宮崎・アジアン雑貨・バリ雑貨・エスニックファッション・金土日・キンドビ・Kira Kira・キラキラ・絹川賢治

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バリ雑貨のお店 金土日(キンドビ)
 宮崎県東諸県綾町南俣1689-9
TEL 0985-77-3150

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「明後日から賢ちゃんはお出かけ!ワタシ…お留守番…。マキストーブ…煙いし…調子ワルいし…煙突…掃除してってよぉ。かよわい私を凍えさすき…」と、朝からウルウル涙目で女優する妻。

 
ボクのことを賢ちゃんとまで呼んだ。
 
 
凍えるようなかよわい体型には、ほど遠いように思えたが、朝から不機嫌のスパイラルを避けたいボクとしてはー。
 
 
「じゃあ、あとで、なんとか、ほんとに、できれば、もちろん…」と、口をモゴモゴゴモゴモさせていると、すかさずー。
 
 
「今日中にハッサクも捕ってね、灯油もお願いね」と、ご要望はどんどん増えてゆく。
 
 
しまいには「あと、なんか、言い付けておくことないかな」と、きた。
 
 
「そうそう、外の冷蔵庫の中の不気味なヤツ、アレ、何とかしといてよぉ」。
 
 
ウゥー、イヤだ。
アレはイヤだ。
鍋の中でこんもりセーチョーした
おでんの汁なんか。
 
 
ミタクナイ!
ミステタイ!
ミスゴシタイ!
 
