました。



良いなあ〜

やっぱり



黒澤明監督の晩年はパワーが落ちている印象がありましたが、北野武は全くパワーが落ちていない。黒澤明監督とは撮った本数も違いますから同列では語れませんが、北野映画にはまだまだエネルギーがあってこれからも楽しみですね。



いま『首』の上映に合わせてCSで北野作品が放送されていますが、『3-4x10月』も『ソナチネ』も凄く良い。見るたびに好きになる映画ですね。『首』でも歩くシーンが多く出てくるんですが、北野武の映画には欠かせないカット。『その男凶暴につき』も歩くシーンがとても印象的でしたし、『あの夏いちばん静かな海』もよく歩く。北野武はデビュー作の『その男凶暴につき』でたまたま尺が足りなかったから歩いたと言いますが、それにしても撮り方が独特で、初監督作品でこんな撮り方はしないでしょという感じですから、元々の感性なんでしょうね。



北野武が有名なコメディアンだということは海外のファン達には受け入れがたいらしいですね。コメディアンというと海外では道化師的な立場ですから、そんなはずは無いと認めないらしいですからね。『風雲たけし城』が海外でも人気で、あの男と北野武が同一人物だというのが都市伝説的に語られているらしいです。



中には本物のギャングだと思ってる映画人も多いらしく、彼の履歴を調べると出版社に殴り込んで逮捕されたと書かれているので、本物のギャングが映画を撮ったんだと思いこんで、空港に出迎える時に遅刻してしまったスタッフが殺されると思って必死に頭を下げたらしく、本人は何でこんなに謝るんだろうと不思議だったというエピソードも残っています。



それにしてもコメディアンとギャングでは全く違いますが、確かにビートたけしの中にはどちらも共存している部分ですよね。日本人はそれを知っていますが、海外の人からすると全く理解できないんでしょうね。しかも『Dools』なんかも撮ってしまうから余計に不思議でしょうね。



『首』は今のところ興行的には苦戦しています。口コミで広がる映画では無いし、私も友人に正月に観たほうが良いよとは言えませんからね。好きな人は好きだけど、大体の人は何これ?という感じで、上映が終わった後の空気も微妙な空気が流れます。途中で帰ってしまう人もいましたしね。同じ値段で翔んで埼玉を観るなら『首』を観たほうが良いとは思いますけどね。