時事漫画、消滅の危機 | 女装男子かなこのブログ

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新聞や雑誌の定番だった、社会や風刺を描く4コマ漫画。


漫画家のやくみつる氏が5月11日放送の「ナイツのちゃきちゃき大放送」(TBSラジオ)に生出演、4コマ漫画について語りました。


漫画家のコジロー氏が、スポーツニッポンで野球などを題材に毎日連載中の4コマ漫画「いも虫ランド」が連載1万4000回を迎えました。


これに対し、2023年末まで日刊スポーツで「ポテンショット」を連載したやく氏は祝福しつつ、後世の4コマ漫画界を憂いました。


「現役で描いてらっしゃる方、ほとんどいない。4コマ、あるいは1コマとか、この時事漫画というのが今どえらいことになっていてですね…後継がいない。一番割の合わないジャンルなんですよね。ネタを量産しなければいけない、キャラに頼るわけにもいかないし」と、時事漫画が風前の灯火状態であると語りました。


「そんな中コジローさんが1万4000回…これだけ長く作られるには、コジローさんならではのノウハウがあるように自分には見えるんですよね。多分オチを先に考えていないように見えるんですよ。何気ない会話から入って行って、じゃあ最後こう落としちゃえという感じに見えるんですよね。書き手から見ると非常に肩に力が入っていないネタの作り方だなあという気がしますね」と、コジロー氏の生み出す作品を称賛しました。


一方で、時事漫画家には後継がいないと不安を語り、自身が手掛ける紙面連載ではやく氏が最若手として活躍していると明かしました。


やく氏は現在65歳で、このことからも、時事漫画にいかに後継がいないのかがよくわかります。


メインパーソナリティーの「ナイツ」塙宣之さんから「自分でXとかでね、1日1個(描いてる人いますよ)ね」と助言を受けると、「描いてくれてる方がいるんだったら、ぜひ拝見したいくらいなんですけどね…」と切実に訴えました。


新聞などで見かける時事漫画は、社会を風刺する、いわば漫画の原点ともいえるジャンル。


4コマ漫画は、かつて漫画雑誌には必ずと言っていいほど掲載されていました。


そのため、ギャグマンガ家は4コマ漫画専門の作家もいたし、4コマ漫画によって技術を磨くストーリー漫画家も少なくありませんでした。


ところが、2000年代に入ると、雑誌の部数が急激に減少していきます。


出版不況が叫ばれるようになり、休刊する雑誌も相次ぎました。


発表の場が激減しただけでなく、原稿料の単価も安く、単行本にまとめるためには本数を相当書かなければならないのです。


印税頼みで稼ぐことも難しいため、次第に衰退していったといわれます。


その一方で、2000年代後半から2010年代にかけて台頭してきたのが、「けいおん!」や、最近では「ぼっち・ざ・ろっく!」などのヒットを連発している「きらら」系の4コマ漫画です。


しかし、「きらら」系は4コマ漫画という体裁はとっているものの、実際は話が続きものになっている例が多く、実質的にストーリー漫画と言っていいです。


そのため、従来のような4コマ漫画とは異なるジャンルと考えるべきでしょう。


Xなどのネットでは4コマ漫画が健在です。


しかし、商業的な媒体では風前の灯となっているのは間違いないでしょう。


そして、やく氏が語るように、時事漫画としての4コマ漫画はほとんど生き残っていないといえます。


手塚治虫は、4コマ漫画は漫画の基礎を学ぶ上で最適なものと話していました。


確かに、起承転結の漫画の原理を習得するためには、最適なツールです。


また、政治家の似顔絵を描くことは、キャラづくりや画力の向上を図るうえでも役立つという意見もあります。


競争相手が少ないなか、ヒットが出れば時事漫画のスターになれる可能性もあります。


若い人はどんどん4コマ漫画にチャレンジすべきではないでしょうか。