ツール・ド・ランカウイは後半ステージへ。
第5ステージは今大会唯一の山岳ステージにして、最も注目される1日でした。
名峰・キャメロンハイランドの頂上に設けられたフィニッシュを目指して、KINAN Cycling Teamは果敢に戦いました。
それでは、チームの戦いぶりを数々の写真と合わせてご覧いただきましょう。
レポートは3月22日付メディアリリースと同文となります。
キャメロンハイランドの頂上にフィニッシュするトマ・ルバ
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ツール・ド・ランカウイ2018第5ステージでトマ・ルバが5位
アジアの名峰・キャメロンハイランドで個人総合争いを展開
22nd March 2018
●ツール・ド・ランカウイ(Le Tour de Langkawi、UCIアジアツアー2.HC)
第5ステージ ベントン(Bentong)~キャメロンハイランド(Cameron Highlands) 169.4km
●KINAN Cycling Team出場選手
マレーシアで行われているアジア最大級のステージレース、ツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)は、3月22日に第5ステージを実施。
今大会のクイーンステージと目された、超級山岳・キャメロンハイランドの頂上を目指したレースで、KINAN Cycling Teamはトマ・ルバがステージ5位フィニッシュ。
個人総合で6位としたほか、チーム総合でも3位に浮上。
好ポジションで残る3ステージに進むこととなった。
マレー半島をめぐる戦いは折り返しを過ぎ、後半戦へと突入。
平坦ステージが多くを占める今大会にあって、唯一の山岳ステージがこの日に設けられた。
内陸のベントンをスタートし北上。フィニッシュはアジアの名峰ともいわれるキャメロンハイランド。
この大会では数々の名勝負が生まれた地で、新たな歴史が刻まれることとなった。
スタートからしばらくは平坦区間。
3カ所のスプリントポイントを通過したのち、山岳地帯へと入っていく。
以降は約50kmにわたって上りが続く。
158km地点に1級山岳が設定され、さらに約11km上ってキャメロンハイランドへと到達する。
フィニッシュ地点は標高1430m。
上りにはときおり10%近い勾配も待ち受けており、完全クライマー向けのコースレイアウト。
KINAN Cycling Teamは前日の第4ステージまでを終えて、トマ・ルバが個人総合8位につける。
トップとは1分27秒差。
さらに3秒差に多くの選手がひしめいており、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラもこの中に含まれている。
第5ステージに臨んだ5選手
迎えたレースは、この日最初のスプリントポイントのある27.1kmまでは逃げが容認されなかったが、これを通過後に6人が逃げを開始。
KINAN勢はこの動きを見送り、メイン集団内でレースを進める。
逃げグループとのタイム差は約3分を境に縮小傾向となっていく。
隊列を組んで集団内を走るKINAN Cycling Teamのメンバー
平坦区間では淡々と進行したが、山岳に入り動きが激しくなる。
逃げグループは人数を減らしながらも粘る一方で、メイン集団でも1級山岳の上りでアタックが次々と発生し、トマがこれに乗じる。
集団から飛び出した1人を、トマを含む8選手が追いかける展開となる。
やがて逃げていた選手たちは脱落。
総合争いにつながる勝負がいよいよ本格化した。
トマらの追走グループは懸命にペースを上げるが、先頭との差は1分30秒前後で推移。
結局、その差は大きくは変動せず、独走を許すこととなった。
そしてトマたちも上位進出をかけて激しいつばぜり合い。
最終局面はアタックの応酬から数十秒ごとの間隔で次々とフィニッシュへとなだれ込む形となり、トマはトップから1分1秒差の5位でこのステージを終えた。
トマ・ルバはステージ5位に悔しそうな表情を浮かべる
トマに続き、マルコスが1分19秒差の11位、この2人を前方へと送り出したサルバドールが2分20秒差の32位。
落車に見舞われながら、集団復帰しアシストをこなした中西健児、上りの入口までトマらのケアに努めた山本元喜もそれぞれグルペットで走り切っている。
フィニッシュ直後の3選手。思い思いにレースを振り返る
このステージの結果が総合成績に大きく反映され、チーム最上位のトマが総合で2つ順位を上げて6位に浮上。
トップとは1分8秒差。
マルコスが12位、サルバドールは27位で続く。
各ステージのチーム内上位3選手のフィニッシュタイム合算によって順位づけられるチーム総合では、この3人の走りが奏功し3位にジャンプアップしている。
役割を終えてグルペットでフィニッシュした山本元喜
23日に行われる第6ステージは、タパー(Tapah)をスタートし、タンジュン・マリム(Tanjung Malim)にフィニッシュする、今大会の最短ステージの108.5km。
中盤までは平坦が続くが、67.3km地点にこのステージ唯一の上りとなる1級山岳が登場。
その後は再び平坦区間となる。
KINAN勢としては残る3ステージでトマを中心とした個人総合、そしてチーム総合と、順位を上げるべくトライを続けることになる。
第6ステージは、その足掛かりとなるポイントの1日となりそうだ。
ツール・ド・ランカウイ第5ステージ結果(169.4km)
