Kinasseの店長日記 ~ワインの素人、ワインを知ろうと~ -28ページ目

ワインの素人、ワインを知ろうと。

「やっぱり昔からワインがお好きだったんですか?」

最近、お客様からよくこう訊かれる。

僕は決まってこう答える。

「いいえ。実は僕はワインが大嫌いでした。」

次の質問もわかっている。

「え?それじゃあ、どうしてワインのお店なんかやっているの?」

と、こうだ。

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【ワインの素人、ワインを知ろうと】
第1回:夏の終わりのソーヴィニョン・ブラン

とても思い入れのある葡萄の品種がある。

ソーヴィニョン・ブランだ。

九州出身の僕は、と言うか僕の周りには、
「オトコは黙って、焼酎ロック」
的な考え方がいまだに色濃く残っている。

ワインなんぞ頼もうものなら、
「なんやアイツ、しこっちか!(格好つけやがって)」
となるのがセキノヤマである。

他にも「高い」「知識がないと馬鹿にされそう」「翌日、頭が痛くなる」などなど…。

もちろん、偏見だけど仕方ない。
世の中の大半はウソと偏見で成り立っているんだからさ(笑)

それはまぁいい。

とにかくワインなんて数えるくらいしか飲んだことがなかった。

それも「赤」か「白」かぐらいしか選択肢のない大衆居酒屋で、
誰かが血迷って注文したものをイッキするような、品のない飲み方だ。

あとはそうだな、大学生の頃に、
デートでカプリチョーザに入った時とか?

そういう時は照れくさくて酔っ払ってしまいたくて、
ガブ飲みするから、当然、味なんてわかりゃしない(笑)

そんな僕が、ワインを飲むようになったきっかけ、
それが1杯のソーヴィニョン・ブランだった。

あれは2007年の、ちょうど今時分、ある夏の終わりの暑い夜だったと思う。

僕は、友人のマサさんと神泉の立ち飲み屋にいた。

僕の手元には焼酎のロック、マサさんの手元にはグラスの白ワイン。

上京してからできた数少ない友人の彼が、
美味しそうに同じものを何度もおかわりしているのを見て、俄然、興味がわいた。

ちなみにマサさんは、長身のイケメンだ。

「…マサさん、それ、そんなにウマイんすか?」

周りに九州人はいない。

格好よく渋谷区の立ち飲み屋で、ワインをキメるなら今だ(笑)

飲んでみれば、とグラスを渡され、
一口ゴクリとやったその瞬間が、僕のターニングポイント。

それがなければ今の僕はないし、キナッセもないだろう。

「うまい!なんて爽やかで飲みやすいんだ!」

数分後に、僕も同じものを注文したのは言うまでもない。

そして、その時に飲んだ1杯の白ワインがソーヴィニョン・ブランだ。
銘柄までは覚えていないが、確かフランスのサンセール地方のものだった気がする。

こんな美味しいお酒を、飲まず嫌いで過ごしていたなんて、何て損しているんだ!

その時に「もっと知りたい」と思った。
恋愛と同じで、そう思ったその日から、ワインのことが気になりはじめた…。

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まぁ、こんな感じです(笑)
いつか、何かの雑誌で連載とかができればいいなぁと思っていたものを、
ちょっといつもと文体を変えてブログに書いてみました。

ソーヴィニョン・ブランの特徴は、青臭さや、グレープフルーツ香。

「氷結」なんかが好きな女の子になら、きっと気に入ってもらえると思います。

あの日、あのお店と友人がきっかけを作ってくれたように、
僕やキナッセも、誰かがワインを好きになるきっかけになれたらいいな。

ちなみに、キナッセが扱っているソーヴィニョン・ブランは2種類。

フランス南西地方のシャトー・ラ・レイル「ベルジュラック・セック」と、
フランスロワール地方の自然派の造り手、ティエリ・ピュズラ「ヴァンクゥール・ブラン」(写真)