 
そんな「カビナベ」のオソウジナビをボクは、やりたくないないない。
 
 
でも、この真実の声に真っ向から向き合う勇気は持てず、「あぁ、アレねっ」ととりあえず平静を装う。
 
 
それでも、それくらい自分でやれよ、とやっぱり背中を後押しする強気のボクが心の中で叫ぶ。
 
 
心のもやもや、もたもた、もよもよ、とはなかなか決着が付かなかったけど、ヨシッ、ヤッパリ、イヤダと、思ったとたんー。
 
「マカセタカラ」「キットヨ」「カナラズネ」と、ヨロシクオネガイジャブの3連発を喰らってしまった。
 
 
抵抗の翼を広げるどころかー。
 
 
しょせん、ボクなんて、アッという間にコーナーに追い詰められるボクサーのようなボクさ、と淋しい自虐ネタだけが頭をよぎる。
 
 
「あんたはヒツジで蟹座、、わたしはヒノエウマで牡牛座。勝てると思う?主従関係は生まれた時から決まってるの」と、いつもの妻の口ぐせが頭の中でコダマする。
 
 
ま、いいさ、負けるが勝ち、神様はちゃんとお見通しさ…。
 
 
妻からのお達しに従い、朝のうちに銀行と郵便局へ。それから灯油と印刷機のインクを買い、Aコープで買い物をしてから戻った。
 
妻はもう、家を出た後。
いよいよ「念願」の煙突掃除。
 
▲20年以上もガンバってきたマキストーブ。 ちょっとヨレヨレ。
 
 
ホウキ、チリトリ、ドライバー、ペンチ、ハリガネ、フクロ、タオル。
 
こんなんで大丈夫かいな…。
 
決定打に欠けそうな思いつきの「7つ道具」を揃えた。
 
 
食卓に目をやるとー。
 
メモが一枚。
 
見なさい、といわんばかり。
 
ど真ん中に。
 
ひとこと。
 
「生ゴミ」。
 
 
ギョッ、ウゲッ。グガッ。
 
 
メモ書く暇あるなら、捨てに行けよ。
 
 
と思いつつも、捨てない、という選択肢はありえなかった。
 
勇気も覚悟もない。
 
 
すごすご、外へ50歩ほど。
 
井戸ワクに鉄板をかぶせただけの生ゴミ入れへ。
 
もちろん「念願」の不気味なヤツと普通の生ゴミを忘れずに。
 
ポイ。
 
▲我が家の食卓を支える「がんばり屋」さん。
 
するはずだった。
 
が、鉄板を開けると、寒すぎるせいか、幾分溶け合いながらも、生ゴミは生ゴミのまま。
 
あたかも、印象派の絵のように、それぞれの色が強烈に主張し合い、複雑に絡み合い、一丸となって視界に飛び込んできた。
 
分解せず、溢れかえり、今にも襲いかかってきそう。
 
 
ガックリやんけ、と何の脈絡もなく河内弁で落ち込む。
 
 
アァ、アァー、この生ゴミ入れも3年ほどお掃除していないからな。
 
 
きっとボクが、何とかするんだろうな。
 
 
見たくなかった。
見逃したかった。
見過ごしたかった。
 
 
上から散らしながら放り込んで、押し潰した。
 
 
ハァー、ヒィー、フゥー。
 
 
許されるタメ息を3つ吐き、隣の家のハッサクの木の下にある脚立を持ち出した。
 
▲今は井戸のモーターの点検の時のみに使用。
 
広げてハシゴに。
ゆっくり、ゆっくり。
真ん中辺りまで上ると、サビだらけ。上の先端も少し折れ曲がっていた。
 
 
けっこう、ボロボロやんけ、とまた河内弁で落胆。
 
 
折れないかなぁ。
不安、不安、不安、不安、不安、
不安、不安、不安、不安、不安…。
 
思わず「神様、どうか折れませんように」と、祈った。
 
けっこう、マジだったな!
 
 
何とか屋根に上がったところで、寝ているはずの隣の住人が起きてきてー、
 
 
「この間、脚立の脚が折れて、骨折するところだったんですよ。ソレ、使わない方がいいですよ」
 
 
ヤッパリ。
脚立、黙って持ち出したとき、聞きたかったなぁ。
 
 
アッ、黙ってたから、ムリか!?
 
▲屋根に上って煙突の曲がり角を外すと ススの塊がドサッ!
 
 
「下りるとき、大声で呼ぶから、下で支えてよ」
 
 
「いいですよ」。やさしい彼。
 
 
もちろん妻だってそこにいたら「自分で何とかしなさい」とは、言わないはず。
 
 
ゴホンゲホンと咳しても、「大丈夫?」じゃなく「ウルサイよ!」と言われ続けてきたボクだけれど。
 
 
本当は、本当はー。
知らないだろうけど妻は優しい。
 
 
 
どちらかというと朝より、たらふく食った夜、「実力」を発揮する。
 
 
・トイレの帰りぎわ、ボクの頭に「ハゲにいいから」と、アーボビデという舌を噛みそなアロマオイルをスプレーで、シュッシュッ。
 
・テレビを見ていると、顔のマッサージ用のコロコロを渡され「目元と口元をやったほうがいいよ、ジジィなんだから」と。
 
・コタツでゴロンと、くつろいでいると「水分取りなさい。血液ドロドロになるわよ」。付け加えて「病気で長生きは、捨てられると思って。健康で役に立つこと、これがポイントだからね」と、ツオイ励ましの言葉も忘れない。
 
・マユカットは妻の腕の見せどころ。明かりの下に強制連行され「ふさふさの白いマユはみっともないよ、超ジジィに見えるから」と、バッサリ。さらに「感謝しなさいよ。あんたのママまでやってあげてるんだから」と、ツマはママに変身する。
 
 
・寝る前には「舌を上に上げてごらん」といって、舌下に奇跡のオイルといわれるフランキーセンスを一滴。ヘッドマッサージも3分ほど。短いけど、至福のひとときだ。最近は妻がオイルを持ってそばに来ると、つい口を開けてしまう。コマッタ。
 
 
そんな、こんな、あんな、
妻の優しさを一心に浴びるボク。
 
 
ヒュー、ヒュー、ヒュー……。
きっと口笛つきで
絶賛されなくもなくはないよね?!
 
