英国の綺麗ごと=理想主義がぶっ壊れる | きなこのブログ

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日本を明るい未来へ…

[1943]イギリスのEU離脱について。 それと私の新刊本が明日、発売です。
http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

私の最新刊の 「トランプ大統領 と アメリカの真実」(日本文芸社刊)が、明日(30日)から発売されます。

今、今日のぼやき の方で宣伝しています。そちらをお読みください。

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私、副島隆彦が、渾身の情熱を込めて書いた本であり、日本人としては最大量の情報を集めて書いたから、きっと日本人にとって重要な本です。買って読んでください。

「英国民投票、「離脱派」勝利 51.9%獲得、選管発表」 (2016年6月24日 日本時間 午後3時)

「日経平均、終値1286円安 16年2カ月ぶり下げ幅」 (6月24日)

私は、6月23日に投票があったイギリスの国民投票(ナショナル・レファレンダム)でのEU離脱派の勝利(51.95%の過半数)を、24日の昼頃知った。急いで何か書かないと、思いながら、翌日24日の 世界の株式の連鎖暴落を、24日(金)の金融市場の反応として知った。

日本の株も、1300円ぐらい下げて、日経平均が15,000円を割った。

暴落がさらに続いて、12,000円台とかにまで落ちると、安倍政権が危なくなる。

GPIF(ジー・ピー・アイ・エフ。 かつては悪名高い年福=ねんぷく=事業団)という日本国民の140兆円の年金の運用 (本当は、他にまだ600兆円ぐらい隠している)を、馬鹿が、やめとけばいいのに、株式投資から生み出そうとして大失敗している。

また評価損が、8兆円とか出ただろう。

それらの累積の損はどこかに、隠し続けている。

「GPIFは、これまでに(15年間で)40兆円 儲(もう)かって来た」の一点張りだ。

年金の減額が、激しく起こるようになったら、日本の老人たちが騒ぎ出す。

そして飢えている、失業者たちが騒ぎ出す。

私は、イギリスのEU離脱(BREXIT ブ「レ(エ)」グジット。Britain Exit ブリトン・エグジットの略。このE は、明瞭な「エ」で発声する)は、衰退するイギリスの運命だと思っている。

だがいくら今更(いまさら)「EU=本当は、ヨーロッパ同盟=から出てゆく」と言っても、出て行きようがない。

だらだらと、このまま、いつものヨーロッパ人の29か国の首脳(指導者)たちの、いつもながらの会議ばっかりが続く。

今朝のBBCで、イギリス独立党(極右翼政党。ユダヤ人排斥を言わない民族主義に純化したことで国民政党に成長した)ナイジェル・ファラージュ党首(同性愛者)がEU議会の会員でもあるから、

「あなたたち、このEU議会の議員たちは、(威張っていて、ヨーロッパ各国の貴族さまの血筋の人たちだと私は知っているが)、何か仕事をしているのか」

と、嫌味を言って、反発の怒号と顰蹙を買っていた。

フランスのマリーヌ・ルペン女史(国民戦線、右翼政党 )が、ファラージュの肩を持った。

「スコットランドと 北アイルランドは、ブリテイン(イングランド)から離れてでも(分離独立に近い)自分たちはヨーロッパ人でありたい(EUに留まる)」と発言したスコットランドの議員が、拍手喝さいを受けていた。

「イギリス(イングリッシュ)のEU離脱」

とは、唯(ただ)一点、

「移民(マイグラント、経済難民)及び 政治難民(レフュジー refugees )が、これ以上、イギリスに定住しないでくれ」

という、イギリス人の保守派の人々の叫び声だ。

このことを、どこの国のテレビ局の大新聞も、言わない、書かない。活字にしない。

イギリス国民の多くは、「もうこれ以上、貧乏な有色人種(カラード・ピ-ポー coloured people )がイギリスに入り込んで来ないでくれ」と願っているのだ。

アラブ人イスラム教徒も、西インド諸島(カリブ海)を中心とする真っ黒い顔をした子供たちや、北アフリカの黒人も、インド人、パキスタン人も、その他のアジア人種も、もうイギリスに移住してこないでくれ。