前者は、青臭さやグレープフルーツ香の特徴がよく出た、
わかりやすいザッツ・ソーヴィニョン・ブランな1本。

後者は、ソーヴィニョン・ブランだと当てるのが難しいであろう、
酸味よりも果実味の溢れる、フルーティーな1本。
(09の感想です。08は微発泡していて、また印象が違いました)

※現在、日本のワインでソーヴィニョン・ブラン種を扱いたくて、
値ごろ感があって、美味しいと思えるものを探しています。
おそらく10月にリリースされる、シャトーメルシャンのマリコヴィンヤードに期待!

※うちのお店の人気No1メニュー「エビとネギのディップ」は、
ソーヴィニョン・ブランに合うように考えました。
是非、この組み合わせ、お試しを♪

$Kinasseの店長日記 ~ワインの素人、ワインを知ろうと~

休日に、なんとなく思ったこと。

先週からキナッセのワインリストが新しくなっております。

リストに載っているワインの比率は、日本と海外が半々程度。
全部で約60種類(2,500円~4,900円)です。

毎度の事ですが、お店に置くワインを選ぶのって本当に難しいです。

キナッセは、ワインの素人だった僕が、ワインを知ろうと始めたお店ですが、
飲めば飲むほど、知れば知るほど、
お店に置きたい、お客様にご紹介したいワインが増える一方で…。

そのラインナップも、自分の成長につれて、開店当初とは随分と替わりました。

当時はワイングラスはなく、デュラレックスのタンブラーでサーブするスタイルで、
価格も、特に海外のものは、グラスで500円程度で出せるものにこだわっていました。

が「旨安ワイン」「ガブ飲みワイン」系のお店も、他にたくさん出てきたり、
カクヤスさんなんかのワインのセレクトも、どんどんそれに似た感じの銘柄になり、
そこのポジションは、大手資本の会社にまかせればいいのであれば、
僕は、キナッセは、もう同じことはやらなくていいかな、と…。

だったら、あまり他のお店がやらないような、
どこにも似ていないようなお店にしていこう、と大きく舵を切ったわけです。

今までどおり「ワインの高尚なイメージ」を払拭したい気持ちは変わらないですし、
基本的には、ワインだって他のお酒と同様、
嗜好品やコレクターズアイテムなんかじゃなく、
「ただの酒。美味しけりゃ、それでいいんじゃない?」って思うんですけど、

それでも、そこに「+ちょっぴりの面白み」や、
たまに「ハッ!としたり、感動したりするワインとの出会い」
みたいなものがあった方が、絶対に楽しいですよね。

せっかく、個人が、小さなお店を、インディペンデントな立場でやるんですもん、
なんかもうちょっと、店主のインテリジェンスみたいなものが感じられるお店の方が、
来てくださる方にとっても、面白いんじゃないかなって思うんです。

今日はなんだか長々とまとまりのない文章を書いていますが、
まぁ、色々と思うところがありまして、

今は、ワイングラスは一応、リーデルを使っています。
デュラレックスのタンブラーで「カジュアルさ」を演出するのにこだわるよりも、
少しでもワインを美味しく飲んでほしいと思うようになったので。

グラスワインの値段も、改定後は最安値が600円、中心価格帯が750~850円です。

それを高いと思うか安いと思うかは、お客様次第。

生ビールも、ぶっちゃけ、はじめは400円で出していましたが、今は600円です。

毎日、サーバーを清掃し、
グラスをできるだけ飲み口の良いものに替えたり、
はじめの、少し温度のぬるい部分は捨てたり、
最初に入ってしまった泡も捨て、細かい泡を丁寧にのせていったり…。
(※9月にはビールの研修にも行ってきます!)