ボクは、幸福者だなぁ。かな?
 
▲一見、仲良さそうに見えるふたり。
 
「これでススの出ない煙突に一歩前進間違いなし」と、誇らしげにいうと、妻は「スシの出ないウンコ?」と聞き返してきた。
 
エェッ!なんのこっちゃ。
 
「あんたの滑舌がワルいからよ」
「いや、お前の耳が遠いからやろ」と
ここからは次元の違う「闘い」がはじまる。
 
「夫婦会話先行き不安物語」の
始まり始まり。
 
 
 
そんな「サァ、タイヘン」な出来事を乗り越え、2日後、ボクは朝5時に起き、1泊2日の出張に出た。
 
一日中、笑いながら、喋って、食って、ボクを叱咤激励する妻と離れ離れになる。
 
 
 
久しぶりだ。
 
 
「嬉しそうね」と、顔を覗き込む妻。
「そ・そんなことないよ」と、表情を装うボク。
 
 
けど、心は「ヤッタ、ヤッタ、ヤッタ、ヤッタ、ヤッタ、ヤッタァーーー」。
 
 
さぁー、東京へ。
世界の雑貨が一堂に集まる
インターナショナル・ギフトショーへ。
 
 
でも、とにかく、この日の早朝は寒かった。寒すぎると脚が痙攣する。
 
だから、両足に3枚ずつホッカイロを貼り、靴下も2枚重ね、初めてスパッツも2枚履いた。
 
 
「ホッカイロ貼るのはいいけど、問題は、入ってた箱よ。何で捨てないで、隠すように置いたままなの?小学生じゃないんだから」と。
 
▲カラ箱をそぉっと、置いておいただけなのに…。
 
本当はおりこうなのに、なかなか分かってもらえない子供のように、ちょっぴり、口を尖らせた。
 
 
「尖らせるの、やめなさい。恥ずかしいから」と、妻は半ば諦め顔。ここでも「ママ」に変身。
 
 
尖った口はしだいに緩み、というか、大いに緩み、ようやく、宮崎空港に着いた。
 
 
急いでトイレへ。素晴らしくキレイ。
 
 
でも、なかなか、どうして、ザンネンムネン、ムムム(=`ェ´=)……。
 
 
重ねすぎたのか、スパッツの中心、というか、取り出し口が合わず、つまり3枚奥に潜む「例のモノ」が、取り出せないのだ。
 
 
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ…。
モレル、モレル、モレル、モレル…。
ドウヨ、ドウヨ、ドウヨ、ドウヨ…。
 
 
 
いくつもの「困難」を「ファイト」の原動力に変えて、ようやく出発まで漕ぎ着けたのに、まだまだ「試練」が、待っているのだろうか?
 
 
頭の中の中心で、妻のお見送りの言葉「お土産はとらやの最中だからね」だけが回っていた。
 

▲中は暑い、寒いの繰り返し。着たり脱いだり。

 

▲バリは遠し。帰ったら左肩治療のハリが待っている。

 

 

◆エピローグ

 

オリンピックのニュースを見ていた。

妻が一番反応したのは

宇野くんが銀メダルを取って、

その人となりが紹介されていた時。

みんなから「ワンコ」のように

可愛がられているというところ。

 

あんたも「ワンコでいるうちはいいけど、たまに、反抗するからね」。

 

ワンコだって吠えもします。

噛みつきもします

ボクだって…。

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 



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妻もボクも、日曜日の夜の楽しみは、ドラマ『陸王』でキマリ。
 
ゾロゾロやってくる「困難」をホイホイとまではいかないまでも、ハラハラもホロホロもド・ド~ンと盛り込んで、ト・ト~ンと小気味良く1話で「夢」に近づいてゆく光景に、ヤッタネ、という感じ。
 
