封印が解かれた懐かしいアニメ・マンガ | 女装男子かなこのブログ

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「ドラえもん」の生みの親が手がけた幻のアニメが、YouTubeにて期間限定で配信。


藤子・F・不二雄さん原作の「ジャングル黒べえ」です。


4月12日午後9時から、TMSアニメ公式チャンネルで計6話を見ることができます。


1989年以降は再放送がなく「幻のアニメ」でしたが、2015年に全話収録のDVD-BOXが発売されました。


実に26年ぶりの復活を果たしていました。


今回の配信には「もう二度と見られないと思っていたので嬉しい」「奇跡起きてる…この時を待ってた」と待望していたファンの声が寄せられています。


この「ジャングル黒べえ」はアフリカ人の少年が主人公であることから、「黒人差別との抗議を受けて封印されていた」と指摘されることも多いですが、「封印作品の謎」の著者であるルポライターの安藤健二さんが実際に調べてみたところ、抗議を受けた形跡は見当たらないことが判明しました。


「ジャングル黒べえ」は1973年に毎日放送と東京ムービー(現在のトムス・エンタテインメント)が制作して、現在のテレビ朝日系で放映されました。


当時の毎日放送はテレビ朝日系列で、現在のTBS系列になったのは1975年4月です。


テレビアニメの設定を生かす形で、藤子・F・不二雄(当時は藤子不二雄のコンビ名での発表)の漫画も小学館の各学年誌に連載されていました。


アフリカのジャングルの奥地出身の「黒べえ」が大活躍するギャグテイストの作品。


黒べえは、コンゴに住む伝説の小人族、ピリミー族の大酋長の息子で魔法使い。


飛行機を大きな鳥と勘違いして、空を飛ぶ秘密を探ろうと車輪にしがみついて日本にやってきたという設定です。


安藤さんは子どもだった1980年代に、アニメの再放送が流れていたのを見た記憶があります。


黒べえが魔法をかけるときに叫ぶ「ウラウラ、ベッカンコー!」という奇妙なかけ声のインパクトが強かったのを安藤さんは覚えています。


「ジャングル黒べえ」が封印されたのは1989年のことでした。


大阪府内の家族が運営する市民団体「黒人差別をなくす会」が、さまざまな作品の黒人表現への抗議活動を起こしていたさなかの出来事でした。


この時期、「黒人差別をなくす会」の抗議を受けて、児童文学の「ちびくろサンボ」が次々と回収・絶版になったほか、カルピスの黒人マークが使用中止になり、手塚治虫さんの漫画「ジャングル大帝」などが出荷停止になるなど大きな騒動が起きていました。


ただし、「黒人差別をなくす会」が「ジャングル黒べえ」に抗議した形跡は、安藤さんがいくら探しても見当たりませんでした。


実は、同会が抗議したのは藤子不二雄作品の「オバケのQ太郎」の1エピソードでした。


「国際オバケ連合」という回に、暑い国「ウラネシヤ」出身のボンガという黒い色をしたオバケが出てくるのが、「黒人差別のマンガ」として版元の小学館と中央公論社が抗議を受けたのでした。


この2社が1989年7月、「国際オバケ連合」が出てくる「オバケのQ太郎」の単行本を回収したのですが、なぜか同時に「ジャングル黒べえ」を収録した単行本まで書店から回収したことが判明しています。


出版社サイドで「『オバケのQ太郎』がNGだから、『ジャングル黒べえ』も当然NGだろう」と自主規制したのでしょうか。


藤子ファンサークルの会誌「Neo Utopia」第37号には出版関係者の話として、以下のように書かれています。


「黒人差別をなくす会から当初通知された作品は『オバケのQ太郎』の「国際オバケ連合」のみと伝えられている。『ジャングル黒べえ』は出版社側の判断により、副次的に回収の途をたどっている可能性が高い」


理由不明なまま封印されていた「ジャングル黒べえ」。


安藤さんが「封印作品の謎2」を書いた2005年以降、状況が変わってきました。


2010年には原作漫画が復活。


小学館の「藤子・F・不二雄大全集」の1冊として「ジャングル黒べえ」が単行本になりました。


単独作品で1冊になるのは、1988年の「藤子不二雄ランド」以来です。


2015年には、テレビアニメ版も復活。


東映ビデオより期間限定生産で全話収録のDVD-BOXが発売されたのです。


初放送から42年を経て、初の映像ソフト化でした。


今回はYouTube配信は、藤子・F・不二雄さんの生誕90年を記念したものです。


1月に「ジャングル黒べえ」の新DVD-BOXが発売されたことを受けての配信とみられます。


内容は第1話「黒べえ大登場の巻!」から第6話「るす番はまかせろ!の巻」まで。


配信ページでは以下のような注意書きが書かれています。️


「一部の作品におきましては、今日の人権意識から見ると不適切と思われる表現が含まれている個所がございます」

「しかし、作品が発表された当時の時代背景と作品の歴史的価値を尊重し、また差別的な意図をまったく持っていないことなどを踏まえ、できる限り改変を加えず当時のまま配信することにいたしました」


本当に黒人差別に当たる作品なのでしょうか。


気になる人は配信を覗いてみるのがいいかもしれません。