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 4時間24分29秒
2 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +28秒
3 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +55秒
4 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +1分1秒
5 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
6 アルバロラウル・ドゥアルテ(コロンビア、フォルカアムスキンズレーシング) +1分2秒
11 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分19秒
32 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
87 中西健児(KINAN Cycling Team) +15分49秒
105 山本元喜(KINAN Cycling Team) +24分18秒
個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 21時間21分34秒
2 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +59秒
4 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +1分1秒
5 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +1分7秒
6 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分8秒
12 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分29秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
114 山本元喜(KINAN Cycling Team) +44分45秒
115 中西健児(KINAN Cycling Team) +45分50秒
ベストアジアンライダー
1 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 21時間22分41秒
50 山本元喜(KINAN Cycling Team) +43分38秒
51 中西健児(KINAN Cycling Team) +44分43秒
スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 43pts
14 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 11pts
山岳賞
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 40pts
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
20 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts
チーム総合
1 トレンガヌサイクリングチーム 64時間7分41秒
3 KINAN Cycling Team +2分11秒
●選手コメント
・トマ・ルバ
「ステージ優勝した選手がただただ強かった。1つ目の山岳からアタックを繰り返して、とにかく前を追ったが、彼はとても速かった。個人としては全力を尽くしたし、結果にも後悔はしていない。
マルコスやサルバドールとは今シーズン初めて一緒のレースに臨んでいるが、互いに意見を出し合って走ることができている。今日も連携はよかった。
残る3ステージについては、できることを繰り返していくだけだ。体調も日々よくなっていて、走りの感触も問題ない。この先に控えるレースにも確実につながっていくと思っている」
トマ・ルバのフィニッシュ直後の表情
【Gallery】
PowerDrink「Challenger」をペットボトルに溶かすマルコス・ガルシア
マルコス・ガルシアとサルバドール・グアルディオラの両スペイン人選手が談笑
降壇する選手たち
第5ステージの出走サインボード。141から146がKINAN Cycling Team
UCIコミッセールによるバイクの重量チェック。ランダムに選手が抽出される
集団内を走るマルコス・ガルシア
地元の子供にボトルをプレゼント
レース途中に落車した中西健児。フィニッシュ後に傷を確認する
ホテル出発前に打ち合わせをする石田哲也監督と中山直紀メカニック
KTテープを貼る森川健一郎マッサー
アスリチューンをチャージする中西健児
ジャージに袖を通すマルコス・ガルシア
中西健児と山本元喜が入念にコースチェックを行う
UVEX製アイウェアを装着するトマ・ルバ
出走サインを行うマルコス・ガルシア
スタート直前、笑みをたたえるトマ・ルバ
マルコス・ガルシアはカメラを見つけてサムズアップ
アシストとして貢献した山本元喜
フィードゾーンを通過するプロトン
Report, Photos, Edit: Syunsuke FUKUMITSU
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