正義は負けない、最後は勝つ、みたいなドンデン返しの爽快感が心地いいんだろね。
 
神様の越えられない試練は与えない、という教えをPRするように、ピンチもパンチもドンと来い、といわんばかりに、仲間との一丸魂で越えてゆく。
 
あまり説教臭くならないよう、滑って転んで屁をかます、みたいな仕掛けも楽しい。
 
諦めないこと、信じること、プライドを貫くこと…教訓をいっぱい頂いた妻とボクは「よし、頑張るゾ」と、しだいに気分が乗ってくる。
 
「ハイ、お茶」とニッコリしながら、妻は「私ってどうしてこんなに、あんたにやさしいんだろ」と、ひとこと付け加えることを忘れない。
 
「じゃあ、クリスマスプレゼントに蜂楽饅頭買ってくるよ」と言うと、「何て小ちゃなプレゼント」と、口を尖らせた。
 
そんな風に「陸王」でひとしきり盛り上がり、最後は、ドラマはいいよね、と言いつつ、やがて、喋り疲れて眠りにつく。
 
 
いつも、単純なふたりだった。
 
 
いずれにしてもドラマでは「試練」への真っ向勝負が、毎回やってくる。
 
弱者が受ける理不尽や侮蔑、苦渋には、現実だとヘコんでボロボロになりそうだけど、この手のドラマは必ずハッピーエンドという、約束された結末が待ち受ける。
 
観る者を決して裏切らないという約束事が安心感を醸成し、常にハデな逆転劇を期待させる。
 
そう考えると、このドラマはいかに困難を描こうと、「橋」を渡る感覚で眺めていられることに気づく。
 
いかに心細く揺れようが、向こうまで見渡せる「橋」には危うさがない。
 
 
冷ややかな風、緑の匂い、鳥たちの声、山の稜線……。
 
五感に届く情報から、橋の向こうに華々しい彩りや歓びが広がることは想像に難くない。
 
 
ハラハラ、ホロホロの景色を眺めながら、ドラマ、陸王の「橋」を渡るのだ。
 
 
決して「トンネル」ではない、ということ。
 

▲トンネルの向こうには、どんな世界が…。

 

「トンネル」には不安がつきまとう。本当に抜けられるのか、向こうに広がる景色を信じられるのか、という…。
 
現実の世界では、見渡せる感の強い「橋」ではなく、「右往左往大変物語」という、暗中模索の「トンネル」をボクらは突き進む。しかも「トンネル」の向こうの景色を、了解済の約束事として描くことは難しい。
 
トライ&エラーの「トンネル」を抜け、自己実現に向かうドラマを演ずるのだ。
 
しかし、「トンネル」を抜けたあとの景色の高揚感は、経験するたびクセになる。
 
静かで澄んだ光景だったり、温かい陽射しがやけに心地よかったり……。
 

▲トンネルを抜けると海が広がる。

 

