「総理がTPPについて無知である」ことが判明した! | きなこのブログ

きなこのブログ

大失業時代が到来しています。大失業の恐ろしさを歴史から学ばなければならない。『大失業は戦争への道につながっている』

日本を明るい未来へ…

国会中継 (2011.11.11) 佐藤ゆかり 「TPP集中審議」


「総理がTPPについて無知である」ことが判明した!


http://www.youtube.com/watch?v=aELTpD5UXrc&feature=related




(張り付け)

http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1546

APECに出発する直前のこの日、国会ではTPP交渉参加問題に関する集中審議が行われた。野田佳彦首相は、この中でTPPの交渉内容の中に含まれる「ISD条項」に関して質問した自民党の佐藤ゆかり議員の質問を理解できず、答弁が混乱し、質疑は委員長の石井一(アメリカの軍門に降って小沢一郎を裏切った、山口組の元非公式幹部でもある議員)によって止められたが、30分に渡る佐藤ゆかり議員の質問に終始野田首相は右往左往した。

5時になって集中質疑が終わり、その後の野田首相のTPP交渉に対する姿勢表明の会見を待つばかりとなった午後6時前後に首相官邸をヘンリー・キッシンジャーが突如訪問した。しかし野田首相はTPPに関する閣僚懇談会を開いていた。

 ここで、キッシンジャーは30分ほど官邸をウロウロして、番記者たちにその姿を印象づけたあとで、いったん官邸を去った。そして、午後8時から野田がTPPの交渉参加(「関係国との協議」「情報収集」と野田は表現したがこれは明らかに交渉参加表明である)の記者会見を20分にわたって行った後、8時45分から再び官邸に姿を見せたキッシンジャーと会見したという。



首相動静―11月11日

 【午前】6時4分、長浜官房副長官、手塚首相補佐官。7時33分、手塚氏出る。41分、長浜氏出る。49分、国会。52分、閣議。8時27分、衆院予算委員会。

 【午後】0時5分、官邸。37分、国会。39分、鹿野農水相、民主党の輿石幹事長。1時、参院予算委員会。4時47分、官邸。51分、政府・民主三役会議。5時12分、同会議終了。6時2分、行政刷新会議。7時18分、包括的経済連携に関する閣僚委員会。8時、記者会見。21分、藤村官房長官。46分、キッシンジャー元米国務長官。日枝久フジテレビ会長ら同席。9時6分、手塚補佐官。22分、公邸。

http://www.asahi.com/politics/update/1111/TKY201111110518.html
(貼りつけ終わり)

 ここでフジサンケイの日枝が加わっている事が重要だ。日枝とロックフェラーは交友がある。これがこの来日が老いたデイヴィッド・ロックフェラーの名代としての訪問であることを意味しているのである。キッシンジャーは15日にはBSフジの番組にも出演するようだ。キッシンジャーも、デイヴィッド・ロックフェラー・シニアの盟友である。デイヴィッド・シニアはもはや96歳であり、車椅子で移動しなければならないので余命も短い。しかし、キッシンジャーはその代理人である。

 そして、キッシンジャーだけではなく、この数日間では、たくさんのジャパン・ハンドラーズが来日していた。まず、8日の日経新聞主催のシンポジウムでは、「安全保障マフィア」であるリチャード・アーミテージ、ジョゼフ・ナイ、ジョン・ハムレ、マイケル・グリーンといった米戦略国際問題研究所(CSIS)の対日震災復興タスクフォースのメンバーが来日した。

相前後して、デイヴィッド・ロックフェラーの息子であり、現在は次期ロックフェラー財団の理事長に就任することが確定している金融投資家であり慈善活動家でもある、デイヴィッド・ロックフェラー・ジュニアが夫人のスーザンとともに来日した。デイヴィッド・ジュニアは石巻の漁業施設を視察した後で、参議院議員会館で議員らを前に閉会による講演会を開催した。この中では日米の震災後の経済連携、協力関係の重要性、人的交流の重要性を述べたのだろう。しかし、それだけで十分だ。分かる人にはわかる。

そして、最初で述べたように、野田が訪米(ホノルルでのAPEC)する前にロックフェラー家の大番頭のヘンリー・キッシンジャーが首相官邸に突然乗り込んできた。キッシンジャーのもとには日本のメディア関係者から野田首相が、山田正彦や川内博史の民主党反対派、自民党の多数の議員らから、そのTPPに関する「恐るべき無知」を指摘されて追い詰められていることが情報として入っていた。ここでキッシンジャーは大慌てに慌てたにちがいない。

 だから、わざわざ午後6時過ぎに一度やってきて、わざわざ30分も官邸周辺でウロウロし、閣僚が協議している中で、ロックフェラー家の名代としてその存在感を見せつけたということである。そして、記者会見後の夜の8時45分だというのに、再度官邸をわざわざ訪問したわけだ。普通ならこんな時間には来ない。

 なぜなら、ここ数日の欧州金融市場を見ていればわかるように、何度も何度も欧州債務危機の穴を塞いだとしても、その解決策に綻びが見える。ギリシャの包括戦略は一応、パパンドレウ政権の崩壊と大連立政権の首班に三極委員会メンバーの ルーカス・パパデモス (元ECB副総裁)をはめ込んでいくことで決まっているが、一方でイタリアの長期国債の利回りがベルルスコーニ首相の辞任表明にもかかわらず危険水位域の7.8%に達した。