「1杯にどこまでこだわれるか、1杯をどこまで美味しくできるのか」
を突き詰め、やれる限りのことをやると、この値段になりました。
(※もちろん、1日に出る杯数も加味した上です)

その結果、どこで飲んでも同じビールなはずですが、
「ワインのお店なのに、ビールがスゴクおいしい!」
って、たまに言われたりするのは、本当に嬉しい。

反面、1.5倍の値上げ後に、何割かのお客様が減ったのもまた事実です。
割り切れば済むのでしょうけど、
「値段だけじゃなく、味もちゃんと比べてよ!」
と、時にやるせない気持ちになったりもします。

先日は、お二人ではじめて来店され、
グラスで5杯と、ボトルワイン1本、つまみを5品オーダーし、
お会計9,000円ちょっとをお支払いいただいたお客様に、

「キナッセ、価格戦略の失敗。高過ぎるよ。二度と来ません。」
など、他にもボロクソにネットに書かれていました…。

その方の金銭感覚に合わなかったんでしょうけど、
まぁ、あまりいい気持ちはしませんよね(苦笑)
(普段はどこで何を食べてらっしゃるんでしょう…)

もちろん僕自身も、
「飲み物に出してもいいなと思う金額」ってやっぱりあります。

よほどの状況じゃないと、生ビール1杯に1,000円は出したくないですが、
「400円で普通においしいビール」よりは、
「600円でスゴクおいしいビール」を飲食店では飲みたいと思っただけです。

それを選択しただけのこと。

いろんなことのバランスを、ギリギリでうまく保って、
お店を成立させるのって、正直、とても面倒なことだと、つくづく思います。

でも、面倒なことを、悩みながらもどれだけ楽しくやれるか、
そういうところに、個人店の魅力が出てくるのではないかな、と最近は思っています。

そんなところで、そろそろ筆を置きます。
…なんか、開店当初から値上げしたことへの言い訳になっている気も若干しますが(苦笑)

それでも、1杯だけのサク飲みなら、1,000円以下。
2杯飲んでも、1杯とパスタで軽い晩御飯にしても、1,500円程度。
置いているお店が少なく、美味しくて値ごろ感のある、日本のワインや自然派ワインの数々…。

幡ヶ谷にお住まいの方に、週1~3回くらい使っていただけるような、
一方で、遠方からわざわざお越しいただく価値のあるような、
そんなギリギリのバランスを成立させる、
素敵な、それは素敵なお店を、キナッセは目指しています♪

甲斐ワイナリーさんへ行ってきました♪

先月の終わりの6月27日(日)に、
Twitterがご縁で知り合ったお客様(と言うかもう友人みたいな感じ)達と一緒に、
山梨のワイナリーへ行って来ました。

お目当ては、「甲斐ワイナリー」さん!(僕は二度目の訪問)

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(上の写真は、甲斐ワイナリーさんの自社畑の甲州ですぶどう

去る5月の22日に、
国産ワインしばりのTwitterオフ会を開催した際、

キナッセでも扱わせていただいているワイン「かざま甲州」の造り手、
甲斐ワイナリーの風間聡一郎さんにお越しいただいたのですが、
その時に「今度、畑にお邪魔します!」とお約束していたのがきっかけ。

梅雨の最中、朝までは降っていた雨もやみ、
絶好のワイナリー巡り日和となったこの日晴れ

お忙しい中、畑2ヵ所と醸造所をがっつり見学させていただき、
ワインを買って、ワイナリーの軒先をお借りしてお弁当を食べましたナイフとフォーク

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チラッと写っている黒いラベルのワインが、
近日中に発売になる「かざま甲州 シュールリー 2009」ワイン

これがまた、美味過ぎる!