だから、ボクは「トンネル」が嫌いという訳ではない。
 
現実のトンネルにしたって、抜けるたびに、ある種の快感が伴う。ボクはとくにトンネルとトンネルの間に垣間見る景色が好きだ。
 
 
学生時代を大阪で過ごしたボクの、故郷に帰る楽しみのひとつは道中の電車だった。
 
 
湖西線経由の「雷鳥号」富山行き。弁当とお茶を買い、窓際に座る。京都を過ぎた辺りから、しだいに「楽しみ」が近づいて来る。
 
おびただしい数のトンネルがやって来るからだ。といって、トンネルそのものには何の興味もない。その場所が特別なのは抜けた瞬間の「舞台」の輝きだった。
 
ビールとカキピーをほうばり、リラックスしながらデラックスな光景を期待する。

▲束の間の琵琶湖の景色は下車したい気分にさせる。
 
束の間に広がる琵琶湖の一瞬の景色は、決まってボクの心をわしづかみにした。
 
いきなりのコレですか、というドドッと懐かしさや憧れや驚きが訪れ、オッと胸を膨らませたかと思うと、アッという間にワンシーンは終わり、暗闇に入る。
 
ライブ感を楽しんで見とれてしまうと、すぐさま、タイムオーバーになってしまうのだ。
 
すべてを暴くには時間が足りず、次のトンネルの向こうの「舞台」を夢見る。
 
芝居にのめり込んでいた学生時代だっただけに、当時は、芝居や音楽ライブは、この一瞬の輝きみたいなもんだとつくづく思った。
 
 
そして、それから40年経った。
 
 
かってのボクの芝居心は、今、エスニックファッション&アジアン雑貨のイベント販売という「舞台」で、お見せできているかどうかな、って感じかな?!
 
 
年末から新年早々へと続く「舞台」。
⚫11/30~12/6 国分山形屋
⚫12/21~12/30 宮崎山形屋
⚫1/16~1/25 鹿児島山形屋
⚫2/7~2/13 川内山形屋
 
「トンネル」を抜けて広がる愉悦の極みを、ま、そんな大袈裟じゃないけど、ひとときの、ゆるりとした時間を楽しんでもらえたら、嬉しい限りかな!!
 
◆エピローグ
 
今日、妻は美容室に行った。マスターは笑いながら「それにしてもキアイちゃんの髪って多いよね。染めるにしても、かかる時間も材料も人の倍だよね。ハサミも研がないと…」と言ったらしい。そこで、妻はこう応えたという。「夫は髪が薄くなる一方だし、それで調整してよ、夫は半額でもいいんじゃない?!」。マスターは「そ、そうだね」と、ふたりで盛り上がったとか。
 
く、くやしぃー。
次サンパツ行ったら、ゼッタイイッパイ、パーマかけてやる。

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 



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「おはよう、ノラちゃん……」。
 
 
早朝の木洩れ日が目覚めを誘うもんだから、仕方なくしばし薄目でボーッと夢うつつを楽しんで、やがてかろうじて右目を開けると、一匹のハエが止まっていた。
 
 
右手の甲に…。きちんと羽をたたんで…。お行儀よく…。ちょっと小柄…。目はつぶら…かな?ヘンかもしれないけど、とってもカワいい。
 
 
きのうもおとといも、やって来ていた。
妙に懐かしさを誘っていた。
 
 
ボクが移動するたびについてくる。
パソコンのキーボードに、テレビを観ているボクの膝に……。洗濯物を干すボクの周りに…。
 

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▲ボクのそばにしょっちゅうやってくるハエさん。なぜかな?

 

 
その頃から、コヤツは只者じゃない、と、妻に話したらー。
 
「もしかしたら、もしかしてだけど、ノラちゃんじゃない?」と。
 
「そ、そ、そうかも…。ちょうど49日、経ったし」。
 
 
だから、ボクは、今日の朝、恋人にささやくように、決して怯えさせないように、かつてこんな穏やかな声を発したのはいつだったか思い出せないくらい…、マシュマロボイスで、「ノラちゃん、おはよう」って……。
 
 
 
22年連れ添った、牝猫ノラちゃんは、ハエさんになったのだ。
 
蚊でなくて良かった!
蚊だったら、ゼッタイ分からなかった。
 
こうして、久しぶりにノラちゃんの話で盛り上がった。
 
でも、ノラちゃんはハエかよォー。

 

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▲妻が焼いた魚をほぐして食べさせると、美味しそうに…。

 
 
 
8月20日、ボクは鹿児島にいた。早朝、妻から連絡が入った。
 
「ノラちゃん……ダメ…だった。夜中に…亡くなった…よ。朝…玄関の…床…下…の奥…の…スミッコ…で……。穏やかな顔…して…たよ」。
 
「もう……石の…ベンチ…の…前に……埋めてきた…から…ね」。
 
妻は声を震わせながら……。言葉を繋ぎ合わせるのがやっと。心臓の鼓動がとぎれ、とぎれになって、今にも酸欠状態に陥るんじゃないかと心配になるくらい、絶句の底から、やっと言葉を浮かび上がらせていた。

