JERA セ・リーグ 阪神0―1巨人(5月24日・甲子園)
巨人の戸郷翔征投手が、阪神打線を相手にノーヒットノーランを達成しました。
圧巻の今季4勝目で、チームの連敗を4で止めました。
無安打無失点はプロ野球史上89人目、101度目。
巨人投手では2018年7月27日・中日戦(東京ドーム)の山口俊投手以来13人目、17度目(ポストシーズンを含めると、2018年10月14日のクライマックスシリーズ・ヤクルト戦(神宮)で菅野智之投手が達成)の快挙となりました。
また、巨人投手が阪神戦で達成したのは1937年5月1日に「レジェンド」沢村栄治投手以来87年ぶり、甲子園で達成したのは1936年9月25日の沢村栄治投手(プロ野球初のノーヒットノーラン)以来88年ぶり。
1、2回はアウトすべてが飛球で3者凡退。
3回は2アウトから、ピッチャーゴロを自ら一塁へ悪送球して走者を出したが後続を打ち取りました。
2番からの好打順だった4回は大山悠輔選手を空振り三振に仕留めるなど3人で片付けました。
1点をもらった5回は先頭・糸原健斗選手のファーストゴロを岡本和真選手がはじく失策でノーアウト一塁となったが、前川右京選手をショートフライ、坂本誠志郎選手を併殺打に打ち取り無失点。
6回は2三振などで3者凡退、7回は2番からの好打順だったが、3人をピシャリと抑えました。
打線は1、2回と先頭打者が出塁したが、いずれも1アウトから内野ゴロ併殺打に打ち取られ無得点。
3回は1アウトから泉口友汰選手がレフト前ヒット、戸郷翔征投手が送りバントを決めて2アウト二塁としたが、丸佳浩レフトフライがレフトファウルフライに倒れ無得点。
巨人は5回に先取点。
1アウトから7番でスタメン出場のオコエ瑠偉選手がレフト前ヒットで出塁。
泉口友汰選手の3球目に盗塁を決め1アウト二塁とすると、泉口選手が2打席連続ヒットとなるレフト前タイムリーを放ち、オコエ選手が生還。
下位打線で1点を挙げました。
泉口選手は18日の広島戦の2回にプロ初打点となる先制タイムリーを放ち、プロ入り2打点目も先制タイムリーと結果を残しています。
戸郷投手の打席で阪神の先発・及川雅貴投手がアクシデントがあった様子で急きょ降板。
2番手で漆原大晟投手が登板し、戸郷投手の送りバント、丸佳浩選手が四球で2アウト一、二塁となったが、坂本勇人選手はショートゴロに倒れました。
6回は1アウトから岡本和真選手が三塁内野安打、長野久義選手がライト前ヒットでつなぎ1アウト一・三塁としたが、岸田行倫選手が併殺打に倒れ無得点。
7回も先頭でオコエ選手がレフト線二塁打を放ち、2アウトから丸選手が四球を選び、二塁盗塁で二・三塁としたが、坂本選手が空振り三振に打ち取られました。
戸郷投手は8回を3者凡退。
9回も安打を許さず、偉業を達成しました。
試合後のインタビューで戸郷投手は「いやもう、やっと緊張から解き放たれたので最高です。6回終わった時点であと9個と思いながら、8回終わってほんとにできるのかなと思っていた」と振り返りました。
阿部慎之助監督も「いや、もう素晴らしい。それしかないです。球数もいっていたんですけど、あんまり代え時がなかった。最後まで投げ切ってほしいなと思って見守っていました」と絶賛しました。
投球内容については「いつも以上にコントロールできていたんじゃないかなと思いますし、自分のマインドもマウンドで落ち着いていたなと見ていて感じていました」と分析。
チームの連敗も4で止め「甲子園で勝ち越して、東京に帰りたいと思っているので。今日は今日で切り替えて、明日に向けてやっていきたいなと思います。鬼門だとよく言われているので、そこでこういう勝ち方ができたことはチームにとってもすごく大きいと思います」と喜んでいました。
阪神が屈辱の敗戦を喫しました。
2019年9月14日・中日戦(ナゴヤドーム)の大野雄大投手以来、チーム12度目のノーヒットノーランを食らいました。
打線が巨人先発・戸郷投手の前に沈黙しました。
3回2アウト、及川投手のピッチャー前へのゴロは巨人・戸郷投手が悪送球。
5回には先頭・糸原健斗選手がエラーで出塁したが、1アウトから坂本誠志郎選手が併殺打に倒れました。
後のない9回、先頭・木浪聖也選手が粘って四球を選び、代打・小幡竜平選手が送りバントで1アウト二塁のチャンスをつくったが、近本光司選手がファーストライナー、中野拓夢選手が空振り三振に倒れました。
甲子園でノーヒットノーランが出たのは1992年6月14日広島戦で阪神の湯舟敏郎投手が達成して以来、32年ぶり。
阪神が食らったのは1965年10月2日に広島の外木場義郎投手に許して以来、59年ぶりだが、この時は消化試合で観客が3000人に満たなかったとも言われます。