さらには、最近増えている、東ヨーロッパ各国からの一応、白人の移住者たちが、EUが出来てから増えている。

「この一応白人の失業者たちも、さっさと自国に帰ってくれ」とイギリス国民は願っている。

この一点だ。

それ以外のことでは、EU離脱をしても何もいいことはない、と皆、分かっている。

EUに拠出しているイギリスからの負担金を、出さないで、国内の医療費に回せ、とファラージュたちは言っている。

イギリスの公立小学校や中学校で、もう、クラスの半分ぐらいが西インド諸島黒人で、彼ら 黒んぼ(あるいはクロちゃん) の 少年少女が、” I’m English . “ 「私は、イギリス人よ」と言うのを周(まわ)りの白人たちが聞いて、げんなり、がっくりしているのだ。

しかし、それは口に出しては言えない。

「イギリスは、白人の国だ。有色人種は出ていけ」 と言うと、人種差別主義(レイシズム。レイシアル・ディスクミネイション)になって、自分が、人種差別主義者の悪人(あくにん、わるもの)になってしまう。 

人は誰も、自分が、悪人、わるもの、悪漢、ゴロツキだとは、思いたくないし、そう言われたくもない。

まわりから見たら、相当に悪い人間だ、と見られていても、自分ではそうは思っていない。

自分のことを、いい人だ、と皆思って、生きている。

この「もう白人(だけの)国家でなくなっている」厳しい現実の原因を作ったのは、自分たちだ。

原因は、まさしく16世紀(1500年代)からの、“海、海洋、外洋船、航海(ナビゲイション) の時代”で、

植民地主義(コロニアリズム)の300年間で、世界中の主要地を、植民地にして搾取し、

それがさらに高度化、発達して20世紀(1900年代)からの帝国主義(インペリアリズム)で、

世界中を、西欧列強(せいおうれっきょう。ヨーロピアン・パウアズ European powers )が分割支配、再分割の戦争をしたからだ。

だから「植民地も本国と同じ。平等に取り扱う」という法律が出来て、どんどん、あるいは、じわじわと有色人種が入り込んで来るようになった。

その数が、イギリスとフランスは、それぞれ450万人ずつ居る。もっと増えている。

イギリスとフランスの人口は同じで、どちらも6400万人だ。

ドイツは、8200万人の人口でトルコ人出稼ぎ者(移民)でもう3代ドイツにいるというトルコ人(イスラム教徒)が人口の13%というから、ちょうど1000万人いる。

そして、今度の、シリアと北イラクからの政治難民(レフュジーズ)が100万人だ。

それらのことを、イギリス人も西欧人も、よく分かっている。

だから、「もう、これ以上入ってこないでくれ。お願いだから」と、哀願、愁訴、嘆願している。

もうこれ以上、有色人種の移民たちに、社会福祉(ソシアル・ウエルフェア)に費用を出す余裕はないのだ、と喚(わめ)いているに等しい。

だが、これらのことは活字にはならない。

テレビ、新聞は白(しら)けて書かない。 

移民たちが集住する大都市の貧民区(かつてのゲットー)の映像だけは流すようになった。

だが、それでも、経済法則(エコノミック・ラー)に従って、貧しい、食い詰め者の移民たちは、どんどん入り込んでくる。 

今、世界は、いや、先進国は、それとの闘いだ。

昔は、戦前も戦後も、「人種を混ぜよ。どんどん移民させよ」という思想が、蔓延していて、各国政府が、移民を自ら、奨励、勧奨して、ひとり3万ドル(400万円)ぐらいの支援金を出して、移民させた。

日本の場合は、ハワイと北アメリカの次は、ブラジルなどの南米に農業移民をさせた。

それが、世界的にうまくゆかなかった。

いろいろと人種間の抗争の原因となった。

だから、今は、「もう人種を混ぜるな。移民を奨励するな」の時代になった。

「民衆を動かすもの、観光旅行までにさせておけ。出稼ぎも5年ぐらいで帰らせろ」になっている。

イギリスもアメリカと同じで、白人比率がどんどん下がっている。

だから、ドナルド・トランプが、わざとスコットランドに、この時期に行って、ルパート・マードック( オーストラリア出身で、イギリスの ザ・タイムズ紙やアメリカのFOXチャンネルを買収したメディア王 )と25日に会った。

そして、トランプは、「イギリス国民の選択はすばらしい。アメリカ(白人)国民も同じ考えです」と発表した。

マードックにしてみれば、2年前に、雑誌出版事業のことで、イングリッシュが自分を、差別して痛めつけたことへの復讐、反撃もあるから、トランプと会談して支持を表明した。

