JR北海道は2023年12月15日(金)、2024年3月ダイヤ改正の概要を発表しました。
そのなかで、利用の少ない5つの駅を廃止するとしています。
廃止されるのは滝ノ上駅(石勝線)、初野駅・恩根内駅(宗谷本線)、愛山駅(石北本線)、中ノ沢駅(函館本線)です。
滝ノ上駅は千歳~新夕張の山越えの途中にあり、特急列車や貨物列車の行き違いも行われます。
この区間にはかつて東追分、十三里という駅もありました。
初野駅と恩根内駅は、名寄を過ぎて美深も過ぎ、音威子府へ向かおうとする途中に連続してあります。
初野駅は板張りの簡素なホームがあるだけで、脇に小さな待合室がポツンと置かれています。
かつては両駅のあいだに紋穂内という無人駅がありましたが、先に廃止されています。
愛山駅は、上川から旭川方面へ2駅目にあります。
やはり短く簡素極まりないホームがポツンとあるだけの構造です。
同様の簡素な駅は、東雲駅というのが上川駅の隣にありました。
中ノ沢駅は、函館から北上して、長万部駅の手前にある駅です。
幹線ならではのだだっ広い構内に、車掌車を転用した簡素な駅舎がポツンと置かれているだけの構造です。
周囲にはまとまった海沿いの集落がありますが、長万部の中心街に近いこともあり、鉄道利用者は僅少でした。
北海道ではいわゆる「秘境駅」といわれる利用者僅少駅が急速に姿を消しています。
2021年には18駅が一気に廃止。
路線の一部廃止も相次いでいます。
そのなかで、2024年3月末をもって根室本線の富良野~東鹿越が列車が運行終了、廃止されます。
根室本線は途中で分断される形となります。
廃止される富良野~東鹿越について、廃止までの16日間だけ、1往復増便するとしています。
これは廃止前に乗っておきたいという需要で「多くの利用が見込まれる」ことへの措置としています。
根室本線は滝川から富良野・新得・帯広・釧路を経由して根室まで至る長大幹線です。
山脈をぶち抜く石勝線が開業するまでは、札幌から道東へ向かう貴重なルートとして、大動脈の役割を担いました。
しかし現在は、富良野~新得はほぼ役目を終えたと言ってもよい状況で、追い打ちをかけたのが2016年8月の台風による被災不通です。
富良野~東鹿越は鉄道、東鹿越~新得は代行バスによる運行となっていますが、2023年3月に正式に廃止届が提出されました。
今回の増便は「日中時間帯に1往復」としています。
具体的なダイヤについては、JR北海道によると「まだ検討しているところです」とのこと。
また、東鹿越~新得の代行バスを増便するかどうかについても、まだ決まっていないとしています。
なお、東鹿越行きは基本的に滝川を発着して直通運行されていますが、ダイヤ改正後は富良野でダイヤが分割され、滝川~富良野、富良野~東鹿越で別々のダイヤとなります。
また、東滝川・平岸や下金山・布部を通過していた快速は無くなり、すべて各駅停車となります。