チャンスについては
「チャンスの神様には前髪しかない」
という言い方があり
来たチャンスを
どうやって逃さないか
という話が先行しがちだ。
でも、今日はチャンスについて
違う側面の話をしよう。
ご存じない方もいるけど
チャンスって、事前予約できる。
チャンスが来た！
と慌ててそれに飛びつくよりも
前もってチャンスを検討して
それを確保できたらいいよね
という話だ。
私はそれを金融の世界で沢山経験した。
実際、金融市場ではそれを
オプションという商品名で取引している。
そこらへん、出来るだけ簡単に説明しよう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Aという株が今、2,000円で取引されているとする。
その株が今後どうなるか
わかる人はいない。
しかし、それを予測する人はいる。
上がる、という人もいれば
下がる、という人もいる
そして
上がると思う人は買うし
下がると思う人は売る（空売りする）
（つまり、株価の見通しが異なる人同士が取引することになる）
ところが、そこに賢い人が現れる。
曰く
上がるか下がるかわからないものを買ったり売ったりするのは効率が悪い（資金を固定化してしまうし、大きな損失を被るリスクもある）
それよりは、上がった時だけ2,000円で買い買値と売値の差額を自分の利益としたい（または、下がったときだけ2,000円で売り、売値と買値の差額を自分の利益としたい）
それなら資金は固定化しないし
大きな損失も出ない。
その為には、多少の手数料はかかっても良い。
これがオプションの基本的な考え方だ。
私が金融市場に関わり始めた頃
この手数料（オプション価格）の理論や計算方法はまだ確立していなかった。
だから、そこでぼろ儲けした人たちが沢山いた。
（数学者や物理学者がウォールストリートに参入し始めた頃だ）
（数学者や物理学者がウォールストリートに参入し始めた頃だ）
今では、その理論も計算方法もかなり解明され
利ざやは減少している。
（私はさらにそのオプション理論を
金融市場だけでなく人生やビジネスに当てはめることについても研究した。）
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
この説明ではわからない人もいると思うので
さらに具体的に解説すると
A株を2,000円で仕入れていて
その株が（例えば）3,000円に値上がりしたら
それは
3,000円ー2,000円＝1,000円
の利益確定のチャンスだ。
でも、Ａ株を2,000円で仕入れる
というのは2,000円の資金を固定化することになるし
もしＡ株が逆に値下がりしたら
そこで売却損が出る可能性もある。
そこで、A株を買わずに
A株を2,000円で買う権利だけ買い、株価が上がるのを待つ。
これがオプションだ。
（日本語では、選択権という）
大切な資金を固定化せずに済むし
大きな損失を被るリスクを避けられる。
もちろんそこにはコスト（手数料）がかかる。
だから、どんなオプションも手に入れておいた方が良い
ということにはならない。
オプションにも
値段があり、損得があり
チャンスがあるのだ。
では、話を戻そう。
チャンスの事前予約の話だ。
まず、わかりやすい
悪い例から。
好きかどうかわからないけど
使うかもしれないからとりあえず買っておこう。
これを多くの人がやってしまう。
やる気もないのに
色々な資格を取ってしまったり
色々な資格を取ってしまったり
食べたくもない食材を
半額セールだからと買ってしまったり
チャンスの事前予約をしまくって
人生の効率が悪くなるケースだ。
（備えあれば憂いなし、が悪くでるケース）
チャンスの事前予約のコストを
上手に見積もりできず
コスト倒れになるタイプだ。
そして上手に見積もりできないと
お買い得のケースも見逃してしまいがちになる。
では、チャンスの事前予約が
お買い得の例も挙げておこう。
一般的に
チャンスの事前予約を確保した方が良い
一番わかりやすい例は健康だ。
健康であれば
あれもできる
これもできる
将来にわたって、いろいろなチャンスを活かすことができる。
（これをオプションでは、権利行使という）
（これをオプションでは、権利行使という）
健康は様々なチャンスへの
事前予約なのだ。
もちろん、健康を維持するにはコストがかかる。
だから人により
どんな健康なのか
どの程度の健康なのか
選択が分かれるところだ。
もう一つ例を挙げよう。
（少し前の時代の）英語だ。
今はもう違うが
少し前の日本では
「英語が話せる」というだけで
様々な特典を得られた。
これをいうと
私も勉強頑張ったけど・・・
という反応が返ってくるだろうが
勉強などしなくても
英語は話せるようになれた。
（私の場合、最初「英語を話せる振り」から始めた）
４歳児だって話せるようになる。
（片道航空券を買って米国等に行ってしまえば良い）
当時の日本では
英語を話せるようになることは
ものすごく効率の良いオプションの購入だった。
（オプションではなくA株を買ってしまうのは、この例では特定の職業だけに狙いを定めてしまうことなどに当たる）
もちろん、英語は一つの例えに過ぎない。
（そして今、英語を話せるだけではあまり良い権利行使につながらない）
英語を話せるかどうかより
そういったチャンスに目をつけられる自分かどうか
に着目してほしい。
なぜなら、今後も同じことが繰り返されるから。
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