アベノミクス=結局は戦争への道を準備すること | きなこのブログ

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いよいよ何がおこるか分らない
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久しぶりに世界の政治、経済情勢などを大局的にきょうは見てみようと思います。

先日、日米首脳会議が行われ、日本中が安倍首相1人の主張で一貫しているようですが、有識者間ではTPPに対する反論やアベノミクスへの矛盾への思いが急速に広がっているように私には見えるからです。
 
自民党議員の80%以上はTPP反対のようです。
 
事実、アメリカ自体が安倍政権の発言というか安倍首相の発言をきいて、「日本はこれ以上、中国を挑発するな」と言いたいようにさえ見えます。

鳩山元総理は主な発言を松井官房副長官に委せていました。
 
菅さんも官房副長官委せで、小さなことまで首相自らが、いまの安部首相のように答えていると、やがて大きなミスがとび出してくるでしょう。
 
安倍さんが好まれもしないのにいろいろ発言したがるのを見ており、それも一方的に過去と同じ発言をくりかえしているのには気になって仕方ありません。
 
ところで経済的にみますと、日米の株価上昇も喜んでばかりはおられません。

新日銀の幹部たちは、円安、株高の流れを止めないために、さらに金融緩和は必要と言っているようです。
 
これを政府、国会が認めるということですから、そこには作為的な数値も多く、どう見ても、どう考えても、いま、実態経済は持ち上っていそうにないから大変です。

アメリカの数値もそのようになっているようです。

結局、日米、特に日銀やFRBの意図的なバブル押しあげが実態に即していないことに、もうすぐ多くの両国の国民は気づくでしょう。

一方、ヨーロッパも大変です。
 
アイルランド、イタリア、スイス、ポルトガルの情況も何がおこるか分りません。

一方、イスラエルとシリアは、すでに交戦状況です。
 
ここではマクロに書いたのですが、これをミクロに説明するだけで、
 
「いよいよ世界に近々何がおこるか分らない」
 
と言えそうです。

そして日本もその一端をかついでいるのですから、不気味ですね。
 
円安、ガソリンをはじめ、一般物価の値上がりなどは、たいていのところでは、すでに影響が出はじめているでしょう。
 
もっと具体的に書いてみると以下のようになるでしょう。

黒田東彦さんが次期日銀総裁に本決まりしました。
 
安倍首相の狙い目どおりになるでしょう。
 
以下は、すでに黒田さんが言っていることなのです。
 
(1)デフレ脱却は日銀の責任です。
(2)2%の物価ターゲットを2年を念頭に達成したい。
(3)国債購入を今までの短期国債から長期国債に変更します。
(4)毎月一定額を決め、2%達成まで無期限緩和にのり出します。
 
これで日銀は独立性を廃棄して、金融緩和を徹底的にやるということを表明したのです。
 
世の中の専門家の意見は以上の(2)の2年を目途に2%を達成する……というのは不可能だろうということで、大半は3年以上と思っています。

ただ、黒田さんはやってみる気のもようなのです。

こうなると、株式市場、為替市場、商品市場にも大きな影響があるでしょう。

果してこれでいいのでしょうか?
 
常識派の私にとっては、アベノミクスの問題点と同じですが、気になることです。

実は、これらのことを、
 
「資本主義は限界に来てはいないか」
 
「アベノミクスは昭和の高橋是清の経済政策と瓜二つだ」
 
「経済はなぜ成長しなければならないのか?」
 
「利子を認めたとき資本主義が生まれた」
 
「なぜバブル崩壊が頻発するようになったのか?」
 
と、見事に論理的にアベノミクスの意味を解説した名論文を私は親友から入手しました。

これは私に種々のことをまとめて教えてくれる、とりまとめる名人の徳間書店の力石幸一さんの『船井幸雄注目の“本物”に携わる人たち』の原稿ですが、その中の一部だけをここへ転載させてもらいます。

 

●アベノミクスは昭和の高橋是清の経済政策と瓜二つだ

 
世界がデフレから脱出できず不況が長期化するなかで、いま日本では安倍政権のアベノミクスと呼ばれる経済政策によって脱デフレの期待が高まっています。
 
これまでの20年間、日本はずっとデフレ不況に苦しんできました。
 
それが昨年の11月に当時の野田首相が党首討論の場で解散総選挙発言をして以来、一気に円安・株高が進行し、実際にはまだ何も政策が実行されていないのに相場が上昇しています。

アベノミクスは、大規模な金融緩和、機動的な財政政策、そして成長戦略という3つの矢で成り立っていますが、
 
この政策の中味を見ると、
 
実は昭和初期の大恐慌の時代に高橋是清大蔵大臣が実施した政策と瓜二つなのです。

高橋是清が大蔵大臣に就任してすぐに手をつけたのが、金本位制の停止でした。
 
この結果、金本位制のもとで1ドル約2円だった円相場は、1ドル約4円にまでほぼ半値に下落しました。
 
円安にすることで輸出を振興したのです。
 
続いて、日銀による大量の国債買いを実施して金融緩和を実現し、それでもデフレから脱却できないとみるや、日銀が引き受けた国債によって積極財政を大胆に進めました。
 
さらに、円安による為替水準の訂正だけでは十分な効果がないと見ると、矢継ぎ早に大胆な財政政策を実施しています。
 
このように高橋是清が実行した円安政策と財政出動は、アベノミクスの最初の2本の矢とほぼ同じだということができます。

問題は、最後の成長戦略です。
 
日銀が国債を買うことで財政を大幅に出したことが実は軍事予算にまわってしまい、
 
高橋蔵相が加熱した景気を冷やそうとして緊縮政策に転じたとたんに軍事費の縮小を恐れた軍部の反発を招いて、
 
2・26事件で高橋是清は暗殺されることになってしまうのです。
 
つまりデフレからの脱却は、最後は戦争につながってしまったということです。

これはアメリカでも事情は同じで、ルーズベルト大統領のニュー・ディール政策は高橋是清と同じ財政政策でしたが、
 
最後は第2次世界大戦という戦争経済によってアメリカもようやくデフレ不況から脱することができたのです。
 
前回の大恐慌から脱出するための成長戦略は、結局は戦争への道を準備することになったのです。

今回のリーマンショック以降の世界的なデフレでは、この悲劇を繰り返すことにはならないでしょうが、戦争への危険はいつもつきまとっているということを忘れてはならないでしょう。
 
(転載ここまで)
 
これ以降の力石説は、彼の名論文をお読みください(→ 『船井幸雄注目の“本物”に携わる人たち』)。

力石さんの結論は、日銀にインフレ目標を課しての今回のアベノミクスは不安定度を増している。
 
不安定度を増しているグローバルないまの金融資本主義は、いつまた大きなバブルをおこして崩れるか、あるいは戦争という手段によって清算を図ろうとするのか、注意が必要だと思う……ということです。
 
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