かざまさんのワインは、例えるならば「綺麗なワイン」ワイン
優しくてスイスイ飲める味わいは、まさに「美味しい水」です(笑)

その証拠に「かざま甲州 辛口 2008」を以前、
前のスタッフの岐部ちゃんと2人で飲んでて1本を15分で空けました(爆)

現在、キナッセは山梨県の甲州種の白ワインは、かざまさんのものしか扱っていません。
(その他、山形と大阪の甲州種は扱っています)

日本固有の品種である「甲州」は、もちろん数多くのワイナリーが手掛けていますし、
美味しいものも、たくさんあります。が、その中でも僕達は、
自分達が本当に惚れ込んだものだけを、お客様にご提案したいのです。

今や情報なんてインターネットなどで誰にでもすぐに手に入るし、
様々な種類のワインの銘柄をたくさん集めることは、変な話、電話1本で可能です。

ですが、種類が多いことだけが、良いことだとは僕達は思っていません。
自分がきちんと一軒いっけんのワイナリーと深く関わりあってコミットメントでき、
自信を持ってお客様にご提案できるような、何か尋ねられた場合にはアツく語れるような、
そんなワインだけを、できることならば取り扱っていきたいのです。
(なので、なかなか種類は増えていきませんが…あせる

あ、ちなみにこれが風間聡一郎さんとのツーショットチョキ

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彼は本当に真摯に畑と、葡萄と向き合って、ひたむきにワインを造っています。

そんなかざまさんのワイン、是非、キナッセで飲んでみて下さいねワイン

現在は、

かざま甲州 辛口 2009
かざま甲州 やや甘口 2009


の2種類を扱っています。

また、今週末頃から、

かざま甲州 シュール・リー 2009

が到着予定ですにひひ

※ちなみにこの日は、
 笛吹市にあるルミエールワイナリーさんの畑も見学させていただきました。

「清潔さ」からはじめよう。

「本当にキレイなお店ですねぇ目

って、よく言われます。

うっ、嬉しい…得意げ

フロアと厨房に掃除機をかけ、
テーブルや椅子、カゴ、ガラス、飾ってあるワインボトルなどあらゆるところを拭き上げ、
グラスやカトラリー、食器、厨房機器、シンクをとにかく磨くキラキラ

これが僕の日課であり、開店前の主な仕事の一つです。
よくBARの仕事の大半は磨くことだと言われますが、そのとおりかも知れません。

僕は、キナッセをオープンさせるまで、飲食店で働いたことは一度もありません。

サービスや接客も誰にも教わっていないし、
厳しい修行と研鑽を積んだシェフでもなければ、ソムリエでもありません。

そんな僕でも、丁寧に、真面目にやればすぐにでもできること、
「一流のお店と肩を並べられる」ことがあるとすれば、
それは、お店の「清潔さ」だと思うんです。

だからこそ、そこだけはどこにも負けないくらい一生懸命やりたいのですグー

パリの三ツ星レストラン「ヴィヴァロワ」のオーナーも、一日中、掃除をしていると、
斉須政雄さんが書いた、「調理場という戦場」という本で目にした時、
「ああ、僕は間違ってない!」と嬉しくなったものです。

ちなみに、この本には斉須さんのお店「コート・ドール」の厨房の写真も掲載されていますが、
これが、うちのお店よりも、はるかにピカピカなんです!

うちはまだまだ、目の行き届いてない部分もあります。
言い訳をすれば、今は僕が料理の仕込みなどもやっているため、時間的な問題もあります。
ですが「いつかは、うちもこのくらいまで!」と思ってやっています。

まずは、そこからはじめたいし、そこは忘れたくないものです得意げ

1周年感謝祭!

こんにちはー!6月もスタートしましたね♪

Kinasseでは1周年を記念いたしまして、感謝祭チョキを開催致します!

6月4日(金)~6日(日)までの3日間に限り、

グラスワイン…300円!ワイン

グラスワイン…500円!ワイン

ワイン飲み放題…2,500円!クラッカー

にて、ワイワイと盛り上がっていただければと思います!!

それぞれの対象ワインは、これから最終、詰めますあせる

間に合えばブログでも告知しますが、
間に合わない場合は、店頭でご確認下さい~DASH!