セントゴーデンズ その2 | KINBAI 〜アンティーク/近代金貨のお店〜

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さて、何故発行数のわりに希少価値が上がっている金貨があるかは、セントゴーデンズその1で説明させていただきましたが、もう一つ、セントゴーデンズといえば話題になるもの。

それは、"No Motto""With Motto"

こちらは、1908年に発行されたNo Mottoタイプの金貨。 

一体何がちがうのでしょうか。それはこの部分です。

こちらは、With Mottoタイプ

ココに文字が入っているものがWith Mottoと呼ばれ、そして

入っていないものがNo Mottoとなります。


この刻印の背景は?

それは・・・・刻印し忘れていたのです・・・・ 

そのままと言えばそのままですね。

1904年、ルーズベルト大統領は美しいアメリカ金貨を求め、彫刻家セントゴーデンズ氏にデザインを依頼しました。セントゴーデンズ氏はその依頼を受けたのですが、健康上の問題や、彼のハイレリーフデザインなどにより作業に遅れてしまいます。そして1907年、セントゴーデンズ氏は、イーグル金貨、ダブルイーグル金貨のデザインを確定させて鋳造する前に亡くなってしまいます。 セントゴーデンズ氏の亡き後、いくつかのバージョン(これが1907年はハイレリーフ金貨)の鋳造を試みますが、鋳造するのが大変難しく、その当時のアメリカ造幣局の彫刻家チャールズ E バーバー氏がセントゴーデンズ氏のデザインに変更をくわえ、ハイレリーフ(複数回のプレス)からローレリーフ(1回のプレス)に変更するなどして、ようやく一般流通用に発行される流れになりました。 ところが、発行から暫くは "In God We Trust"というモットー(Motto)の刻印を忘れてしまっていたのです。ドタバタしていたのでしょうか? 1908年に連邦議会より明記するよう指摘を受け、それ以降コインに刻印されるようになったのです。

ということで忘れられ指摘が入るまでの1907年と1908年にNo Mottoの金貨が鋳造されてしまったのですね。 確かにこの2年しか発行されていないコインなので希少価値はありますが、本当に希少価値が高いのは、1908年のWith Mottoになります。 No Mottoがメインで鋳造された1908年に指摘を受けてその後、鋳造されたWith motto。こちらは希少価値の高いものとして売買が行われております。