まずはそういうとこから | 明日はきっと "新しい"

明日はきっと "新しい"

(難病や障害と共に生きるってどういうことだろって考えながら過ごす日常を綴っていきたい・・・な)


昨日のブログでは、「優しくありたい」という自身の想いを自戒に乗せて書き留めた・・・未遂ではなく、実際に家族を傷付けていたという僕の過去は決して消えることはなく、こうして事ある毎に自身を俯瞰して観察しながら、ちゃんと業を背負えていることを確認する。

カッコつけてる訳でもなく、それで何かが許されると期待している訳でもなく、ただただ淡々と当たり前のように、過去の自分を今の自分に突き付ける・・・それを僕の“自分らしさ”だと言えるようになるまで。



そんなブログをupした後、リビングでくつろぎながらTVのリモコンを無造作に操作していた僕の指が止まった・・・その番組では、自閉スペクトラム症を抱える6歳の男の子が、理容店で髪の毛を切れるようになるまでの約1年間を追ったドキュメンタリーが放送されていた。

子の成長により自宅での散髪に限界を感じ始めた母親が、“理・美容室でサロンの椅子に一人で座ってヘアカットをすることに困難を抱える方へのヘアカット”を『スマイルカット』と定義し、無理強いせずに困難の克服を目指す活動を進めている理容師へ相談したことから、この取り組みは始まった・・・最初は駐車場まで、次は理髪店前の公園まで、次は理髪店の入口前までといった感じで、ゆっくりと時間をかけて、少しずつ慎重に、お子さんの不安を和らげ、最終的には、店内でのカットが出来るようになっていた。

理容師の志と行動力には、終始頭が下がりっぱなしで、こういう人の存在が、無神経と無関心が闊歩するこの世の中にとって、かけがえのない希望なんだと、一方的に感謝した・・・本当に有り難い。

そんな番組の中で、僕の印象に一番残ったことは、番組冒頭で、母親が発していた「これまで周囲には迷惑をかけ続けていると感じていて、いつも周囲に『すいません、すいません』と謝っていた」という言葉だった・・・そんな母親に対して、どんなにうまくいかない時でも、理容師は「大丈夫ですよ」とか、「凄い頑張ってますね」とか声をかけながら、常に笑顔で接していた。



先週、電車内で声を上げていた子供に苛立ちを覚えた老人が、母親に対して威嚇したり、暴言を吐いていたというネットニュースをたまたま目にした・・・率直に、「知らないということは本当に罪深い」と感じた。

「そういう場面に遭遇した時、自分はどうする?」・・・と、昨日の番組を見終えた今、改めて自問してみる。

必ず声をかけられるという確証は、正直言って出来ない・・・だけど、仮に言葉では無理だったとしても、少なくとも心の中ではちゃんと伝えられると、僕は確信している・・・「大丈夫ですよ」と。

「まずはそういうとこから♪」・・・発展途上の僕としては、それはそれで尊いんだと思いたい照れ