[ファイナンシャル・タイムズ]ズビグネフ・ブレジンスキー:シリアにおいて、ロシアはアメリカに敵対するのではなく、協力すべきだ
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=99641
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=99641
「ブレジンスキーからプーチンへ 我々のアルカイダを攻撃すれば第三次世界大戦だ」
http://www.veteranstoday.com/2015/10/06/zbig2putin/
http://www.veteranstoday.com/2015/10/06/zbig2putin/
と題されたベテランズ・トゥデイの記事の翻訳を提案していただきました。
現在、こちらの記事は、
嗚呼、悲しいではないか!様
http://ameblo.jp/jicchoku/entry-12082191424.html
http://ameblo.jp/jicchoku/entry-12082191424.html
のところで翻訳されています。
ここでは話題になっている、ブレジンスキーがファイナンシャル・タイムズに寄稿した元記事を翻訳しています。
CSISでブレジンスキーの元同僚だったポール・クレイグ・ロバーツ氏が
「実際にはロシアが情況を掌握し、国際法に従っており、正しいことをしているのだから
“シリアで、アメリカは、ロシアに対抗するのでなく、協力すべきだ”」
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-e8b4.html
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-e8b4.html
と見事なブーメランを返しています。
オバマを操る老獪ズビグネフ・ブレジンスキーが2015年10月4日付で英国ファイナンシャル・タイムズ紙に発表した脅迫文…じゃなかった、“見解”です。
しょっぱなの一文から第三次世界大戦の開戦を匂わせ、中東の
「さらなる紛争」
「さらなる暴力」
「さらなる混沌」
と、事態を悪化させてやる可能性をしつこく念押し。
どうやらロシアを脅せるだけの権力をお持ちのようで(と勘違いしている模様)、読めば読むほどに「こいつ何様(怒)」な上から目線の文章です。
生涯をかけてロシアを呪詛し続けて来た特権階級の執念深~いお坊ちゃまですから、まぁ仕方ないのかもしれません。
ロシア憎しで書かれた感情的な文章なので、シリアにいるのがアメリカが送り込んだ“要員”だとか“アセット”だとか、あっちこっちで見事にボロ出しまくって話題になっとります。
元締めが大っぴらに悪事を認めちゃってええんかいな(笑)。
自分は法を超越した存在だと踏ん反り返っているのが大変よく伝わってきます。
アメリカとの「協力」って要するに「ロシアごときはオレ様の言う事を黙って聞いとけ!」ってことだし、
「非武装化」ってよーするに「ロシア軍壊滅させるよ?」ってことだし、
「一国の利害に囚われず」とか(つまりアサドのシリアは潰す)、ほんまに何様じゃ。
追い詰められた負け犬のウォークアウト直前の遠吠えであることを望みます。
ちなみに【 】内は翻訳者の追記です。
シリアにおいて、ロシアはアメリカに敵対するのではなく、協力すべきだ
転載元より翻訳) Penny for your thoughts 15/10/5
http://pennyforyourthoughts2.blogspot.jp/2015/10/brzezinski-obama-should-retaliate-if.html
http://pennyforyourthoughts2.blogspot.jp/2015/10/brzezinski-obama-should-retaliate-if.html
Zbigniew Brzezinski
October 4, 2015 7:55 pm
このような問題を解決するためには、モスクワが我々と共に行動するよう説得せねばならない、とズビグネフ・ブレジンスキーが執筆。
個々の暴力的行動が積もりに積もって、包括的な戦略的指揮もなければ大局的に明確な目的も持たない非可逆的な軍事作戦へと突き動かしたのだ。
それから先は歴史が記憶している
:戦勝国が事後的に作り上げた野心的なゴール達成のための4年間に及ぶ殺戮を。
今回は中東、よりはっきり言うとシリアにおいて爆発しかけている、苦難に満ちたこの繰り返しを避ける時間はまだ残されている。
