非正規総理 が 非正規労働者 を苦しめる | きなこのブログ

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派遣労働者資格制度案は、雇用流動性と低賃金化を労働者に我慢してもらうための方便ではないのか?
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/


安部の新成長戦略に非正規雇用を対象にした新たな「資格制度」案が計画されている。


具体的には厚労省お墨付きの業界団体が非正規の「働きぶり」を評価し、上級、中級、初級の3段階の資格を与えるというものだ。


その3階級の資格とは、『上、中、下』、『特上、上、並』あるいは『松、竹、梅』(笑)という商品(=料理=食われる労働者)グレードの違いなのか。


だとしたら、その3段階に分けて、賃金の待遇や雇用持続性の担保が与えられるということなのか。


そうであるなら、それなりの理解はできるのだが、印象では「上級」で頑張れば、正社員登用への道が近づくという、はなはだ曖昧模糊とした話らしい。


ならば中級や初級の階級分類にはどんな意味があるというのだ。


重要なことは、非正規社員に3段階資格を与えても、雇用する側の企業にとっては何の意味も持たないということだ。


企業側の論理としては、働く側が時間当たりに可能な限り効率よく働いて労働生産性を高めてくれればそれでいいのであって、そのことや労働者の労働成果が、下方圧力にある賃金体系に影響することはない。


重要なことは、政府と企業がコラボしている現政権にあっては、企業側の低賃金化要求という流れは決して変わらないということだ。


これが怜悧な資本ロジックなのである。


だから、厚労省肝煎りの団体が非正規労働者の働きぶりを評価したとしても、話はその範囲で終わるのである。


企業は非正規労働者の頑張りや働きぶりを聞いたとしても、


「ああ、頑張ってくれているんだね、今後もしっかりと頼むよ」


であり、本音は、


「でもね、あともう少し労働単価を下げてもらわんと困るんだよね」


というだけである。


つまり、安倍政権が非正規労働者に資格による階級制度を設けても、労使状況に全く変化はない。


では、企業の支払いに全く影響しないこの資格制度設定の意味は何だろうか。


それは労働者の労働成果が搾取され、



多様な職業選択というペテンで、



企業に都合のよい雇用流動化の流れを作り、



賃金の公平性の名のもとに、



働く者たちの賃金を、最低賃金体系にある人々に、近づけようとする趨勢【スウセイ】 を、ごまかすためである。



つまり安くこき使う、



必要ない時は直ぐに首が切れる状態を早く実現して欲しいというのが、



企業側が政権に期待する課題である。



政権側はそのためにあの手この手の言い回しで、企業側論理の正当性を国民に言い聞かせる。


政府が嘘をもっともらしく言い聞かせるテクニックは詐欺師たちが金を払ってでも学んだほうがいい。



リチャード・コシミズさんが安倍総理について強烈な皮肉を書かれていたので、思わず笑ってしまった。


(引用)


「それにしても、不正選挙でインチキ総理となった頭の悪い傀儡総理は、いわば、「非正規総理」です。


非正規総理 非正規労働者 を苦しめる。悪い冗談ですね、云々」


(リチャード・コシミズさんwrote)

