鍼灸師の中には手術や薬を嫌い、それを駆使する医療&医師を嫌う方が一定数おります。

 

「医者は分かってない!病院は何も出来ない!」

 

と。

 

同様にユーザー側にも『医師&病院』不信の方が、やはり一定数おられます。

 

「医者は何もしてくれない。病院に行っても意味がない」

 

と。

 

私は鍼灸師としても一市民としても、医師を信頼しております。

 

医師や病院が万能ではないことは分かっております。それは仕方ない。万能や100%というものは存在しない…というのが世の中です。しかし万能ではなくとも、何か身体に異常や異変があればまず医師に相談すべきと考え、実際にそうしております。有効である確率が一番高いからです。

 

当院では「初回の方のご予約は必ずお電話で」というかたちになっております。

 

必ずご本人とお話しする。

そこで簡単な問診をする。

そして当院で引き受けるべきか、まずは医師に相談すべきかを判断し、後者の場合はその旨をお伝えして当院のご予約はお断りさせていただいております。

 

このところ立て続けに「腕がしびれる」という方からのお問い合わせがありました。

口頭で様子を伺ってみて、全員「まずは整形外科等、病院で診てもらってください」とご案内いたしました。

 

「しびれ」というのは結構危険な症状です。軽く考えるべきではない、と思います。大きな問題がからだの中に潜んでいる可能性が十分にあります。もちろんそんな深刻なものばかりではなく、疲労の延長で出ているだけものもございます。

 

医師に診せ、しかるべき検査を受ければ危険なものか否かが分かります。危険なものであれば専門的な治療に進むべきです。医師がそのように誘導するはずです。そうでなく日常生活の中で起こり得る程度のものであるならば、そこではじめて私達の鍼や指圧が介入することが出来ます。

 

当院に来るのは、病院で診てもらってからでも遅くありません。

まずは当たり前の手順・段取りをちゃんと踏む。

 

当院は開業以来、これを絶対的な方針としております。

 

汚い裏話をしますと、まず当院にお問い合わせいただいたときには「なるほど、そうですかー。じゃあ一度診てみましょう!」とノリ良く引き受けて、とりあえず1回施術して、お金をいただいちゃった上で「これ、やっぱりちゃんと病院に行ったほうがいいッスよ。うん」なんて言って病院に振っちゃう…ということも出来ます。当院としては1回分儲けられます。おいしいです。

 

ですが、当院はそういうことはしない!という方針です。

クソ真面目、カタブツ…と言われることもままありますが、当院が小さいながらも22年目まで続けて来られた要因の一つが、この「クソ真面目さ・カタブツぶり」にあるのではないか、とも思っております。