人気アニメ「ルパン三世」の峰不二子役などを務めた声優の増山江威子さんが5月20日、肺炎のため死去しました。
88歳でした。
増山江威子さんは1936年4月22日生まれ、東京都出身。
増山さんは10代、20代のころは舞台で活動し、劇団四季に所属したこともありました。
声優に専念するようになり、持ち前の幅広い音域がより生かされ、幅広い年代の役を演じました。
2010年のテレビスペシャル「ルパン三世 the Last Job」(日本テレビ)まで務めた峰不二子役のほか、「キューティーハニー」(テレビ朝日)のハニーなどキュートでセクシーなキャラクターや、「天才バカボン」(読売テレビ)のバカボンのママ、「一休さん」(テレビ朝日)の伊予の局(一休の母)といった包容力のある女性の声で人気を博しました。
TAAF2017アニメ功労部門の顕彰者に選ばれたほか、2021年には第15回声優アワードで功労賞を受賞しました。
所属事務所の青二プロダクションは「増山江威子 儀 (享年89)かねてより病気療養中のところ 薬石効なく肺炎のため去る令和6年5月20日に永眠いたしましたここに生前賜りましたご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます」と報告。
ルパン三世公式Xで「声優の増山江威子さんが、5月20日にご逝去されました。「ルパン三世」ではPART1でのゲスト出演をはじめ、PART2からは峰不二子役としてTV、映画と多くの作品をご担当いただきました。長年のご活躍への感謝と共に、お悔やみを申し上げます。ありがとうございました」と追悼しました。
これを受け、ルパン三世役の栗田貫一さんがXを更新し、追悼しました。
Xでは書面にて「まさに紅一点 私にとっていつもエレガントで憧れの不二子ちゃんでした」と回顧。 続けて「右も左もわからぬ私に「やすべえなら、、」と座長としての山田さんの立ち振る舞いを優しくお話して下さり、ルパンファミリーに迎え入れていただきました」と思い出を振り返りました。
「私のルパン初収録時の納谷さん、モンキー先生、井上さん、小林さん そして…増山さん全員旅立ってしまい残念でなりません」とし、「増山さんや皆さんの想いをこれからもルパンに引き継ぎ精進してまいります。ありがとうございました。ご冥福をお祈り致します」と追悼しました。
不二子役を2011年から引き継ぎ、所属事務所の後輩でもある声優沢城みゆきさんが、同事務所を通じてコメントを発表、「なんか許せちゃう永遠のマドンナ、増山さんの不二子ちゃんの大ファンです。心から、ご冥福をお祈りいたします」と悼んでいました。
「ルパン三世」は1971年に放送スタート。
増山さんは二階堂有希子さん(引退)の後を継ぎ、1977~2010年まで35年近く、「ルパン三世」の峰不二子を演じました。
PART1では選ばれなかったが「どうしても不二子がやりたかった。キャラクターがとてもすてきだった」とPART2のオーディションを受けたというそうです。
2019年に原作者のモンキー・パンチさんが亡くなった時に「役者は作品との出会いがすべて。私の財産となった峰不二子に出会えた」とコメントしています。
主要キャストでは初代ルパン三世役の山田康雄さん、初代次元大介役の小林清志さん、初代石川五エ門役の大塚周夫さん、2代目の井上真樹夫さん、初代銭形警部役の納谷悟朗さんが、すでに亡くなっています。
昭和アニメのヒロインを数多く演じており、増山さんの訃報にネット上ではアニメファンが、
「昭和のアニメの女性キャラ「すべて」をやったんじゃないかというくらいの偉大なパイオニアだったよなぁ…」
「増山さんの優しく、色気のある声にいつも魅了されていました」
「我々の世代は、増山さんの声で育ったといっても過言じゃないと思う…寂しい」
「増山さんの声は色気と品格があるんだよ…間違いなくレジェンドです」
など別れを惜しむ声であふれています。
増山江威子さんは、幅広い音域を持ち、大人から子供まで数多くの役で知られました。
所属する青二プロダクションの公式サイトによる出演作品、役は次の通り。
アニメ
▼「ルパン三世」峰不二子
▼「天才バカボン」バカボンのママ
▼「キューティーハニー」ハニー
▼「一休さん」伊予の局(母上さま)、ナレーション
▼「パーマン」パー子
▼「太陽の子エステバン」ナレーション
▼ 「山ねずみロッキーチャック」ポリー
▼「魔法使いチャッピー」チャッピー
▼「オバケのQ太郎」U子
▼「怪物くん」怪子ちゃん
映画
▼「アガサ愛の失踪事件」ヘレン・モース
テレビ
▼「ドリフ大爆笑」(フジテレビ)ナレーション
▼「ひょっこりひょうたん島」(NHK)テケちゃん
その他
▼全日空スカイオーディオ