それは、園長に手紙を出し、老人ホームに出入りしている業者が、たまたま父の知り合いだった為、父がその業者から園長に助言してもらうよう頼んだらしく、
その結果、園長室に私は呼ばれ、「何でもかんでも言ってはいけない」と注意された。
もちろん、私は園長に呼ばれて初めて父がした事を知ったのだが。
半分ヤケクソで、「就職する時に、ゆくゆくは社会福祉士の資格を取らせてくれて、社会福祉士の助手という形で就職した」と園長に言うと、「知らない、理事長が勝手に言ったことだ」と。
理事長の役職は名目で、権限はすべて息子の園長にあった。
「それなら、まずヘルパーからやってみて」という事になり、夜勤もするようになった。
事務所からやっと開放された。
(父は直接言わずに、人を介して私に注意してくる。私はそれが、煩わしく、直接言わないのは、逃げてる。素直に聞けない。許せない、と思ってた)
ヘルパーの仲間で10代で出産し、離婚した20代過ぎの友達が二人いて、その二人もセクハラを受けていた。
その二人から「もう、退職しようと思う」と言われ、この二人が辞めたら、私一人が若いので、またやられると思い、「3人で一緒に辞めよう」となり、もう、親が何と言おうと辞める
と決意した。

3人で辞めると園長に言い、ヘルパーを束ねる主任には、セクハラで辞めることを話した。
主任は長年勤めてるから、「はぁ~…あんたらみたいな若い子に手出して…。
それにあんたは(私)まだ生娘(きむすめ、言い方が古い)やのに、手出して…」とあきれていた。
職安に失業給付金の手続きに行く時も3人で行き、職安の人から「辞めた理由は何ですか?」と聞かれ、3人で顔を見合わせながら、言い難いが「園長がいやらしいことをしてくるので……」と言ったら、
「ああ~、あそこねぇ~」と、知れ渡ってたんだ

普通は失業保険はすぐ下りないのだが、すぐおりた

高校の紹介だったので、担任に手紙で辞めた真実と、後輩は就職させないように書いた。
後日、辞めた本当の理由を知った事務長(外部の人間で、いい人)が、私の家に電話してきて「全く知らなくて申し訳ない。力になれなくてすまなかった。実は自分も辞めようと思う」と謝ってくれた。
事務長は何の関係もないのに。
でも、解ってくれる人がいて嬉しかった。
辞めた後、何年も、セクハラされたり、経理担当から虐められる夢を見続け、うなされた……
癒えない心の傷……
男性恐怖、社会に出るのが怖い。
本当は引きこもりたかった。
放っておいてほしかった。
しかし、親からは、早く次の仕事に就けと催促される。
そして、私は間違った選択をしてしまう。
それが、第3の地獄の始り……
つづく
今日も読んで下さり、ありがとうございます