http://richardkoshimizu.at.webry.info/201406/article_96.html






考えてみれば、安倍首相は宰相に最もふさわしくない狭量なチンピラ宰相である。


小泉純一郎元首相の思想的な眷属ではあるのだが、政治のトップとしては小物過ぎて、アメリカやレントシーカーたちの後押しがなければすぐに空中分解する。


小泉純一郎は頭は悪いが政治力は群を抜いており、その判断力はチンピラヤクザの流れを引いていて、決断する時は躊躇がない。


ヤクザの出入り(でいり)感覚で政治を行うのである。


たとえば小泉が清水次郎長(しみずのじろちょう:山本長五郎)みたいに本物の侠客ヤクザだったら、日本は救われていた可能性があった。


だが、残念ながら小泉には義侠心が皆無であり、その政治のモチベーションは一貫して旧田中派型政治に対する怨恨(ルサンチマン)だけで成り立っていた。


小泉のチンピラヤクザの喧嘩根性が米国に利用されてしまったのである。


このエネルギーの凄まじさは安倍晋三みたいな小物の及ぶところではなかった。


このふてぶてしい政治度胸と並外れた決断力があったために、小泉は官邸主導型というトップダウン政治を実現し、効率のよい政府主導体制を築いた。


そのために年次改革要望書が具現化した“構造改革路線”と、その本丸である郵政民営化が実現してしまったのである。


小泉純一郎がもっと頭がよくて、日本人の生活を何とかまともなものにしていこうという義侠心があったなら、彼に内在するルナティック(狂気)なエネルギーは、グローバル資本の対日侵略に対してかなりな抵抗を行っていた可能性はあったと思う。


だが、彼は哲学も思想も内在しない、はぐれヤクザの頭の悪いアイデンティティしか持っていなかった。


彼の頭を占めていたのは橋本経世会を政治の“出入り”で殲滅(せんめつ)させることに凝り固まっていた。


これにくわえ、田中真紀子はロッキード疑獄で父親が刑事被告人となった後、田中派を乗っ取った竹下派(橋本経世会へ続く)への恨みがあり、この思いと小泉の田中派に対するチンピラ・ルサンティマンがシナジー効果を発揮して小泉総理大臣が誕生した。


その結果、小泉はいとも簡単に橋本経世会をつぶしてしまった。


これがきっかけとなって、日本は国政舞台に新自由主義が堂々と登場することを許してしまった。


アメリカは小泉をおだて上げて、日本の修正資本主義をつぶしてしまったことになる。


日本型修正資本主義社会を構成する大事な要素が、今、悪者扱いされているさまざまな規制群だった。


これが何のリスク検証もなしになし崩し的に緩和されていった。


この中心には政商と言われる宮内義彦がいて、経済財政諮問会議にはレントシーカーの大親分・竹中平蔵がいた。


これについては別記事で考察する。


今年の東京都知事選、この男が細川護煕と組んで有力助っ人になったときは、ひょっとしたら彼の“ルナシー”パワーは安倍政権の打ち出すネオリベ潮流に歯向かうかもしれない、これは使えるかもしれないと一瞬思ったが、細川が国家戦略特区を肯定していることが後から分かって、やっぱり小泉はただのアホだったんだなと思った。


このルナシー小泉が産み落とした後継者が安倍晋三だった。


米国コーポラティズムに恭順するド外道宰相としては、小泉と同じだが、安倍は小粒な人間で小泉とは違っていて、おそらくは何一つ自分の意志では判断できないだろう。


言葉に力を込めているときでも、傍から見れば、取り撒きに言わされて無理していることがありありと見える。


ただし、彼の狭量な判断力では、今回の非正規労働者の資格ランク付けのような姑息なことはお手のものだろう。


さて、非正規社員同士に序列優劣差をつけることによって、


その範囲内で心理的な優位性を確保することに、


労働者がシャカリキになって励むことになる。


その結果は寒々しい労働者同士の分断が起こり、この状態は労組の内部分裂による弱体化と同じ意味を持つ。


つまりこの資格によるランク付けは、非正規労働者のアトム化を促進し、労働抵抗運動に発展する萌芽を摘み取ることになる。


1%が行う新自由主義政策ではおなじみとなっている組合つぶしの定石を踏んでいるのだ。


もう1つは、労働者に不毛な優越感を与えることによって、企業の奴隷化状態から気をそらす心理状態が形成されることになる。


これはブラックな企業、政府、財界には願ってもない喜ばしい展開なのだ。


この新しい資格制度は、狭量で姑息な安倍晋三にはいかにもふさわしい政策なのである。


このちんけな資格制度は安倍首相の器に合っているから、彼は優秀な取り巻きの力を借りずとも一人で対応できるだろう。



奴隷の格付けと新たな天下り先の確保