 

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▲一番上が一年前。後の2つは最近。

 いつもカワいいノラちゃん。

 

 
2日前の夜中に、妻がひとり鹿児島から自宅にもどった。そのときすでに、ノラちゃんは倒れていた。ベランダの上で。だから、お別れが近いことは心積もりを重ね、
ふたりとも覚悟はしていた。
 
翌日は一日中、妻はノラちゃんに付きっきり。もう、水を少し含ませてあげるだけ。最期の場所を探そうと立ち上がるけど2歩でヨロッ、3歩でコテッ、だったらしい。
 
体力もだんだん無くなって、もう、立ち上がろうとはしなかったという。
 
妻はノラちゃんに話しかけ、静かな時間を過ごしたようだ。最期の場所を探す力だけ残していると思ったという妻は、早めに消灯し、必死で眠った。
 
 
 
床下のスミッコで、ノラちゃんは眠るように亡くなった。
 
 

 

ずっと楽しい時間アリガト、ノラちゃん。
ホント、アリガト!

 

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▲ボクのお腹の上で気持ちよさそう!

 

 
 
でも、会いたかったな、最期に…ひと目でいいから……。あちこちカラダが不自由になっても、弱音を吐かずゲンキに振舞い、いつもいつもいつもオチャメに……あぁ、ノラちゃん。
 
 
鹿児島に行く当日までの4夜連続、ノラちゃんは珍しくボクのベッドにやって来た。
滅多にやって来ないのに…。いやな予感は十分だったけど、鹿児島山形屋の催事に出ないわけにもいかず、ただただ祈るだけだった。
 
 
「行って来るからね。お留守番、しっかりナ。ボクが帰って来るまで、ゼッタイ元気でいるんだゾ」。
 
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▲まだまだ大丈夫だよ、ってそぶり見せていたのに…。

 

 

 
約束は果たされなかった。
願いは届かなかった。
1週間は長すぎた。
 
亡くなる前の日、電話でノラちゃんを励ましたけど…妻は、声は届いてるから、と言ったけど、、、やっぱり会いたかったな。
 
 
ハエじゃないノラちゃんがいい。
ノラちゃんの声が聞きたい。
 
 
そしてーー。
おはよう、を言ったその日の夕飯時、ひとつの事件が起こった。
 
ノラちゃんかどうか分からなかったけど、また、一匹のハエが食卓に止まったのだ。
 
 
「バシッ」。
 
 
妻がハエ叩きでイッパツ、イチコロ。
 
 
「アアッ、エエエッ、ウソッ」。
 
 
「安心しなさい。ノラちゃんはテーブルに乗るようなお行儀の悪いコじゃないから」。だよね、とは言ったものの、大丈夫かなぁ?!
 
 
 
翌日―。
 
妻が、幽霊~~~~~にでも出くわしたかのような声でー。
 
「ヘビの脱け殻が、外から中に向かって……」。
 
見ると、ドアの下の隙間から、家の中に向かって、カワいい、小さな脱け殻。
 
「アアアアッ」。
ノラちゃん、かなぁ?!

 

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◆エピローグ
 
店に行くと、スタッフのみんな、ボクに用事を言いつけてばかり。
 
「オーナー、いいところに来ましたね。電球、代えてくださいよ」
いいところ、って…今日行くって言ってたじゃん。用事を用意してただろ、といいたい。
「コレ邪魔だから、早く持って帰ってくださいね」「この前お願いしたアレ、修理出来ました?」「早く、ココに棚を…」。
 
スタッフたちは、ひょっとしたら、ひょっとしてだけど、ボクを用務員のおじさんと間違えてない?!
 
 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 



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