 そして、今度はフランスへの債務危機の飛び火が囁かれている。すでにベルギーではデクシアの破綻があり、アメリカ国内でもゴールドマン出身者が経営していた、MFグローバルが欧州危機の読み違えで破綻している。米銀行が抱える欧州ソブリン債務の残高や、それを保証するCDSの持ち残高の巨額さ、CDS市場の崩壊による保証機能の喪失の危惧など、ユーロ圏がメルトダウンする危機が叫ばれている。

 しかも11月23日までには民主・共和の超党派の委員会が連邦債務削減の方針を決めなければならない。これが決まらないと軍事予算を含める予算の2013年からの一律カットに追い込まれていく。この超党派委員会は茶会党系のパット・トゥーミー上院議員がメンバーである。民主党と共和党他ティーパーティー派の対立が米国へソブリン債務危機を感染させるかもしれない。

キッシンジャーは世界経済が不透明感を深める中、米中の連携が重要である。つまり中国に米国債の買い支えと欧州への支援を要請しているわけだ。しかし、中国も頑強でなかなか欧州支援には同意しない。

 そこでキッシンジャーは戦略家としていざというときの危機回避策として、日本とアジアをブロック経済に取り込むという方針でのTPP交渉の路線でもいいから、欧州発、アメリカ経由の金融危機再燃による長期デフレに対応できる経済圏の囲い込みを狙い始めたのだ。

 そのためには日本をTPPに参加させて、アメリカ企業の輸出先、提携先を確保すると共に、米国債を買い支える(円高に対する介入)ように日本政府を仕向けることにしたのだということが今日のキッシンジャーの動きを見て私には分かった。

 アメリカはもともとピーターソン国際経済研究所のバーグステンが輸出を5年間で倍増させるという計画のもとでアメリカの経済復活を目指していた。これはG2の路線にも叶う。

 一方アメリカの安保マフィアは、中国を包囲するシステムの1つとして、通商交渉として行われていたTPPを国家安全保障の課題として再定義し、前原誠司や長島昭久のような安保系のカウンターパートを通じて野田首相にTPPを働きかけるようになっていた。自民党の穏健親米派の加藤紘一議員は、「最近になってアメリカのTPPへの交渉への圧力が加速してきたきっかけ」として震災後の日中韓の首脳会談を挙げている。

 そして、最後にキッシンジャーが官邸を訪問し、野田首相が確実にTPP交渉に参加を決めたことを確認したわけだ。

 TPP交渉は一歩間違えば、これまで何度も書いてきたように、日本自身が中国に対する地政学的な対立を深めていく道具の一つになりうる。経済状況は欧州危機から波及して悪化していく。

 アメリカは欧州債務危機の爆発に巻き込まれることを覚悟し始めている。傷を浅くするにはどうしても日本をTPPに引きこんでおくことが必要であった。

 そして、これまで「徹底抗戦も辞さず」「民主を壊してでも交渉参加には反対」と主張してきた、山田正彦、川内博史、原口一博らのTPP反対派・慎重派たちは野田首相の事実上の「交渉参加」表明のあと、まるで手のひらを返したように、「完全勝利である」という不可解な笑みを浮かべて記者会見を行った。この裏には表に出せないキッシンジャー周辺からの圧力があるのではないか。

 原口一博は、この時の記者会見やツイッターで「これを参加表明という記者がいますが、あくまで予備的交渉を言っているのであり、今までの情報収集をより念入りにやるということである」とか、「反対のあまりに反米になってはいけない。僕らはアメリカの友人たちとずっと話してきた」と話した。この発言からの圧力が相当かかった事を示唆している。原口は菅内閣の不信任騒動のときにも言を一日にして左右した信頼ならない男だ。

 一部の反対派の民主党議員からは「不満の声」も漏れ聞こえるが、それもそのはず。どのように野田や鹿野農水大臣が海外に向けて、あるいはキッシンジャーに向けて(すなわち96歳のデイヴィッド・ロックフェラーに向けて)、日本はTPP交渉への参加を表明したのである。そのようにメディアが報じているではないか。

 さらにテレビ朝日の番組に出演した、安保マフィアの岡本行夫元外務省北米一課長は、ヒラリー・クリントンが米雑誌「フォーリン・ポリシー」に寄稿した「21世紀は太平洋でアメリカの世紀を実現する」という論文(参考)に触れて、「極端に言えばアメリカと一緒にやるのか、中国と一緒にやるのかという問題としてTPPの問題がある」と述べた。

 TPPには慎重であるべきだが、同時にアメリカ経済崩壊という現実がある。そして、それにもかかわらず野田首相は交渉参加の表明をしてしまった。

 奇しくも1929年ウォール街大暴落の前後に、太平洋問題調査会(IPR)というホノルルを拠点とするAPECの思想の前身となる組織の京都会合が開かれ、そこで日本の金解禁が決まってゆき、ここから日本経済へのアメリカ経済への「貢ぎ」が始まったのである。

 太平洋の勢力圏を確保することを打ち出したヒラリー・クリントンはロシアのメディアからは「アメリカは太平洋で覇権を狙う意思表明をした」と認識されている。

 金融経済の不安定化と世界権力政治の不安定化がシンクロし始めている。ロックフェラー帝国は断末魔をあげている。アメリカ経済に対する危機認識が必要である。アメリカはかなり深刻な状態だ。キッシンジャーの行動からそれがわかるように思う。