ザ・ドリフターズのメンバーでタレントの仲本工事さん(本名・仲本興喜=なかもと・こうき)が19日午後10時22分、急性硬膜下血腫のため横浜市内の病院で死去しました。
81歳でした。
所属事務所のイザワオフィスが公表しました。
仲本さんは18日、横浜市西区の交差点で道路を渡ろうとしたところ、乗用車にはねられ頭を強く打って緊急搬送された病院で手術を受けていたが、意識不明の重体となっていました。
仲本さんは、ザ・ドリフターズのギターとボーカルを担当し、特技の体操を生かして活躍しました。
私生活では3度の結婚を経験しました。
俳優としても多数の作品に出演し、2020年からはYouTubeチャンネルをスタートするなど、幅広く活動しました。
仲本工事さんは1941年(昭16)7月5日生まれ、東京都出身。
成績優秀の優等生で、体操選手としても好成績を残した文武両道の学生生活を経て、学習院大学卒業後にザ・ドリフターズに加入しました。
1969年スタートの「8時だヨ! 全員集合!!」(TBS)で活躍しました。
仲本さんは「体操コーナー」でマット運動やトランポリンなどを披露し、失敗しても「ハイポーズ」で一世を風靡しました。
志村けんさんとの「じゃんけん決闘」も名物でした。
やさしい笑顔にメガネがトレードマークでした。
「ドリフ大爆笑」(フジテレビ)では、いかりや長介さん、高木ブーさんとともに登場した「雷様」のコント、いかりやさんとの「バカ兄弟」などのコントで人気を博しました。
俳優としては、1990年「水戸黄門第19部」(TBS)で左甚五郎を演じました。
1997年の「総理と呼ばないで」(フジテレビ)や「世にも奇妙な物語」(フジテレビ)にも出演しました。
ビデオデッキのCMでの「コ・マ・オ・ク・リ・モ・デ・キ・マ・ス・ヨ」などギャグも多数あります。
元号が令和に変わってからも、2020年の日曜劇場「テセウスの船」(TBS)などに出演し活躍を続けました。
2020年9月からは公式YouTubeチャンネル「仲本工事の ありがと~ね~ チャンネル」を立ち上げ、YouTuberとしても活動しました。
私生活では、1982年に最初の妻と死別しました。
1991年に25歳年下の一般人女性と再婚したが、2004年に離婚しました。
2012年に27歳年下の歌手、純歌さんと再々婚し、東京・グランドプリンスホテル新高輪「飛天」で結婚披露宴を行いました。
純歌さんとはデュエット曲もリリースしました。
2020年3月、ザ・ドリフターズで長年活動を共にした志村けんさんが亡くなった際、追悼特別番組に出演しました。
「ドリフも順番に逝く年になったとは思ったけど、一番若い志村が長さん(いかりやさん)の次になるとは…。非常に悔しいです」と悼んでいました。
仲本さんの死去で、ザ・ドリフターズのメンバーで存命なのは、加藤茶さんと高木ブーさんの2人だけとなりました。
2人はともに大きなショックを受けており、所属事務所は「2人のコメントなどの対応は後日にさせていただきたい」としました。
加藤さんと高木さん、仲本さんは「こぶ茶バンド」としても活動、昨年もドラマにも3人そろって出演するなど、ドリフの中でもとりわけ結びつきが強かったです。
なお、1974年にドリフを脱退した荒井注さんは2000年、いかりや長介さんは2004年、最年少メンバーだった志村けんさんは2020年3月、新型コロナウイルス感染症による肺炎で帰らぬ人となってしまいました。