名古屋飛ばし | 女装男子かなこのブログ

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「名古屋飛ばし」


名古屋飛ばし(なごやとばし)は、日本の本州での三大都市圏で行われているイベントの開催や鉄道列車の停車が、愛知県名古屋市およびその周辺地域(中京圏)で行われないことを示す俗語です。


1970年代には既にあった表現で、1980年代には歌手のマドンナやマイケル・ジャクソンの来日時など、それまで大きなイベントやコンサートで名古屋公演が実施されなかったことも度々あったが、1992年(平成4年)に東海道新幹線のぞみ301号の名古屋駅通過が「名古屋飛ばし」としてより大きくクローズアップされました。


東海道新幹線の速達列車「のぞみ」は2022年現在、東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪に停車します。


利用需要の多い大都市に特化し、主要駅のみに停まることで目的の駅へ「より早く着くサービス」を提供する列車です。


国鉄時代の新幹線「ひかり」は東京、名古屋、京都、新大阪に停まりました。


つまり、新幹線開業時から名古屋駅と京都駅は主要駅と位置付けています。


多くの人も昔から「名古屋と京都は新幹線が必ず停まる」と思っていることでしょう。


そんな国鉄時代の常識を打ち破ったのが1992年3月にデビューした「のぞみ」です。


実はデビュー当初、「名古屋駅と京都駅を通過する列車」が設定されたことがありました。


停車駅は東京、新横浜、新大阪だけ。


今では考えられないですね……。


「のぞみ」は、最高速度270km/hの新型車両「300系」を用いたこともあって、東京~新大阪間を当時の「ひかり」より22分も早い「2時間30分」で結びました。


当時の「のぞみ」は全席指定、特急料金も「ひかり」「こだま」よりも割高になっていました。


「新幹線は速くて、早い」「当日発でも朝9時の会議に間に合う」なども大きくアピールしました。


しかし、こののぞみ停車駅の設定が明らかになった瞬間、名古屋の人々は激怒しました。


「は? どういうことだー!!」。 


デビューした「のぞみ」2往復(4本)のうち、名古屋駅と京都駅を通過する列車は早朝東京→新大阪行きの1本(のぞみ301号)だけです。


当時は線路保守の関係から東京側で徐行運転を行う必要がありました。


徐行を穴埋めするために、大阪で「朝9時の会議に間に合う」ようにするために、やむを得ず両駅を通過するようにしたのが理由とされています。


その代わりに、のぞみ301号(東京駅6時00分発)の7分後に発車する「ひかり1号」で東京、名古屋、京都、新大阪の順に停車するようにしたので、JR東海は問題なし(名古屋にはこの発車時間でも「朝9時の会議に間に合う」)と考えました。 


その意に反して、「格下げなど許せない」。


新幹線の名古屋駅通過は「名古屋飛ばし」と呼ばれ、名古屋を通過してしまうのぞみ301号を巡って政治家や団体、財界、メディアも大騒ぎ。


ダイヤ変更をJR東海に訴えます。


一方の京都の方は「早朝の1本だけで、京都観光への影響はほとんどない」ので反発の声はほとんどなかったといわれます。


1992年3月14日 、「のぞみ」301号が運転開始しました。


当日は「モーニングワイド」(TBS)が朝7時40分の名古屋駅通過を生放送し、同時間帯の「ズームイン!!朝!」(日テレ)でも中京テレビの佐藤啓アナウンサーが「まさか私の目の前で乗客がいる列車の名古屋駅通過の瞬間を見るのは初めてであり、これは長年名古屋に住んでいる私達への冒涜でありましょうか?」とリポートしました。


同日朝8時30分から放送の「海江田万里のパワフルサタデー」(朝日放送)も放送開始直後に新大阪駅に到着した「のぞみ301号」を生放送しました。


中日新聞の夕刊でも当日の午前7時39分に名古屋駅西端の下り17番ホームを通過する様子が「初の『通過体験』40秒 名古屋飛ばし」の見出しで報じられました。


のぞみ301号は結局、1997年11月のダイヤ改正で廃止されました。(かなり長く運行されました)


以後、名古屋と京都駅を通過するのぞみは現在まで設定されていません。 


このことは、昔も今も、そしてリニア中央新幹線が開通する将来も、住民や利用者の利便性はもちろん、その都市、自治体、政治、経済にも大きな影響があり、極めて重要なことなのです。


しかし、興行界を中心に東京から名古屋を飛ばして関西に行ってしまう、ということがあるたびに「名古屋飛ばし」と揶揄されました。


典型的な例は海外アーティスト、いわゆる「外タレ」でしょうか。


1987年、1993年と1696年にワールドツアーの日本公演を開催したマイケル・ジャクソンさんの場合、3回とも名古屋での公演はありませんでした。


特に1993年と1996年は東京と福岡での開催だったが、これはドーム球場が当時東京ドームと福岡ドーム(PayPayドーム)しか無かったことも影響しているのではないでしょうか。


1997年にナゴヤドーム(バンテリンドームナゴヤ)と大阪ドーム(京セラドーム大阪)が開場して本州以南の4大都市圏にドームがそろったため、大きな興行も打ちやすくなりました。


ポール・マッカートニーさんの場合は初めて来日公演を実施できたのが1990年、1993年公演では福岡ドーム、2002年公演では大阪ドームで初めて公演を行い、2013年には東京・大阪・福岡でドーム公演を行ったが、名古屋での初公演は遅れ、2018年11月のナゴヤドーム公演となりました。


他にも邦楽有名アーティストもナゴヤドームや日本ガイシホールで開催する回数が増えているから、ビッグアーティストクラスであれば、名古屋でもライブの機会はそれなりにあるといっていいでしょう。


噂されるほど名古屋が「飛ばされている」とまでは言えません。


しかし、日本ガイシホールは2019年1月から2020年7月まで改修のために長期休館に入っていました。


この間はコンサート会場を探すのに難儀したようです。


むしろ、音楽ジャンル以上に機会が奪われているのではないかと思われるのは美術・芸術関係です。


大型の企画展は関東の他は関西でのみ開催というケースがほとんどで、メジャーな企画展でも名古屋での開催は極めて少ないです。


例えば2018年に東京・国立新美術館で42万人を動員し、年間3位の動員記録を残した「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」は、東京開催の後は2018年9月から2019年4月まで大阪市美術館での開催で、名古屋では開催されませんでした。


2017年開催の「『怖い絵』展」は兵庫県立美術館と東京・上野の森美術館での開催でした。


また伝統芸能の分野では関西では京都に南座、大阪に大阪松竹座があるが、名古屋には収容人員1000~2000人クラスの常打ち可能な商業劇場は現在御園座しか無い状態で、歌舞伎・大衆演劇・ミュージカルなどがすべでこの劇場に需要が集中している状況です。


ドームやアリーナの整備で以前より改善しているといえるものの、芸術系で名古屋のニーズに応えられているかどうかは微妙です。


そこに全国的なホール会場不足が手伝って、名古屋がおざなりにされている、と考えられる状況になっているのかもしれません。


江戸時代、尾張徳川家7代目徳川宗春が藩主の時代には「芸どころ」を誇った名古屋、関東関西には及ばずとももっと文化コンテンツに富む都市であってもいいのではないでしょうか。