私、副島隆彦は、ここで思い出すのだが、日本では、この移民(流入)政策において、30年前から、現実主義 的な、「アジア諸国からの移民を入れない。流入させない」政策を、外務省と法務省が、中心となって、意地汚いまでに、優れた対応をやってきた。

その金字塔(きんじとう)になった本がある。

それは、『戦略的「鎖国」論』 西尾幹二(にしおかんじ)著である。

講談社から、1988年に出された本だ。

保守言論人の西尾幹二(にしおかんじ)氏に、大きな先見の明があった、ということになる。

だから、この本を、あらためて称揚(しょうよう)しなければいけない。

日本人は、この移民流入を阻止する、という島国政策において、すばらしく、人種差別的で、泥臭いまでに現実対応の政策を、国民に議論させる前から、着々とやってきた。

私は、この西尾幹二の「(日本は、移民問題では)戦略的(に)鎖国(せよ)論」を今から、取り上げて、詳しく論じたい。が、今日は出来ない。

出入国管理(しゅつにゅうごくかんり)の行政を、日本が、どれぐらい官僚統制(かんりょうとうせい)で、厳格にやってきたかを詳しく説明したい。が、今日は出来ない。

トルコ人の出稼ぎ労働者が下層の、現場の、きつい、きたない仕事をするから、ドイツはものすごく綺麗で清潔な国だ。

しかし、そのままトルコ人やイスラム教徒が、居ついてくれるな、というドイツ政府の苦し紛れの政策が続いている。

西尾幹二は、ドイツの現実を見て、早くも1988年にこの本を書いた。

それで、外務省官僚 たちから絶賛された。

それで、西尾に栄誉(ご褒美)を与えて中央教育審議会の委員にした。

そしたら、西尾が、その教育問題の政府の大きな審議会で暴れだして、官僚たちの作文を否定して、さんざん官僚さまたちに迷惑をかけた。

それで、西尾は追い出された。

私、副島隆彦は、イギリスのEU離脱問題(BREXIT)については、もっと深い、イギリス保守党内部の、一番、奥深いところにいる「反EU」の、貴族さま (Tory 王党派とトーリーの伝統)たちの動きを凝視している。

表面のイギリス保守党は、キャメロン首相が、EU残留を言いづづけたので、即座に、辞任表明(それでも、10月までやる気だ)した。

しかしイギリス保守党の「奥の院」には、全く別の思想と意思がある。

かつてのマギー・サッチャー首相(女傑)の「EU加盟、反対」の勢力である。

このことは、今日はもう書けない。

私は、大きくは、イギリスももはや、「移民流入反対」(シェンゲン協定を認めず。国境や、列車の中でも、外国人へのパスポート・チェックを復活する)以外では、大きく譲歩するしかない。

ヨーロッパ人は、もう、分裂しようがないのだ。

いまさら、ユーロという統一通貨をなしにはできない。

ギリシアでさえ、ユーロ通貨からの離脱は何があってもできない。

ヨーロッパは、合計で5億人だ。 

高速鉄道で2時間も走れば、隣の国に付く。

そんな人口が700万人程度の、スイスやオーストリアなどの チビコロ(ちびすけ)国家が、何が国家か。

日本の埼玉県や千葉県と同じ人口ではないか。

そんな小さな国の連合体がEUである ヨーロッパ人が、何か騒ごうが、何をやろうが、それが根源的なところで、世界に影響を与えることはない。

表面だけの大騒ぎだ。

白人中心主義の白人文明の考え方だ。

白人さまたち の世界をそのままほっておいて、世界は勝手に動いてゆく。

西欧文明が、すばらしかったのは、1500年代(16世紀、ヨーロッパ近代=モダーン=の始まり)からの、たった500年間の話だ。 

その500年間の白人中心主義が今、終わろうとしている。

どれだけ威張っていても、自分たち西洋白人たちが作った、諸人権(しょじんんけん)、と平等主義(エガリタリアニズム)と、貧困者救済、と デモクラシー(民主政治)などの、荘厳な人権宣言(デクララシオン・ド・ ラ・オンム)の綺麗ごと=理想主義の理念が、私たちの目の前で、ぶっ壊れつつある

そんなものに振り回される振りなど、やっている暇は私には、ない。

私、副島隆彦は、もっと冷酷に、大きな世界の動きを見ている。

副島隆彦拝



『トランプ大統領とアメリカの真実』(副島隆彦著、日本文芸社、2016年7月)を是非お読みください
http://suinikki.blog.jp/archives/62488757.html


英国EU離脱で欧米支配層は反撃へ 3