私はシリアの悲劇において軍事力を行使しないというバラク・オバマ大統領の当初の決定には賛成していた。
バッシャール・アル=アサド大統領を政権から排除することにアメリカの力を行使することは―中東の我々の友人の一部がひどく熱心に擁護していた話だが―シリアとアメリカ両国のどちらにおいても国内の真の合意が得られていない状況では、全く意味をなさなかったからだ。
おまけに、我々が好むと好まざるとに関わらず、アサド氏は政権を譲り渡すべきだというワシントンの強い要望を聞き入れようとすることも、力を持った民主的な抵抗勢力を結成しようとするアメリカの急ごしらえの試みの数々に脅えることもしなかった。
しかしながらそれ以降、イランとの大変困難な核協議において変化の兆しが見られた。
アメリカとロシアのどちらもが障碍を乗り越えるべく他の主要な国々と協力し合ったのだ。
だからこそ、次にシリア問題に取り組む時には、その試みは一新されるだろうと期待したものである。
次こそは中国やロシアといった重要な加盟国の助けを得られるであろう、と。
だというのに、モスクワは軍事介入を選択してしまった。
効果的でなかったにせよアサド氏を転覆させる努力を真っ向から重ねてきた筆頭の外国勢力たるアメリカとの政治的ないしは戦略的協調なしに、だ。
そのせいでロシアは、アメリカの人々によって経済支援され訓練され装備されたシリアの要員への空爆を開始し、損害を与え犠牲者を出したとされている。
贔屓目に見たとしても、これではロシア軍の無能さを露呈したにすぎない。
最悪の場合、アメリカの政治的虚弱さを際立たせようとする危険な願望の証左といったところだろうか。
どちらにせよ、当該地域の未来と中東の国々のアメリカに対する信頼、このどちらもが危機に直面している。
このような急速に展開していっている状況下においては、もし当該地域での自らのより幅広い影響力を死守しようとするならば、アメリカに残されている現実的な選択肢は1つしかない
: アメリカの資産【※諜報活動では手駒として動かせる協力者を自分たちの“アセット(=資産)”と呼んでいる】に直接影響を与えるような軍事行動を即刻停止し、手を引くようにモスクワに伝えるのだ。
もしロシアがアサド氏を支持したいのであれば、好きにするがよかろう―だがしかし、このような出来事が再び繰り返されるならば、アメリカからの報復を誘因すると覚悟すべきだ。
シリア内のロシア海軍および空軍の駐留は、脆弱かつ地理的に自らの祖国から孤立している。
アメリカを挑発することに固執するのであれば、彼らは“非武装化”されることになるだろう。
あるいはより良い道として、一国の利害に囚われずに地域全体の問題を幅広く解決すべく、アメリカと協調しようとの説得にロシアも応じるかもしれない。
中東におけるアメリカとロシアの政治的そして軍事的協同が叶えば、たとえそれが限られた僅かなものであったとしても、地政学的な発展を好ましい方向へと促進させることだろう。
つまり、中東のさらなる爆発を抑え込むための中国による建設的な関与である。
北京は中東のさらなる紛争悪化を阻止したがるだけの重要な経済的利権を抱えている。
混沌がさらに広がることを阻止するに止まらず、地域内の自らの影響力を増大させたいという心づもりがある筈だ。
【旧宗主国の】フランスやイギリスはもはや中東における決定的な役割を演じることは出来まい。
アメリカもそのような役割を単独で担うことは重荷に感じている。
地域それ自体は宗教的に、政治的に、民族的に、領土的に反目し合っており、さらなる暴力へと陥りかけている。
このような状況では外部からの支援は必要不可欠だが、だからといって新たな形での新植民地主義的支配を意味するわけではない。
求められているのは、新たな形での地域の安定を達成すべく頭脳的かつ毅然と行使される、アメリカの力なのだ。
中国からすれば傍観者を決め込む方が望ましいのは間違いない。
その方が後でおこぼれを拾い上げるのに有利だとさえ計算しているのかもしれない。
だがこの地域の混沌はすぐさま北西へと広がり、やがては中央および北西アジアまで飲み込むこととなるであろう。
ロシアも、そしてその次には中国も、不利な立場に立たされることになるだろう。
だがしかし、アメリカの利権とアメリカの友人たち―地域の安定は言うまでもなく―も共に苦しむことになるのだ。
それゆえにこそ、戦略的な大胆さを選び取る時が今まさに迫っている。
※この記事の作者はジミー・カーター元大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めていました。
翻訳:Yutika