吉村知事はガス爆発でも開き直り「他区域ではガスが出ない」と大嘘! 地下鉄工事でメタンガス確認、大阪市も発生可能性認めたのに
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ついに開幕まで1年を切った大阪・関西万博。
パビリオン建設の遅れや入場チケットの販売低迷など問題が山積しているが、そんななかでも目立っているのが吉村洋文・大阪府知事の“放言”問題だ。
吉村知事といえば「玉川徹は出禁」発言で大顰蹙を買ったものの、当初は「出禁にする権限がまったくないという前提での発言」などと述べて開き直り。
ところが、国会の衆院内閣委員会において経産省が「理事会の目的に沿うものであれば議事の提案をおこなうことは可能」と答弁をおこなったことで、吉村知事の発言が嘘であったことが判明。
橋下徹氏からも「政治的な発言を超えている」などと苦言を呈されたことで、渋々「不適切な発言だった」と認めて謝罪をおこなった。
だが、その舌の根も乾かぬうちに、吉村知事はまたも新たな嘘をついた疑惑が持たれている。
しかも、公共の電波を使って、だ。
吉村知事の問題発言が飛び出したのは、13日に放送された『ウェークアップ』(読売テレビ)。
この日、番組は万博会場から生放送がおこなわれ、吉村知事も出演したのだが、そのなかで番組MCの中谷しのぶアナウンサーは、3月末に万博会場予定地で発生したガス爆発事故に言及した。
この事故については本サイトでもお伝えしたが、
3月28日午前11時ごろ、万博会場予定地の北西側の「グリーンワールド」工区で、開幕中に使用されるトイレの建屋の溶接作業をおこなっていたところ、火花がガスに引火し、トイレの床およそ100平方メートルを破損するガス爆発事故が発生。
万博協会によると、地下の空間にたまっていたメタンガスに引火したことが原因とみられているという。
このガス爆発事故について、中谷アナが「原因と再発は大丈夫なんでしょうか?」と問うと、吉村知事は「いま、原因を調査している」「安全が確認されてから再開する。工事を安全に進めるというのは何より大切なこと」と回答。
だが、問題はこのあと。中谷アナが「(ガス爆発が起きた)区域以外の会場内全体に可能性があるわけでないということ?」と質問すると、吉村知事は「そうです」と断言。
さらに、こうつづけたのだ。
「パビリオンが立っているところは、下に埋まっているのは土、土砂ですので、そういったガスが出ないんですけど、(事故が起こった)北側のグリーンエリアはもともと一般廃棄物を埋めているところなので、そこではもともとガスが出るというのは、みんなわかっているんですね。
なので、それを外に出すということをやっているんですけれど、ここは安全に工事を進めていこうと。原因はより究明した上で、工事の安全を徹底したいと思います」
爆発が起きているのに「もともとガスが出るというのはみんなわかっている」とは信じられない開き直りぶりだが、もっと問題なのは、ガス爆発事故が起こった区域以外では事故の可能性はない、パビリオンが立っているところではガスは出ない、と断言したことだ。
吉村知事「他区域で爆発の可能性はない」発言は嘘! 大阪市職員も1区以外でも発生する可能性認める
ガス爆発事故が起こった区域以外では、事故の可能性はない。
パビリオンが立っているところでは、ガスは出ない──。
これは明らかな「嘘」だ。
まず、吉村知事は「パビリオンの下に埋まっているのは土、土砂なのでガスが出ない」と述べたが、パビリオンが立てられているエリアは、浚渫(しゅんせつ)土砂や陸上発生残土の処分地だった。
一般的に浚渫土砂は海底や川底に溜まった土砂からなるが、そこに含まれた有機物が嫌気性発酵をすれば、メタンガスが発生する可能性がある。
少なくとも「ガスが出ない」とはまったく言い切れないのだ。
実際、4月2日には、日本共産党の辰巳孝太郎・元参院議員らが大阪市環境局の担当者に対して聞き取り調査を実施したが、その際、大阪市側は「1区以外でもしゅんせつ土砂を使っているところがある」とし、〈1区以外でも発生する可能性を認め〉たという(しんぶん赤旗3日付)。
いや、そればかりか、万博会場予定地近辺では、ガス爆発事故が起こったエリア以外でも、すでにメタンガスの発生が確認されているのだ。
ガス爆発事故が起こったのは夢洲1区と呼ばれるエリアで、パビリオンが立てられるのはその隣の夢洲2区というエリアなのだが、現在、夢洲2区からIR予定地あたりにかけて地下鉄を整備するための工事(0.9キロ区間)がおこなわれている。
じつは、この工事場所周辺でメタンガスが見つかっており、2022年1月には爆発防止対策として追加費用が上乗せされているのだ。
たとえば、大阪港湾局が作成した資料においても、〈詳細設計における土質調査において、シールド掘進範囲の地中にメタンガスの存在が明らかとなり、シールド工法設備を防爆対策とする必要性が判明〉と説明。
費用増加について報じた2022年1月28日付の東京新聞では、〈地中の工事場所周辺で見つかったメタンガスを、真空状態で外に出すことも必要になった。空気に触れて工事の火花などが引火すれば、大事故が避けられないためだ〉と伝えている。
地下鉄は日本館などのパビリオンが並び立つエリアの真横の地中を走るが、その地下鉄工事でもメタンガスの発生が確認されているのだ。
にもかかわらず、吉村知事は「万博会場ではガス爆発事故の可能性はない」「パビリオンが立っているところではガスは出ない」などと断言したのである。
あまりにも無責任ではないか。
吉村知事の呆れた強弁!「もともとガスが出るのはわかっている」 じゃあそんな場所になぜ…
しかし、問題はこれだけではない。
そもそも、ガス爆発事故が起こった夢洲1区について、吉村知事は「もともとガスが出るというのは、みんなわかっているんですね」などと述べたが、そのような場所に万博協会は屋外イベント広場やエントランス広場といった〈大人数が滞留することのできる開けた空間〉(万博協会資料より)をつくろうとしているのだ。
いくら「安全が確認されてから再開する」「安全に工事を進めていく」などと繰り返そうとも、ガスが出つづけているような場所に人を集めようとしていること自体が問題ではないのか。
しかも、万博協会は現在にいたるまで、このガス爆発事故についての会見をおこなっていない。
「安全」を連呼するのであれば、吉村知事は万博協会の副会長として会見を実施し、まずは事故について説明をするのが筋だ。
ところが、いまだに会見を開くこともなく、挙げ句、テレビ番組に出演して「パビリオンが立っているところではガスは出ない」などと証拠を提示することもなく断言する──。
これまでも「うがい薬がコロナに効く」だの「大阪産ワクチン」だのとぶち上げるだけぶち上げて、何の成果も得られないまま終わると何もなかったかのように知らんぷりを決め込んできた吉村知事だが、今回は子どもたちが動員される万博会場で爆発事故が起きかねないという、人命がかかった重大問題だ。
このような無責任な放言を、これ以上、放置するわけにはいかないだろう。
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